不登校の海外留学を、小学生・中学生・高校生別にメリットやリスクを解説

監修:青木健志朗

監修:青木健志朗

アラインエジュケーション代表の青木氏は、不登校留学のプロフェッショナルとして、20年以上にわたり延べ1,000名以上の不登校生を中心に留学支援を行っています。 ニュージーランドの教育機関との強固なネットワークを持ち、トラブルや不安への迅速な対応力に定評があります。「相談を待つのではなく、こちらから動く支援」を信条とし、多くの生徒の再出発を支えています。

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目次

不登校のお子さんが新しい学びの環境を求めて海外留学を選ぶことは、近年注目されている選択肢の一つです。

海外留学には、異文化の中での経験を通じて新たな可能性を見出せる大きな魅力がある一方で、年齢や家庭環境によってメリットやリスクが異なります。

本記事では、小学生・中学生・高校生それぞれの段階で、海外留学がもたらす効果や注意点について詳しく解説します。

また、留学先を選ぶ際のポイントや留学期間の決定方法、留学後の進路についても紹介し、具体的にどのように準備を進めれば良いかをお伝えします。

さらに、海外だけではなく国内留学の選択肢として「山村留学」についてもご紹介。不登校のお子さんにとって最適な環境を見つけるための参考としていただければ幸いです。

この記事を通じて、子どもたちがより自由で安心できる学びの場を見つけ、新しい一歩を踏み出すきっかけになればと思います。

不登校の海外留学は何歳からできる?

不登校のお子さんが海外留学をする場合、年齢に制限はありません。
実際に、小学生から高校生までの幅広い年齢層で海外留学が行われています。
年齢別のポイントを解説します。

小学生の場合(6~12歳)

母子や家族で移住する親子留学が一般的で、小学校低学年からの留学も可能です。お子さんの年齢に応じて、保護者が同行しサポートすることが推奨されます。

この時期はお子さんの心身が大きく成長する時期のため、家庭とのつながりや安定した環境を保つことが重要です。

中学生の場合(13~15歳)

中学生になると親子留学だけでなく、単独での留学も選択肢に入ってきます。特に英語圏の中学校やボーディングスクール(寮制学校)への入学が検討されることが多いです。

中学生になると、思春期特有の精神面のケアや、日本の義務教育との調整が必要です。また、現地の教育システムの理解も重要です。

高校生の場合(16~18歳)

高校生になると、単独での留学が一般的になります。交換留学や長期留学を通じて、学業だけでなくキャリア形成にもつながる機会が得られます。

日本の大学進学を視野に入れている場合、帰国後の受験準備が必要になることがあります。

不登校の小・中学生が留学することで得られるメリット

海外留学は、留学の目的(学習環境の改善、自己肯定感の向上、異文化体験など)やお子さんの性格、家庭のサポート体制に応じて適切な年齢を選ぶことが重要です。

小学生からの留学は環境への適応がスムーズですが、親のサポートが必須です。
中学生になると、より自立した形での留学が可能になります。
不登校の小・中学生が留学することは、新しい学びや成長の機会が得られるなど、さまざまなメリットをもたらす可能性があります。

