不登校にどんな朝の対応をすればいい?起きないお子さんの対処法や理想スケジュールも紹介

監修:村上実優

監修:村上実優

累計7万人以上の指導実績を持つ成基の個別指導塾「ゴールフリー」で教室長を務めた後、シンガクの教室長に就任。子どもの本来持つやる気や意欲を引き出す“教育コーチング”のスキルを活かし、学校以外の多様な学びの機会提供と、子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指してシンガクを運営している。

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目次

不登校は、お子さんだけではなく、保護者にとっても頭を悩ませる大きな問題です。

特に、「朝になると急に登校を渋る」「朝、なかなか起きられない」など、登校前のお子さんの状況に戸惑う保護者も多いでしょう。

本記事では、不登校のお子さんを持つ保護者が朝にできる適切な対応策について解説します。

・朝の対応が、お子さんの不登校の克服にどのように影響するのか?

・無理やり起こしてもよいのか?

・理想的なモーニングルーティンとはどのようなものなのか?

これらの疑問に対して、具体的なアドバイスをお伝えします。

不登校克服への手助けとなれば幸いです。

起床後、不登校のお子さんにはどう接するべき?

朝、不登校のお子さんに対して保護者はどのように接したらよいのでしょうか?

保護者としては「今日は登校してくれるのか?」とドキドキする方もいると思いますが、家ではリラックスした雰囲気を保ちながら、プレッシャーをかけないことが大切です。

ここで紹介する6つのポイントに注意して接してみてください。

1. 笑顔で「おはよう」と声をかける

朝は明るい挨拶を心がけ、お子さんが一日の始まりを気持ちよく感じられるようにしましょう。威圧的な態度は避け、自然なトーンで接することで、お子さんの気持ちが和らぎ、気持ちが落ち着く可能性があります。

2. 学校の話題を避ける

朝一番で学校の話をするのはお子さんのプレッシャーになることが多いです。「今日も頑張ろう」とか「学校に行く?」という言葉よりも、まずはリラックスした状態を作ることに専念しましょう。

3. ゆっくりと朝のルーチンを進める

朝食を一緒に食べたり、身支度をゆっくり進めたりして、焦らない雰囲気を作ります。お子さんが落ち着いて過ごせるように、時間に余裕を持たせることも大切です。

4. お子さんの気分や体調を聞いてみる

「今朝はどう?」とさりげなくお子さんの気分や体調を確認し、無理せずに自分のペースで動けるように配慮をしましょう。何をするにも無理強いせず、お子さんの感情を尊重しましょう。

5. 小さなことを褒める

朝、決めた時間に起きたことや食事を一緒にとれたことなど、日常の小さな行動に対して褒めることで、お子さんが自分の行動に自信を持つ手助けになります。

些細なことでよいので、たくさん褒めてあげましょう。

6. 楽しい話題を提供する

学校の話題から離れ、お子さんが興味を持つ趣味や楽しい話題について話すことで、リラックスした状態を保ちます。気軽に会話できる時間を作ることが、心の安定につながります。

朝だけ登校しぶりをするお子さんへの対応法は?

朝、学校に行く前に登校をしぶっている状況は、お子さんの心や身体が学校に対して何らかの抵抗感を持っているサインであることが多く、学校や家庭でのストレスや不安が影響している可能性があります。

登校をしぶるお子さんへの対応法について解説します。

お子さんの話を聞く

お子さんがなぜ登校しぶりをしているのか、どんな気持ちでいるのかや理由をしっかりと聞いてあげましょう。

特に不安やストレスがある場合、話すことで気持ちが軽くなることがあります。

徐々に慣らす

学校に行くことに対して不安を感じている場合は、最初は短時間の登校から始め、徐々に時間を延ばしていく方法が効果的です。

ポジティブな環境を作る

登校前に楽しい活動を取り入れたり、学校での楽しみを話したりして、ポジティブな気持ちを育てることが大切です。

ルーチンを整える

朝のルーチンを決めて、お子さんが安心できるように習慣化しましょう。例えば、朝ごはんを一緒に食べる、好きな音楽をかけるなどです。

ルーチンを決めて過ごすことで、お子さんの不安感が軽減され、気持ちが安定することがあります。

小さな成功体験を積む

お子さんが学校に行った後には、しっかりと褒めてあげることで、自信を持たせることができます。

学校と連携

学校の先生とも連携し、お子さんが安心できる環境を整えてもらうことも重要です。場合によっては、特別支援の必要があるかもしれません。

これらの方法を試しながら、お子さんの状況に合わせたサポートをしていくことが大切です。

不登校のお子さんが朝起きられないのはなぜ?

