不登校中でも勉強は追いつける?おすすめの勉強方法や注意点をご紹介

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目次

不登校のお子さんを持つ保護者は、お子さんの今後について様々な悩みを抱えていらっしゃるでしょう。特にお子さんの将来のことに関して悩んでいる方が多いはずです。保護者だけではなく、お子さん自身もさまざまな悩みを抱えています。その中でも特に大部分を占めるのが「勉強に関する悩み」です。

そこで今回はそんな悩みの中でも、勉強面に絞った解説をしていきます。

不登校になると勉強の遅れが出る2つの理由

学校に行っていない間にも授業は進められるから

学校の授業は基本的に「先生が1人、生徒が30人ほど」という集団授業のスタイルがとられています。そのため1人の生徒が授業を休んでいても、授業は進められます。

1日に6つの授業が行われるとすると、「50分×6=300分」で、1日に5時間の勉強の遅れが出ることになります。

家で1日5時間の勉強が出来れば良いのですが、なかなか一人で5時間勉強することは難しく、結果的に勉強の遅れが生じてしまいます。

勉強が嫌だから

不登校のお子さんの中には、そもそも勉強が嫌で不登校になるパターンも多いです。

勉強が嫌な理由はさまざまですが、勉強以外のことに興味が出る、なんとなくやる気がでないというお子さんがいるようです。

勉強が嫌で不登校になってしまうと、学校だけでなく、家でもお子さんは勉強をしません。そのため、結果的に勉強に遅れが出てしまいます。

不登校中のお子さんが勉強で追いつくための3つのポイント

お子さんが不登校中の方は、「勉強で他の子たちについていけるか心配」と悩んでいる方も多いでしょう。現に、不登校の小学生の64%が「学校を休んでいる間、勉強の遅れに対する不安があった」と回答しています。

今回は、不登校になった際の勉強で追いつくためのポイントについて解説していきます。

(*出典1)文部科学省|不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書

お子さんの気持ちに寄り添う

不登校のお子さんを持つ保護者は、学校に行かないお子さんのことが心配で、つい必要以上にお子さんに接しがちです。しかし、不登校のお子さんは心が不安定な状態にあります。お子さんの心に寄り添った献身的なサポートを心がけましょう。

その際に最も大切なことは、お子さんの現状に共感してあげることです。不登校のお子さんは、学校に行けていない現状に対して不安や苛立ちを抱えていることが多いです。

お子さんの不安や苛立ちを理解し、そんな心を受け止めてあげましょう。

勉強を強制しない

不登校にはさまざまな要因がありますが、そもそも不登校の要因が学業不振ということもあります。令和3年度の調査では、小学生で3.2%、中学生で6.2%のお子さんが学業不振によって不登校になったというデータが出ています。

不登校のお子さんのほとんどが、学校に行けていないことに対して「このままではだめだ」と理解しています。そんなお子さんに対して、学校に行けていないこと、勉強をしていないことを責めてはいけません。

「このままでは学校の勉強に追いつけないのではないか」という不安もあると思いますが、まずはお子さんが自発的に勉強するのを待ちましょう。

(*出典2)文部科学省|令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

生活リズムを整える

不登校のお子さんは、どうしても生活リズムが崩れがちです。昼夜逆転がその典型例です。

実際、不登校のお子さんの65%以上が、生活リズムの乱れを感じています。

特に昼夜逆転を直すためには、昼に活動するということが重要です。そのため、昼に活動の予定を入れるなどして、昼型の生活に戻るようにしていきましょう。

学校や仕事は、昼に活動が行われることがほとんどです。不登校から復帰して学校に通うようになったとき、さらには仕事をするようになった時のためにも、早寝早起きを心がけるなど整った生活リズム作りを心がけましょう。

(*出典3)  「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)