メリット1. 新しい環境で自己肯定感が高まる

不登校のお子さんにとって、国内での経験は否定的な感情を経験することが少なくありません。

留学を通じて全く新しい環境に身を置くことで、過去の状況からリセットされ、成功体験や達成感を得る機会が増え、自己肯定感を高めることが期待できます。

メリット2. 多文化理解と視野の拡大

異なる文化や価値観に触れることで、多様性を受け入れる力が育まれます。

これにより、物事を多角的に見る力や、他者を尊重する姿勢が身につきます。

メリット3. 語学力の向上

幼少期や思春期は言語を吸収する能力が高く、留学によって英語や現地の言語が自然と身につく可能性があります。

語学力の向上は、将来的な進路やキャリアにおいても大きな強みになります。

メリット4. 自立心の形成

特に中学生では、自分で判断し行動する機会が増えることで、自立心が育まれます。また、生活スキルやコミュニケーション能力が向上することも期待されます。

メリット5. 新しい人間関係の構築

国内での友人関係に苦しんでいた場合でも、新しい環境でスタートを切ることができます。

海外では国籍や文化を超えた友人関係を築ける可能性があります。

メリット6. 学び方の選択肢が広がる

海外では、お子さんの興味や特技を重視した教育カリキュラムが一般的です。

日本の一律的な教育から離れることで、お子さんが自分に合った学び方を見つけられるかもしれません。

メリット7. ストレスからの解放

日本特有の学校環境や社会的プレッシャーから離れ、ストレスの少ない環境で学ぶことができます。心の負担が軽くなることで、精神的な安定を取り戻す可能性があります。

不登校の高校生が留学することで得られるメリット

不登校の高校生が留学することには、多くのメリットがあります。

不登校という状況から抜け出し、新しい環境で学びや成長の機会を得ることで自信となり、将来の可能性を広げられる点が特に注目されます。

特に、高校からの留学は、将来へのビジョンを明確にし、自分の可能性を信じて挑戦できる貴重な時期といえます。

メリット1. 自己肯定感と自立心の向上

高校生になると、ある程度自立して生活できるようになります。

海外留学の中で、日常生活や学業の管理を自分で行い、新しい環境での成功体験は、自己肯定感を高める大きな助けになります。

また、自立心が育まれることで、帰国後の生活や進路選択にも良い影響を与えます。

メリット2. 新しい進路の可能性を発見

海外留学は、現地の大学や専門学校への進学、または国際的なキャリアを築くきっかけになることがあります。

日本国内の教育システムにしばられず、お子さん自身の興味や適性に合わせた選択肢を広げることが可能です。

メリット3. 語学力と国際的な視野の獲得

留学先での日常生活や学業を通じて英語や現地の言語が自然に習得できます。

このスキルは、将来的に大学進学や就職活動での強みとなるだけでなく、国際的な視野を持つことで世界に目を向ける力を育てます。

メリット4. 新しい人間関係の構築

不登校経験により友人関係が途絶えたとしても、留学先で新しい友人との出会いが期待できます。

多文化の中での友人関係は、相互理解や尊重の感覚を養い、生涯の財産になることがあります。

メリット5. 学び直しの機会

日本の高校教育から離れ、柔軟なカリキュラムや個性を重視した教育システムを体験することで、お子さんが自分に合った学び方を見つけられる可能性があります。

たとえば、アートやスポーツ、ITなど、特定分野に特化した学びを選べるのも海外留学の特長です。

メリット6. 日本の学校環境からの解放

不登校になった原因の一つが日本特有の教育環境やプレッシャーである場合、海外留学はその負担からお子さんを解放することができます。

新しい環境でのびのびと生活できることで、精神的な安定を取り戻すことができます。

不登校の小・中学生が留学することのデメリットやリスク・注意点

不登校の小・中学生の海外留学には多くのメリットがありますが、同時に注意すべきデメリットやリスクも存在します。

デメリット1. 家族と離れることによる不安や孤独感

特に幼い小学生にとっては、家族と長期間離れることが大きなストレスとなる可能性があります。
海外で新しい環境に適応する一方で、孤独感に悩むお子さんもいます。
対策としては、家族での移住を検討したり、留学先でのサポート体制を十分に確認することが重要です。

デメリット2. 言語の壁

言語が通じない環境に置かれることで、コミュニケーションに困難を感じ、お子さんが自信を失うことがあります。
特に、最初の数ヵ月はストレスが大きくなる場合があります。
留学前に基礎的な語学学習を進めるとともに、現地でのサポート体制(日本語サポートスタッフの有無など)を確認することが大切です。

デメリット3. 現地の教育システムとのギャップ

日本と海外の教育システムの違いにより、お子さんが学業についていけない場合があります。
また、帰国後の進路選択において、学習内容のギャップが問題になることもあります。
留学前に現地のカリキュラムを理解し、帰国後の進路についても早めに計画を立てることが推奨されます。

デメリット4. 異文化への適応ストレス

お子さんが新しい文化や習慣に適応することが難しく、カルチャーショックを感じる場合があります。
特に、現地の価値観や生活習慣が日本と大きく異なる場合、ストレスが大きくなる可能性があります。
事前に現地の文化や習慣について情報を共有し、親やカウンセラーと適応状況について定期的に話し合う機会を持つとよいでしょう。