不登校のお子さんが朝起きられない理由は、心理的な要因や身体的な要因、生活リズムの乱れなどが関わっていることが多いです。

どんな理由があるのか、解説していきます。

1. 心理的ストレス

お子さんが学校に対して不安やストレスを感じている場合、登校することへの抵抗感から、朝起きること自体が難しくなることがあります。

学校生活やクラスメイト、勉強に対するプレッシャーが原因となり、無意識に体が「学校に行きたくない」と反応することで起きられなくなることもあります。

2. 睡眠障がい

不安やストレスが原因で、夜に寝つきにくくなったり、深く眠れないことがあります。

その結果、睡眠の質が低下し、朝起きられなくなることもよくあります。

寝不足や不規則な睡眠が続くと、体のリズムが乱れ、さらに朝が苦手になる悪循環に陥ってしまいます。

3. 生活リズムの乱れ

不登校が続くと、生活リズムが崩れるお子さんが多いです。

夜遅くまで起きている日が続くことで昼夜逆転してしまい、朝起きることが困難になります。

特に長期間不登校が続くと、体が新しいリズムに慣れてしまい、朝早く起きることが苦痛になります。

4. 身体的な疲労や無気力

精神的な負担が身体的な症状として現れることもあります。

慢性的な疲労や無気力、体のだるさが原因で朝起きることが困難になります。

また、抑うつ的な状態が続いている場合、朝にエネルギーを感じられず、ベッドから出ることができなくなることもあります。

5. 意識的・無意識的な逃避

学校に行くことへのプレッシャーが強いと、無意識のうちに体が「学校に行かなくていい理由」を作り出すことがあります。

これには、朝起きるのが遅くなる、体調不良を訴えるなどが含まれます。このような行動は、心理的な防衛反応として自然に現れることがあります。

これらの理由は、お子さんの個々の状況や感情に大きく影響されます。

まずはお子さんが何を感じているのか、どのような困難を抱えているのかを保護者が理解しようとすることが重要です。

不登校のお子さんを無理やり起こしてもいい?

不登校のお子さんが、学校に行かないだけではなく、朝ベッドから起きることもできなくなってしまったら・・。

保護者の心配はどんどん大きくなっていきますよね。

無理やり起こそうとする方も少なくないでしょう。

しかし、朝、不登校のお子さんを無理やり起こすことは逆効果になりかねません。

無理やり起こすのではなく、優しくサポートするための対応法を紹介します。

お子さんの気持ちを尊重する

お子さんが感じている不安やストレスを理解し、まずは共感してあげることが大切です。

「起きなさい」と一方的に言うのではなく、「起きられない理由」を優しく聞いてあげる姿勢が重要です。

朝のルーチンをゆっくりと整える

無理に急かさず、ゆっくりとした朝の準備を取り入れます。リラックスできる音楽をかけたり、温かい飲み物を用意して、心地よい環境を作りましょう。

少しずつ早く起きる習慣を取り入れる

いきなり早く起こすのではなく、徐々に起きる時間を早めていくことで自然に起きられるようになることがあります。

1日数分ずつ早く起きるように促すと、お子さんも無理なく対応できることがあります。

夜の生活リズムを整える

睡眠の質を高めるため、寝る前のスマホやゲームを控える、リラックスできる入浴や読書を取り入れるなど、夜のリズムや行動を見直します。

小さな目標を設定する

「今日は10分早く起きる」「1週間続けたら好きなことができる」など、小さな目標を一緒に設定し、達成感を味わわせることで、ポジティブな習慣を作ります。

身体を少しずつ目覚めさせる

寝室の窓を開けて自然光を取り入れたり、体を軽く動かすよう促したり、自然に目が覚める方法を試してみましょう。

朝の光やストレッチは、自然と体を起こすのに効果的です。

無理に学校へ行かせるプレッシャーを避ける

お子さんが感じる学校へのプレッシャーが原因で起きられない場合は、学校へ行かせることを最優先にしないようにします。

少しずつ学校に戻る準備を進めるように心がけましょう。

適切な朝の接し方によって、お子さんの不登校が克服される?