【京大生が解説】不登校のお子さんに効果的な、短期間で勉強の遅れを取り戻すコツ

不登校のお子さんを持つ方は、お子さんの勉強のことで心配事が多いと思います。

ここでは、お子さんが「短期間で」勉強で追いつくことができるのに効果的なコツを3つ紹介します。

簡単な問題や得意な分野から勉強

不登校になり、しばらく机に向かっていないお子さんが、急に応用問題が解けることはなかなかありません。それだけではなく、勉強へのモチベーションがない場合がほとんどです。いきなり難しい問題を解き、それが解けなかった場合、勉強へのモチベーションの低下につながります。

短期間で効率的に勉強の遅れを取り戻すためには、お子さんの「勉強したい」という気持ちが最も大切です。そこで大切なのが簡単な問題、得意な分野の問題を解き、成功体験によりお子さんのモチベーションを上げ、「勉強したい」気持ちを引き出してあげましょう。

まずは解けそうな問題から解いてみて、モチベーションを上げることで、勉強することに対する障壁を取り除いてみましょう。

短時間の勉強で習慣づくり

不登校になり、勉強から長い間遠ざかっていたお子さんが突然長時間勉強をすることはなかなか難しい部分もあります。

そのため、まずは10分ほどの勉強から始めてみることが大切です。この5分、10分の勉強が習慣になってくると、30分さらには1時間の勉強が自然とできるようになってきます。

私自身、受験勉強を始めたての頃は長時間は集中することができず困っていましたが、短時間の集中を毎日繰り返すことによって、長時間勉強することも苦ではなくなり、さらには長時間集中できるようになった経験があります。

まずは短時間の勉強からスタートして、勉強をする習慣、さらには長時間勉強をするための集中力をつけていきましょう。

試験対策を重視した勉強

勉強の習慣がつき、学習意欲が出てきたお子さんや、進学を見据えているお子さんは、定期試験や入試を見据えた勉強をすることも必要です。

特に定期試験は、試験ごとに範囲が決まっているため、重要事項が非常にわかりやすいです。そのため、テストに出やすい箇所をピックアップして学習に取り組むようにしましょう。

その際重要なのは、あくまで「基礎力」がある程度ついてから試験対策に取り組むことです。基礎力がついていない状態で試験問題を解くと、お子さんは問題を解けず、勉強に嫌気がさしてしまう可能性もあります。

タイミングを見計らって、試験対策を重視した勉強に取り組むようにしましょう。

また、受検や試験本番で起きる緊張や不安を解消する方法については、私も監修しているスタペディアの記事で紹介しています。お子さんが勉強にプレッシャーを感じているようでしたら、ぜひ一度ご覧ください。

京大生100人で作る勉強メディア「Stapedia」|受験前・本番の不安や緊張を解消する方法を京大生が解説

一人での勉強が難しい場合におすすめの勉強方法

ここでは、一人での勉強がなかなかうまくいかない場合におすすめの勉強方法をお伝えします。ここで紹介する勉強方法には、メリットだけではなくデメリットもあるので、注意しながら試してみてください。

①家庭教師

家庭教師は、一対一で授業を受けられるシステムです。塾では、決められたカリキュラムに沿って授業が進められるため、個人の理解度に合わせることなく授業が進められます。一方で家庭教師はマンツーマンで授業が受けられるため、お子さんの理解度や学習レベルに合わせた授業が可能です。さらに、一対一での指導のため、学習面以外でのことでも気軽に相談しやすいというメリットもあります。

最近では従来の自宅に教師に来てもらえる形式の家庭教師だけではなく、オンラインで授業を教えてもらえるオンライン家庭教師もあります。

オンライン家庭教師では、教師の方に来てもらう際の部屋の掃除や、家でない場所で行う場合の通学などの必要がないため従来の家庭教師よりも気軽に依頼できるというメリットがあります。

また、家庭教師の交通費などの経費がかからない分、授業料も安価であることも多いです。

オンライン家庭教師のデメリットとしてよく言われるのが、ピアプレッシャーによる競争力が養われにくいという点です。

塾では基本的に10〜30人で授業が進められ、さらには塾内模試もあり、必然的に他の生徒と比較される機会が増えます。そのため、ピアプレッシャーが働きやすい傾向があります。