デメリット5. 留学費用の負担

留学には多くの費用がかかります。学費、滞在費、保険料、渡航費用などが必要で、家計に負担がかかる場合があります。

費用対効果をよく検討し、家計への負担が大きい場合は、奨学金や支援制度の活用を検討することが重要です。

デメリット6. お子さんの意志が不十分な場合の失敗

留学に対しての保護者の意向が強く、お子さん自身が留学を望んでいない場合、現地での生活が苦痛になりやすいです。
留学を決定する前に、お子さん本人の意志を十分に尊重し、意見を反映させることが大切です。

不登校の高校生が留学することのデメリットやリスク・注意点

高校生の海外留学も、小・中学生と同様に多くのメリットがある一方で、慎重に考慮すべきデメリットやリスクも存在します。

デメリット1. 語学力の壁

海外での学習には一定の語学力が必要です。
特に高校生の場合、学問的な内容も高度になるため、十分な語学力がないと授業についていけず、ストレスを感じることがあります。
留学前に基礎的な語学スキルを習得し、現地での学習サポートが受けられる学校を選ぶことが重要です。

デメリット2. 異文化適応の難しさ

異文化での生活や価値観の違いに直面し、カルチャーショックを受ける可能性があります。
特に、高校生は思春期であり、変化に適応するのが難しい場合があります。
対策として、事前に現地の文化や習慣を調査し、柔軟な心構えを持つよう準備することが効果的です。
また、現地の相談機関やサポートグループを活用することも推奨されます。

デメリット3. 学業面でのギャップ

日本の学習内容と海外のカリキュラムが大きく異なるため、学習進度にズレが生じることがあります。これが帰国後の進路や大学受験に影響する可能性があります。
対策として、帰国後の進路を見据え、現地の教育内容が日本の教育とどの程度連携しているか確認し、必要に応じて補習や通信教育を並行して行う計画を立てることが必要です。

デメリット4. 孤立感や精神的な負担

家族や友人から離れた環境で孤立感を抱くことがあります。さらに、学校や生活でのストレスが精神的な負担となる場合も考えられます。
定期的に家族と連絡を取り、現地のカウンセラーやサポートスタッフに相談できる環境を整えておくことが重要です。

デメリット5. 費用負担の大きさ

海外留学には学費以外にも、滞在費や保険料、渡航費など、多額の費用がかかります。この費用が家庭にとって大きな負担となる場合があります。
家計に負担がある場合は奨学金制度や支援プログラムを活用し、費用対効果を慎重に検討することが必要です。

デメリット6. 日本の教育や社会とのつながりの喪失

長期間の留学により、日本の教育や社会との接点が希薄になり、帰国後の進路や再適応が難しくなる可能性があります。
対策として、定期的に日本の情報を得たり、オンラインで日本の教育カリキュラムを受ける機会を設けるなど、日本とのつながりを維持することが大切です。

不登校の小・中学生が留学先を選ぶときのポイント

不登校の小・中学生が留学先を選ぶ際には、お子さんの特性や家庭の状況に合った選択が重要です。
留学先を選ぶ際の主なポイントを解説します。

1. 子どもの年齢や発達段階に適した環境を選ぶ

小・中学生はまだ精神的に未熟な部分が多いため、留学先が年齢や発達段階に合っているかを確認することが重要です。
家族的な雰囲気があるホストファミリーや、少人数制の学校が適しています。

【チェック項目】
小学生:サポート体制の手厚さ。日本語対応が可能な場合は安心感が得られる。
中学生:ある程度自立心を促せる環境かどうか。ただし過度なプレッシャーは避ける。

2. 言語サポートが充実しているか

言語の壁が大きい小・中学生には、現地の言語をサポートする体制が整っている留学先が望ましいです。

日本語を話せるスタッフや、ESL(第二言語としての英語)クラスがある学校を選ぶと適応しやすくなります。

3. 学校や教育プログラムの内容を確認する

不登校のお子さんが自分のペースで学べるよう、柔軟なカリキュラムや個別指導がある学校が理想です。

アートやスポーツ、自然体験などのプログラムがあると、学業以外の分野での成長が期待できます。

4. ホストファミリーや生活環境の質

生活環境がお子さんにとって快適で安全であることは大前提です。
特に、小・中学生は家族との距離感を感じやすいため、ホストファミリーが家族のように接してくれる環境が適しています。