保護者がお子さんに対して、朝、過度なプレッシャーを与えず、適切に接することで、お子さんが不登校を克服できる可能性があります。

お子さんに合った接し方を取り入れることがポイントになります。

安心感の提供

お子さんが自分の感情や不安を理解してもらっていると感じると、精神的な安心感が得られ、不安やストレスが和らぎます。

その結果、少しずつ学校に対する抵抗感が減り、前向きな気持ちになりやすくなります。

リズムを整える

朝のルーチンを整えることで、無理なく生活リズムが改善されます。規則正しい生活習慣がつくと、心と身体の健康が整い、登校への意欲が徐々に回復する可能性があります。

自信の回復

小さな成功体験や達成感を積み重ねることで、自信が戻り、学校に戻る準備が整うことがあります。お子さん自身が少しずつ「できる」という感覚を持てるようになると、不登校の克服が早く進むかもしれません。

ポジティブな思考の促進

ただ学校に行くことを強要するのではなく、お子さんと向き合い、寄り添うことで、学校に対するポジティブな感情を育むことができます。

ポジティブな環境が不登校克服のきっかけになることがあります。

不登校生にとって理想の朝のスケジュールは?

不登校のお子さんのために、無理なく取り組める朝のスケジュールを2パターンご紹介します。どちらも、お子さんの気持ちやペースを尊重しながら、少しずつ朝のリズムを整えていくことを重視しています。

①リラックス型スケジュール

このスケジュールは、まずはお子さんがリラックスすることを目的にし、徐々に活動的になるステップを踏むプランです。

7:30 起床

無理なく起きられるよう、ゆっくりと声をかけて起こします。窓を開けて自然光を取り入れ、体を目覚めさせます。

7:45 朝食

好きな食べ物や軽い朝食を一緒に取る時間です。急かさず、会話をしながらリラックスできる雰囲気を作ります。

8:15 リラックスタイム

30分ほど、お子さんが好きな本を読んだり、軽く体を伸ばしたりする時間を設けます。この時間は、ゆったりと過ごし、体と心を整えることが目的です。

8:45 ストレッチや軽い運動

簡単なストレッチや軽い体操をして、体をゆっくりと目覚めさせます。少し体を動かすことで、エネルギーが湧きやすくなります。

9:00 学習や創作活動

もし気持ちが整えば、簡単な学習や工作、絵を描くなどのクリエイティブな活動に取り組みます。無理に勉強を押し付けず、楽しめるものを優先します。

②段階的アクティブ型スケジュール

このスケジュールは、少しずつ活動を増やし、学校のリズムに近づけることを目指すプランです。

7:00 起床

目覚ましをセットして、自分で起きられるようサポートします。まだ難しい場合は、まずベッドから出ることを目標にします。

7:15 軽い体操やラジオ体操

起きたら、すぐに体を軽く動かす体操を取り入れます。身体を動かすことで、脳をすっきり目覚めさせます。

7:30 朝食

バランスの良い朝食を一緒に取ります。食事をしながら、今日の予定や目標について穏やかに話す時間です。

8:00 学習時間

簡単な課題やプリントなど、短時間の学習をします。20〜30分を目安にして、難しくない内容から取り組むことで、集中力を高めます。

8:30 休憩と趣味の時間

学習後は、ゲームや好きな趣味に没頭できる時間を設けます。リフレッシュすることで、次の活動に備えます。

9:00 外に出る活動(散歩や庭仕事)

軽い散歩や庭での作業など、外の空気に触れる時間を作ります。学校のリズムに徐々に近づけるため、外出する習慣を少しずつ取り入れます。

これらのスケジュールは、お子さんが自分のペースで進められるようにし、朝の時間を無理なく整えていくためのものです。

どちらも、リラックスする時間と少しの活動を組み合わせて、不登校からのステップアップをサポートします。

お子さんの状態をよく観察し、回復度合いに応じて朝のリズムを整えていきましょう。

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

無理をして今の学校に通わなくても、将来の選択肢はいくらでもあります。

実際に、オンラインフリースクールシンガクの生徒さんの多くは、自分で将来の夢を見つけ、生き生きと過ごされている方が多いです。

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