今、増えているオルタナティブスクールってどんなところ?特徴・メリット・デメリットを徹底解説!

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目次

「オルタナティブスクール」と呼ばれる学校をご存知でしょうか?

オルタナティブスクールは、日本ではまだあまり認知度が高くないので、「初めて聞いた」もしくは「言葉は聞いたことがあるけれど、どんなところかよくわからない」という方が多いのではないでしょうか。

本記事では、日本の一般的な公立・私立の学校とは異なる、新しい選択肢の学校として近年増えているオルタナティブスクールの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。

オルタナティブスクールとは

オルタナティブスクールとは、ヨーロッパやアメリカの哲学的思想をベースに発展した「オルタナティブ教育」を取り入れている学校の総称です。

「オルタナティブ(alternative)」とは「主流の方法に変わる新しいもの」という意味で、オルタナティブスクールは、公立でも私立でもない「新しい選択肢の学校」とされています。指導要領や運営体制が法で規定されている公教育とは異なり、学校それぞれの方針や理念で運営されています。

オルタナティブ教育では、子どもの主体性を重んじ、一人ひとりの個性を尊重した学習が行われます。また、大人は勉強や知識を教える教師という認識ではなく、子どもを支えるスタッフという考えに基づいてコミュニケーションが行われることが多いです。

オルタナティブ教育として日本で特に認知度の高い教育法が「モンテッソーリ」や「シュタイナー」ではないでしょうか。保育園や幼稚園で、モンテッソーリ教育・シュタイナー教育を取り入れる園が増え、日本でも有名になりました。

また、棋士の藤井聡太氏やFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タン氏など、オルタナティブ教育を受けてきた著名人の活躍により、オルタナティブ教育が話題になることも増えました。

近年では、公立・私立小学校でも、欧米の教育思想を取り入れる学校が少しずつ増えてきています。また、不登校支援を目的としたフリースクールやインターナショナルスクールなど、認可外の学校がまとめてオルタナティブスクールと呼ばれることもあります。

オルタナティブスクールの特徴・メリット

1.子どもの自主性を尊重

子どもの好奇心や興味関心に基づいて、学習プランや学校のルール・行事などを決めることが多いです。プランやルールを決める際も、先生が一方的に決めていくのではなく、子どもたちと先生が話し合い、子どもが自ら考える姿勢を大切にしています。

そのような生活の中で、自然と子どもの自主性・主体性が育っていきます。

2.個性・多様性を重視

人にはそれぞれ違う個性があり、必要な学びも異なるという考え方に基づき、学ぶ内容や時間を変えている学校が多いです。

公立・私立ともに一条校(文部科学省管轄の学校)では決められたカリキュラムを定められた時間行うことが義務付けられており、文部科学省の定めた学習指導要領から大きく逸脱することはありません。

オルタナティブスクールでは、子どもの個性を尊重して学習プランや学校のルールを決めることが多いため、教育内容を柔軟に変更できます。子どもの得意なこと、好きなことに多くの時間を費やすことができるため、個性を伸ばしやすくなります。

3.体験型学習の重視

学校によって内容は異なりますが、指導要領が規定されていないからこそ、子どもたちが興味・関心を持ったテーマに関する体験型学習を行うことが多いです。

子どもたちの興味・関心に基づいて、演劇や工作、農業、料理などを自由に体験できるため、座学では得られない深い学びにつながります。

4.少人数・幅広い年齢のクラスメイト

一般的に少人数の学校が多いため、子どもひとりに対して先生が丁寧に接することができます。また、年齢の異なる子どもが一緒に学ぶ機会が多く、日常的に自分より年上・年下の子どもと接することになるため、コミュニケーション能力が鍛えられます。

5.学校に馴染めない子どもの学びの場になる

オルタナティブスクールは、不登校の子どもや講義形式の授業が苦手な発達特性を抱えている子どもを受け入れているケースも多くあります。

一般的な学校に馴染めなかった子どもも、少人数の授業や対話式の学びを実施しているオルタナティブスクールでは生活しやすくなることが期待できます。

文部科学省が2017年に施行した「教育機会確保法」では、不登校の子どもたちが教育の機会を失わないようにすることを目的とし、学校以外の学びの場が認められるようになりました。今、学びの場の多様化が求められており、オルタナティブスクールへの期待も高まっています。

オルタナティブスクールのデメリット

1.上級校が併設されていない

オルタナティブスクールの多くが、小学校または中学校までしかありません。高校まで通えるところはごく一部となっており、ほとんどの子どもたちは途中から一般的な一条校に通う必要があります。

オルタナティブスクールの、主体性や自主性を重んじる環境で成長してきた子どもたちにとって、一般的な高校の授業内容や教育方針、環境は受け入れにくいことも多く、戸惑いを感じる可能性も少なくありません。

2.通える場所が限定されている

オルタナティブスクールは、日本ではまだ一般的な学校ではありません。学校の数そのものが少なく、学校のある地域も限定的なため、通いたいと思っていても家から通える範囲に学校がないケースがあります。

3.認可校が少ない

オルタナティブスクールの多くは無認可であるため、毎日学校に通っていても法的に不登校として扱われてしまうことが多いです。

無認可のオルタナティブスクールに通っても、内申点がつかず、卒業資格も得られないことが多いため、高校受験で一条校への進学を考えている場合は注意が必要です。

オルタナティブスクールでも出席扱いとなる条件は以下になります。

①私立校として認可を受けている

私立校として認可を受けているオルタナティブスクールである場合、法的に出席が認められます。

②.在籍校が認めている

子どもの在籍校(地元の学校)がオルタナティブスクールへの登校を出席として認めれば、法的な出席扱いを受けることができます。

4.費用が高い

法で規定されている公教育とは異なり、国の支援を受けられない学校が多いため、人件費や施設維持費は各家庭からの学費で賄われています。

学校によって費用は異なりますが、一般的に公立校より費用が高額になることが多いです。

5.学校の教育方針の差が大きい

オルタナティブスクールは、各学校で掲げている方針・教育理念が大きく異なります。一概に「オルタナティブスクールだから〇〇している」と言えないため、入学前のリサーチ・確認が重要になります。

さいごに

まだ日本では一般的になっておらず、デメリットもあるオルタナティブスクールですが、少しずつオルタナティブ教育を取り入れている学校は増えてきています。

「当たり前」にとらわれないオルタナティブスクールの先進的な取り組みが、より良い教育の在り方のヒントとなる可能性がありますし、学ぶ環境の選択肢が増えるということは、子どもにとっても、保護者にとっても、また先生にとっても良いことだと思います。

学びの場の多様化が求められている今、オルタナティブスクールへの期待はますます高まっていくでしょう。

自主性や個性を重んじるオルタナティブ教育に共感されている方はもちろん、お子さんが学校に行きたがらない場合や保護者の方が日本の公教育に疑問を持たれているような場合も、お子さんに合った学校選びの選択肢の一つとして、オルタナティブスクールを検討してみてはいかがでしょうか?

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