ホストファミリーの選定基準として、家庭内でのルールや文化はどのようなものがあるかを事前に確認しておくとよいでしょう。

5. 留学先の治安や医療体制

留学先の国や地域の治安はもちろん、医療機関がどれくらい充実しているかも重要です。
万が一のトラブルに備えて、保険やサポート体制を事前に確認してください。

6. 留学エージェントや支援団体のサポート

小・中学生が初めて留学する場合、信頼できるエージェントや支援団体を利用することが成功への鍵となります。
プログラムの内容やサポート体制について、十分に相談しましょう。

【チェック項目】
・留学後のトラブル対応の有無
・定期的な進捗確認のシステム

不登校の高校生が留学先を選ぶときのポイント

留学は不登校の高校生にとって新たな可能性を開く機会ではありますが、個々の状況に応じた慎重な検討が必要です。

専門のカウンセラーやエージェントを活用し、留学先の環境やプログラム内容を十分に吟味して計画を立てることが、成功のカギとなります。

1. 留学先の教育内容と目的の一致

高校生の場合、進路やキャリアに直結する留学になるため、教育内容やカリキュラムが自分の目標に合っているかが重要です。

たとえば、大学進学を目指すならアカデミックなプログラム、興味や得意分野のスキルを伸ばしたいなら専門プログラムを選ぶと良いでしょう。

卒業後の進路サポート体制の充実度や語学以外のスキル(リーダーシップ、アート、スポーツなど)を伸ばせる環境の有無も留学先を選ぶポイントになるでしょう。

2. 語学力に応じた選択

高校生の場合、授業内容が高度になるため、語学力が留学先の学校での生活に大きな影響を及ぼします。十分な語学力がない場合、語学補習クラスやサポート体制がある学校を選ぶことが重要です。

3. 環境の安全性と適応のしやすさ

現地の治安や医療の充実度など、生活環境が安全で、精神的な安心感を得られる場所を選ぶ必要があります。

特に、不登校経験のある高校生は、過度なストレスを避けるため、適応しやすい地域を選ぶのが望ましいです。

4. 生活スタイルとサポート体制

寮やホームステイなどの生活スタイルは、留学の成否に大きく関わります。現地での生活支援がしっかりしているかどうかも確認してください。

【チェック項目】
・ホームステイ:家庭的な環境で安心感を得られる
・寮生活:自立心を育てやすい
・学生サポート体制:カウンセリングや悩み相談の場があるか

5. 留学先の文化や価値観

高校生は思春期であり、自分の価値観や考えが形成されつつあります。
そのため、文化的な相性や学校の理念がお子さんの考え方に合っているかを考慮することが重要です。

現地文化について事前にリサーチし、適応が難しそうな場合は短期留学からスタートしてみるのもよいでしょう。

6. 費用面での現実的な検討

高校留学は長期間になることが多いため、費用が家庭にとって現実的かどうかを考える必要があります。

7. 将来の進路との接続性

留学中に得た経験が将来どのように役立つかを見据えて選ぶことが重要です。帰国後の進路や、現地での進学・就職の可能性を検討しましょう。

帰国後の大学進学に対応した教育プログラムがあったり、留学先での大学進学やキャリアサポート体制が整っていると、安心して通うことができます。

8. 不登校経験者に理解がある学校か

不登校の背景や特性に理解があり、柔軟に対応してくれる学校であれば、高校生でも安心して学べます。

不登校経験者の受け入れ実績やメンタルヘルスケア、カウンセリングの提供有無を確認しましょう。

不登校と留学の「ターニングポイント」

子どもが留学を前向きに考えられるタイミング

不登校から海外留学を選択肢に入れる際、最も大切なのは「タイミング」です。
特に重要なのは、お子さん自身が「行ってみたい」と思えるかどうか。

いくら保護者が良かれと思ってすすめても、本人が納得していない状態で留学に踏み切ってしまうと、新しい環境に適応できず、かえって心の負担が大きくなる可能性があります。

「親が無理にすすめる」ではなく「本人の気持ち」が重要

不登校の状態にあるお子さんは、すでに学校や人間関係のストレスを抱えています。そのため、保護者が焦って「海外ならうまくいくかも」と半ば強引にすすめてしまうと、お子さんは「またプレッシャーをかけられている」と感じてしまい、心を閉ざすこともあります。