家庭教師は周囲の生徒と比較される場がなく、競争力が養われにくいですが、生徒自身のペースで学習を進められるため、苦手克服や志望校が明確である場合には最適です。

(*参考)100%京大生講師が担当するオンライン家庭教師「学問舎」

②塾

塾に行くことの一番のメリットは、毎週決められた日程で授業が進められるため、学習習慣が身につくということです。また、学習環境を確保することができることも塾のメリットとして挙げられます。塾には授業スペースだけでなく、自習スペースが備わっていることがほとんどです。家では集中できないなどの悩みがあるお子さんにとっては、自習スペースは貴重な場所です。

もう一つのメリットは、、受験のノウハウを知ることができることです。塾はいわば受験のプロフェッショナルです。教材から志望校の情報に至るまで、合格へと最短ルートで導いてくれます。受験の知識を持った講師からサポートを受けられることは保護者だけでなくお子さんにとってもきっと心強いものです。

一方でデメリットもあります。まず挙げられるのが、受け身の学習になってしまうということです。講師が大人数の生徒に対して授業を展開するため、恥ずかしいという気持ちから、分からなくてもその場で質問しにくい雰囲気があります。そのため、自分から積極的に学びに行くことが後退し、受け身な学習になってしまいがちです。さらに、送迎で時間がとられることもデメリットです。保護者の負担も増えることになるため注意が必要です。

③フリースクール

フリースクールとは、不登校など、何かしら課題を抱えるお子さんに対して、第二の居場所を提供する民間の施設のことです。

フリースクールでは、同じ境遇の同年代のお子さんたちとコミュニケーションを取ったり、体験学習を通して不登校でも社会と繋がる機会を得ることができます。

また、個別に学習サポートを行うフリースクールもあります。復学・進学に重きを置くフリースクールであれば、勉強の遅れを取り戻すことも可能です。

全てのフリースクールで学習サポートを行っているわけではないという点には注意が必要です。フリースクールごとに活動方針は異なりますので、通う前にはお子さんの意向とズレがないか、入念に情報収集するとよいでしょう。

フリースクールは不登校のお子さんにとって、安心していられる第二の居場所です。安心して過ごせる場所での活動を通し、お子さんが自信を取り戻すきっかけにもなります。他のお子さんとの交流の機会を求めているお子さんにはとっておきの場所といえるでしょう。

不登校のお子さんの進学への影響

お子さんの進学について悩んでいる保護者も多いでしょう。ここでは、不登校のお子さんの成績について、また進学についての悩みを解決していきます。

成績について

不登校のお子さんの学校の成績についてですが、良い成績を取ることはなかなか厳しいです。それぞれの学校によって異なりますが、学校の成績はテストだけではなく、出席や小テストにも基づいて決められます。そのため、満足のいく良い成績を残すことは難しいといえます。

進学について

進学についてですが、不登校のお子さんでも進学することは可能です。内申点や出席を入学の審査の際に使用する学校がほとんどですが、そうではない学校もあります。進学を考えているお子さんをもつ保護者は、そのような学校を中心に調べていくとよいでしょう。

【まとめ】

今回は、不登校でも勉強で追いつくことができるかご紹介しました。

不登校でも勉強で追いつくことは可能ですが、保護者のサポートが不可欠です。

勉強で追いつくためには、勉強のサポートだけではなく、精神的なサポートも必要です。

お子さんに対して勉強を強制してしまうと、お子さんに嫌気がさし、勉強に取り組みづらくなります。

また、一人での勉強が難しい場合には他の勉強方法もあります。

まずはお子さんの精神面でのサポートを最優先に、お子さんの心に寄り添いながら見守ってあげてください。

【出典一覧】

*1 文部科学省|不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書
参考箇所:不登校中のお子さんが勉強で追いつくための3つのポイント

*2 文部科学省|令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
参考箇所:不登校中のお子さんが勉強で追いつくための3つのポイント、勉強を強制しない

*3 「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)
参考箇所:不登校中のお子さんが勉強で追いつくための3つのポイント、生活リズムを整える

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