一方で、お子さんが少しずつ元気を取り戻し、「今のままじゃなく、何かを変えたい」「新しい場所でチャレンジしてみたい」と自分で思えるようになった時こそが、留学に向けた前向きな第一歩になるでしょう。

この「本人の気持ち」が動き出すタイミングを、保護者が焦らず見守ることが非常に大切です。たとえば、以下のようなサインが見られたら、留学という選択肢をさりげなく提示してみるのもよいでしょう。

・海外の文化や言語に興味を持ち始めた
・少しずつ生活リズムが整ってきた
・新しい環境や人との関わりに前向きな反応を示すようになった

本人の気持ちを尊重し、対話を重ねながら、無理のない形で選択肢を広げていくことが、留学を成功につなげる鍵になります。

留学期間はどう決める?

留学期間を決める際には、お子さんの年齢や目的、家庭の状況などを考慮する必要があります。留学期間を決める際のポイントを解説します。

1. 留学の目的に合わせて期間を決定する

短期留学(1週間~3か月)
初めて留学する場合や、不登校のお子さんが海外生活に慣れるための体験として最適です。
語学力の向上や異文化体験を主な目的とする場合に向いています。

中期留学(3か月~1年)
現地での学校生活や語学力向上をもう少し深く体験したい場合に適しています。
帰国後の学校復帰や進路に大きな影響を与えることもあります。

長期留学(1年以上)
現地での進学を目指す場合や、将来のキャリア形成に直結する留学を考えている場合に最適です。
計画的な準備と強い意志が求められます。

2. お子さんの年齢や成長段階を考慮

小学生の場合
まずは短期間の留学で海外生活の雰囲気を体験するのがおすすめです。
長期間の留学は家庭との距離感や環境適応が課題になることがあります。

中学生の場合
自立心を育てる中期的な留学が適していることが多いです。
進路に影響を与える場合は慎重な計画が必要です。

高校生の場合
進学や将来の目標に直結する長期留学を選ぶことも可能です。
ただし、本人の意志と準備が重要です。

3. 留学後の進路を意識

留学後の学校復帰や進学を考慮し、学年や時期を調整する必要があります。
たとえば、高校1年生で1年間留学して帰国後に同じ学年に戻るケースや、卒業資格を現地で取得してそのまま海外大学へ進学するケースがあります。

留学先によっては、学期制度が日本と異なるため、期間を調整する必要が出てくる可能性があります。

4. 費用や家庭の負担を考慮

長期留学は費用がかさむため、家庭の経済状況も重要な決定要因になります。短期留学から始めて、その後の期間を延ばすという段階的な方法も検討できます。

5. お子さんの意志と適応力を尊重

長期間の留学では、お子さんが自立して生活できるかどうかが鍵となります。本人が積極的である場合、長期留学が成功しやすくなります。
一方で、不安が大きい場合は短期からスタートし、徐々に自信をつけていくことが良いでしょう。

不登校経験者の留学後の進路について

不登校経験者の留学後の進路は、個々の背景や留学での経験によって異なりますが、いくつかのパターンがあります。
主な進路とそれぞれのポイントを挙げます。

1. 海外の教育機関への進学

留学先での経験を活かし、そのまま現地の高校や大学、専門学校に進学するケースです。

英語力や専門分野のスキルをさらに磨くことができるため、グローバルなキャリアを志向するお子さんに向いています。

現地での進学を希望する場合は、現地で取得した資格や成績が進学要件を満たしていることが重要になります。

2. 国内の学校や大学への進学

帰国後、日本の高校や大学に編入または新たに受験して進学するケースです。
留学中に培った語学力や異文化適応能力が受験や面接で有利に働くことがあります。
特に、帰国子女入試やAO入試など、特別な入試制度を活用できる可能性が高くなります。
日本の学歴との接続が必要な場合は、現地での履修内容の確認が重要となります。

3. 就職やフリーランスとしてのキャリア形成

語学力や異文化適応能力を活かし、グローバルな企業や海外での就職を目指すケースもあります。
留学経験をベースに、通訳や翻訳、クリエイティブ分野などのフリーランスとして独立する人も増えています。
留学中に、実践的なスキルを習得し、キャリアに直結するプログラムを選ぶと有利になるでしょう。
留学先でのインターンシップやボランティア経験も就職活動での強みになります。

4. 専門学校や職業訓練校への進学

語学や特定のスキルをさらに深めるために専門学校へ進学することもあります。
日本国内の職業訓練校や専門機関に通い、実践的なスキルを習得するケースも増えています。

実務的な学びを重視するお子さんに適した選択肢で、学ぶ内容は将来の就職に直結していることが多いです。

留学するためのステップ

不登校のお子さんが留学を実現するためには、段階的な準備とサポートが必要です。

ステップ1. お子さんと話し合い、意志を確認する

なぜ留学したいのか、留学で何を得たいのかを話し合い、目標を明確にします。
留学への期待と不安を共有し、お子さんの気持ちを尊重します。

ステップ2. 留学の目的地やプログラムを調査する

お子さんに合った国やプログラムを探します。英語圏や、安心して過ごせる環境が整っている国がおすすめです。
目的やお子さんの状況に合わせて、留学期間を決めます。また、ホームステイや寮生活など、お子さんが安心して生活できる滞在形態を選びます。

プログラムは、学習内容はもちろん、スポーツやアートなどの活動の充実度も重要になります。
留学プログラムの選定や手続きに関しては、専門のエージェントに相談すると安心です。

ステップ3. 留学費用と資金計画を立てる

授業料、滞在費、渡航費、生活費など、留学に関係する費用の詳細を見積もります。
公的支援や奨学金制度を調べ、利用可能なものがあれば活用します。

ステップ4. 留学に必要な手続きと書類を準備する

パスポートとビザの取得:留学先の国に応じたビザの申請が必要です。
健康診断や予防接種:渡航前に必要な健康診断や予防接種を受けます。
学校への申込書類:推薦状や過去の成績表、語学力証明(TOEFL、IELTSなど)が求められることがあります。

ステップ5. 留学前に語学力やスキルを磨く

英語や現地語の基礎を習得し、現地での生活や学習に備えます。
また、留学先の国の文化やルールについて事前に学び、スムーズな適応を目指します。
お子さんだけで留学する場合は、自立して生活するための基本的な生活スキルを身につける必要があります。

ステップ6. 留学後の目標設定

帰国後の進路や、留学先での継続的な学習計画を考えておきます。
定期的に目標を確認し、達成度を見直すことで、より有意義な留学を実現することができます。

ステップ7. 渡航準備を進める

荷物の準備:必要な衣類、文房具、医薬品などをリストアップして準備します。
現地での生活準備:電話回線の契約や、現地の銀行口座開設など、生活に必要な準備をします。

不登校 留学エージェントの選び方

不登校のお子さんの留学を成功させるには、「どこに留学させるか」だけでなく、「誰にサポートしてもらうか」も非常に重要なポイントです。

特に、不登校という背景を持つお子さんには、一般的な留学とは異なる配慮やサポートが求められます。そのため、エージェント選びは慎重に行いましょう。

不登校対応に強いエージェントを選ぶ重要性

不登校のお子さんが海外留学で自信を取り戻すには、現地の受け入れ体制はもちろん、渡航前からの丁寧なサポートが不可欠です。

不登校対応に強いエージェントは、次のような点に配慮したサポートを提供しています。

・心理的な不安や自己肯定感の低さへの理解
・一人ひとりの状況に合わせた進路・学校の提案
・無理のないスケジュールやプログラム設計
・現地スタッフとの連携によるサポート体制の構築

こうした配慮があるかどうかで、お子さんの留学経験が「新しい一歩」になるか、それとも「またつまずいてしまう経験」になるかが大きく変わってきます。

実績やサポート体制のチェックポイント

エージェントを選ぶ際には、以下のようなポイントをチェックしましょう。

不登校生のサポート実績があるか
実際に不登校のお子さんを支援した経験があるエージェントは、具体的な事例や成果を持っています。体験談やインタビューを確認しましょう。

現地との連携体制がしっかりしているか
海外の受け入れ先との連絡がスムーズか、現地での緊急時対応があるかなど、サポートの質を見極めましょう。

本人・保護者との面談が丁寧か
形式的な説明ではなく、本人の状況や希望をしっかり聞き取ったうえで提案してくれるかどうかは大きな判断材料です。

帰国後のサポートがあるか
帰国後の進路相談や再適応支援も含めてサポートしてくれるかどうかも重要です。

おすすめのエージェント

以下は、不登校生への対応に定評があるエージェントの一例です(※最新情報は公式サイトや口コミなどでご確認ください)。

WSOセンター

1991年創業の老舗中学・高校留学専門エージェントです。留学先はニュージーランド、カナダ、オーストラリア、イギリスから選べます。
公式発表によると、これまでに延べ2,500名以上の支援実績があります。

現地にはスタッフが常駐し、お子さんとの定期面談や学期ごとの報告書を通じて、ご家庭と密に連携します。カウンセリングや学校選定、渡航後の生活・学習支援、帰国後の進路相談まで、一貫したフォローを提供しています。帰国生入試の合格実績も公式サイトで公開しており、具体的な進学先を確認できます。

アラインエジュケーション

アラインエジュケーションは、不登校を経験したお子さんを現地で延べ1,000人以上、高校卒業まで導いてきた実績を持つ2人の創業者が立ち上げた、ニュージーランド専門の留学エージェントです。

20年以上にわたり築いてきた現地校とのネットワークを活かし、一人ひとりに合わせた学校選びときめ細かなサポートを提供します。

渡航後は、心のケアや生活・学習・進路支援を重視し、短期から卒業留学まで幅広く対応。留学中は2週間に1回の対面面談で状況を把握し、保護者への報告も定期的に行います。
https://alignedu.co.jp/

ターニングポイント

不登校や発達特性、起立性調節障害などの相談に対応する留学エージェントです。
国内では個別カリキュラム作成、定期カウンセリング、マンツーマン英会話、生活リズムの調整、国内ホームステイ体験などで出発準備を支援。世田谷・新宿・名古屋・大阪にカウンセリング拠点があり、面談や説明会を実施しています。渡航後は日本人スタッフが生活・学習面をフォローし、帰国報告会や進路相談まで一貫して伴走します。 

ISS留学ライフ

Z会グループ運営。公式サイトによると30年以上の運営実績があり、世界28カ国・約1,200校と提携しています。

高校留学では独自の選考(英語能力テスト/適性心理テスト/日本語作文/本人・保護者面接/書類審査)を実施し、目的や適性を確認。出発前の準備から渡航後まで、日本人スタッフのいる現地提携オフィスや24時間日本語緊急サポートで支援します。 

選ぶ際は複数社に問い合わせ、実際に担当者と面談してみることをおすすめします。信頼できるエージェントは、無理に契約を進めたりせず、お子さんの状態を最優先に考えた対応をしてくれます。

実体験の声を紹介

不登校から海外留学を決意したご家庭には、それぞれの背景や思い、そして乗り越えてきた壁があります。

ここでは、実際に留学を経験した保護者とお子さんの声を紹介しながら、「どんな気持ちの変化があったのか」「どこが大変だったのか」「どんな成果があったのか」を見ていきます。

保護者と本人の率直な気持ちの変化

【高校3年生女子・ニュージーランド留学】

保護者の声
「学校に通えなくなった時期は、不安な日々が続いていました。子どもが「海外に行ってみたい」と口にしたときは、正直驚きましたし、心配もありました。それでも、エージェントと相談を重ねて留学の準備を進めていく中で、子どもの意志がしっかりしていることが感じられ、少しずつ不安が和らいでいきました。「自分の力で変わりたい」という思いに、背中を押してあげたいという気持ちになりました。

留学中は、すべてが順調というわけではありませんでしたが、困ったことがあれば現地のサポーターや先生に相談し、自分なりに乗り越えようとしている姿に、成長を感じました。日本にいた頃は、悩みを一人で抱え込んでしまうことが多かったのですが、今では自分の気持ちを言葉にして、周囲に助けを求めることができるようになりました。それが何よりの変化であり、親としてとても頼もしく感じました。

本人の声
「日本では同年代の女の子の集団に苦しさを感じることが多く、教室に入ることが難しくなり、不登校になりました。『日本人の少ない環境なら人間関係のストレスが減り、勉強にも集中できるのではないか』と思い、高校1年の途中でニュージーランド留学を決意しました。

さまざまな人がいる環境では「普通」を意識することが少なくなり、不思議と気持ちが軽くなりました。現地の学校は、自分が選択した科目の教室に移動して授業を受けるスタイルなので、『同じクラスメイトと教室にずっと居続ける息苦しさ』から解放されたのにも救われました。

それでも、人間関係に悩むことはありました。苦手なクラスメイトのいる授業に入れなくなってしまったこともありましたが、現地サポーターや留学生担当の先生が話し合いの場を設けてくれて、一緒に対処方法を考えてくれました。

また、ニュージーランドの授業はディスカッションなど自分の意見を述べる機会が多く、最初は戸惑いましたが、自分の意見を真剣に考え、言葉にする経験を重ねる中で、自分自身の考え方や価値観にも自信が持てるようになりました。

留学で得た一番の学びは、『自分を理解して、人と違うことを恐れずに人と向き合う力』だと思います。自分の意見を持つことの大切さを知り、たとえ人と違っても、それを伝える勇気を持てるようになりました。それが、私にとっての何よりの成長だったと思います。」

エージェントが見た成功例・苦労した点

【高校2年生男子・カナダ留学】

日本では、進学校での勉強のプレッシャーから体調を崩し、学校に通えなくなった生徒でした。一度休み始めると、『もう頑張っても勉強についていけない』と感じ、次第に外出もできなくなったそうです。そうした状況の中で、環境を変えて再スタートしたいという想いから、カナダの高校へ進学することを決断されました。

しかし、現地の生活にすぐには馴染めず、不安や孤独感から「帰りたい」と家族に何度も電話をかけ、学校を休みがちになる時期もありました。その際には、現地のサポートスタッフが本人と保護者の間に入り、気持ちを受け止めながら、無理のないペースで過ごせるよう環境の調整を行いました。日本人の先輩を紹介したことも、安心感につながったようです。

少しずつ気持ちが落ち着いてくると、「学校に行くのが楽しいと思える日が増えてきた」と話すようになり、英語の勉強にも前向きに取り組むようになりました。持ち前の集中力を取り戻しながら学習を続け、半年後には学校のプレゼンテーションに挑戦できるまでに成長しました。

本人は、「あの時は本当に帰りたいと思ったけど、感情に任せて帰らなくて本当に良かった。自分で乗り越えられたことが、大きな自信になった」と振り返っていました。

実体験からわかること

不登校からの留学は、「逃げ」ではなく「新しい環境で自分を見つめ直すチャンス」でもあります。ただし、すべてが順調に進むわけではありません。

実体験の中で見えてくるのは、本人の変化を焦らず見守ることの大切さと、適切なサポートがいかに心強いかということです。

これから留学を検討するご家庭にとって、リアルな声として少しでも参考になれば幸いです。

不登校の留学は海外だけじゃない!国内の山村留学も選択肢に

留学というと、海外を思い浮かべる人が多いですが、国内での「山村留学」も、環境を変えて学びたいお子さんにとっては非常に魅力的な選択肢です。

山村留学は、自然豊かな地方の村や山間部で一定期間生活しながら学ぶスタイルで、不登校のお子さんにも適したプログラムが多数用意されています。

山村留学のメリット

1. 環境の変化がストレスを軽減する
都市部の生活や学校環境でストレスを感じているお子さんにとって、自然豊かな環境はリラックスできる要素になります。心の安定を図りながら学ぶことが可能です。

2. 地域の人との交流で自信を育む
少人数の学校やコミュニティでの生活により、家庭以外の支援やつながりを築くことができます。

地域の人々との交流は、お子さんに社会的な自信や人間関係のスキルを育てるきっかけとなります。

3. 学びの幅が広がる
山村留学では、学校の授業以外にも、農作業や郷土料理作り、伝統工芸体験など地域ならではの活動を体験できます。

4. 自立心を養う
自宅を離れて暮らすことで、自己管理能力や自立心が培われます。家族の元を離れた環境で新たな挑戦をすることで、成長の機会となります。

5.海外留学に比べて費用が安価
山村留学は、海外留学に比べて渡航費、生活費、学費などの面で負担が少なく、奨学金や助成金の活用によりさらに手軽に参加できる点が特徴です。

山村留学は国内留学の新しい可能性

山村留学は、海外のような語学力習得は目指さないものの、豊かな自然の中でのびのびとした生活を体験できる魅力的な選択肢です。

不登校のお子さんにとって、自分らしさを取り戻す第一歩としても有効です。興味のある方は、ぜひ一度プログラムの詳細を調べてみてください。

更新日:2025/9/11

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