不登校の人は予備校に通うべき?予備校に通うメリットや選び方を解説

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目次

  • 不登校でも大学に進学できるの?
  • 子どもが不登校で大学に行けるか心配…
  • 不登校の受験生は予備校に通うべき?

不登校の大学進学についてこのような疑問や不安を抱いている方もいると思います。
不登校でも手順や条件をクリアすれば、大学に進学できます。

今回は、不登校のお子さんが大学受験するために予備校に通うべきかを解説し、メリットや選び方も紹介していきます。

大学受験について悩んでいる不登校の方は、ぜひご覧ください。

不登校でも大学進学は目指せる?

不登校により高校を退学または卒業できなかった場合でも、希望すれば大学への進学は可能です。

大学進学には高校卒業か高卒認定資格が必要

大学受験には原則として高校の卒業が条件となっていますが、高卒認定試験に合格すれば、高校を卒業したことに代わる資格が得られます。

高卒認定試験は全国の各都道府県で実施されていて、年に1〜2回程度受験できます。
試験科目は国語、数学、英語などが中心で、高校レベルの学力が求められます。
2024年からは新たに歴史・公共が追加されるようです。


合格すれば高校卒業と同等の学歴を認定され、大学受験の資格が得られるため、不登校のお子さんも大学進学を目指せるのです。
受験勉強は自分で行う必要がありますが、予備校に通うことで、学校に通わずとも勉強のサポートを受けられます。

不登校により進路選択のチャンスを失う必要はありません。
高卒認定試験にチャレンジすることで、希望する大学へ進学できる可能性が広がります。

高専を卒業することでも、大学進学の資格を得られますが、高専は職業に特化した内容を学ぶ学校です。
大学受験に向けた学習が手薄になる可能性があり、不登校のお子さんにはあまりおすすめできません。

不登校の大学受験については以下の記事でより詳しく解説しています。
あわせてご覧ください。

不登校でも大学受験はできる?入学資格、受験勉強のポイント、保護者ができることを解説!

不登校のお子さんが予備校に通うメリット 

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不登校のお子さんが予備校に通うメリットは大きく5つあります。

  • 大学受験の情報が得られる
  • 勉強をサポートしてもらえる
  • 相談相手ができる
  • 同じ境遇の仲間に出会える
  • 学校以外の居場所になる

大学受験の情報が得られる

予備校に通うメリットの一つは、最新の大学の入試情報を得られることです。
予備校の講師は全国の大学の入試動向に詳しく、例年の傾向や最近の変更点などを生徒に教えてくれます。

大学の入試は毎年内容が変わるので、独学で情報を集めるのは大変です。
予備校なら講師から直接的確なアドバイスがもらえるため、的を射た勉強ができます。


また、教材は最新の入試に対応したものを使うので、勉強の効率が良いのも魅力です。

大学受験において情報力は大きな武器です。
予備校で知識を得ることは大きなアドバンテージになります。

勉強をサポートしてもらえる

授業での勉強に加え、個別の学習サポートを受けられることも、予備校に通う大きなメリットです。

わからない問題や内容があれば、その場で講師に質問できます。
学校に行きづらくて先生に質問できなくても、予備校なら気軽に聞けるでしょう。

講師に質問してすぐに解決できるのは、予備校ならではの強みです。
学習面でのサポートが手厚いので、効率的で充実した勉強が可能になります。

個別のフォローを得られる環境は、不登校のお子さんにとっても学びやすいはずです。

相談相手ができる

予備校に通うメリットには、講師やスタッフとの相談関係が築ける、というのもあります。
学校には相談しにくい場合もありますが、予備校なら気軽に話せるでしょう。

例えば、進路や勉強以外の悩みごとでも、予備校の講師は親身になって聞いてくれるはずです。

不登校の背景にある精神的な要因についても、カウンセリングのように相談できるでしょう。
講師との信頼関係が生まれると、勉強意欲の維持にもつながります。

また、予備校には専門のカウンセラーが在籍しているところもあります。
心理的なケアを直接受けることも可能です。

相談相手が充実しているのは、学校にはない大きなメリットといえます。

同じ境遇の仲間に出会える

予備校には不登校経験のある生徒が少なからず在籍しています。
同じような状況の仲間と知り合えるのも魅力的です。

学校では他の生徒との孤立感を味わう場合もありますが、予備校なら気の合う仲間が見つかる可能性が高いでしょう。
仲間同士で励まし合えば、勉強にも励めるはずです。

同じ目標に向かう仲間は、劣等感や孤独感の解消にも役立ちます。
互いに助け合える関係が築けるのは、予備校ならではの強みだと言えます。

学校以外の居場所になる

学校以外の居場所が得られることも、予備校の大きなメリットです。

不登校のお子さんにとって、学校に行くこと自体が困難な場合があります。
しかし、予備校なら学校とは違う雰囲気の場所で勉強できます。

予備校は基本的にお子さんの意思で通っているので、強制感が少ないのが特徴です。
自分のペースで通えるため、心理的な負担が軽減されます。
時間の拘束も学校ほどではないでしょう。

また、多くの予備校ではカフェテリアなどの空間が用意されています。
休憩時間に仲間と過ごせるので、居心地の良さが生まれます。

学校に抵抗のあるお子さんにとって、予備校は心理的安全性の高い場所になりえます。
ストレスなく過ごせる居場所を得られるのは大きなメリットだといえます。

不登校のお子さんが予備校に通うデメリット

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一方で、予備校に通うことにはデメリットもあります。

授業料がかかる

予備校に通うデメリットとして、授業料が高額になることがあげられます。

月謝制の予備校では、1ヶ月の授業料が5万円を超えることも珍しくありません。

授業回数に関わらず基本的に月謝を支払う必要があるので、体調不良等で授業を休むことがあっても割引されることはありません。
長期の病気休暇も考慮されにくいのが実情です。

奨学金制度がある予備校もありますが、条件が厳しかったり手続きが煩雑な場合が少なくありません。
経済的理由で予備校通いを諦めざるを得ないケースもあるでしょう。

合わない予備校を選ぶと通うことが難しい場合も

予備校にはそれぞれの校風や指導方針の違いがあり、必ずしもすべてのお子さんに適しているとは限りません。

合わない予備校を選んでしまうと、授業についていけないこともあるでしょう。
人間関係のトラブルや学習スタイルの違和感から、通うのを強いられる状況になる可能性もあります。
その場合、更なる不登校を招く危険性もあります。

自分に合った予備校を見極めるのは難しい判断と言えます。

以上のように、予備校の授業料の高さと、合わない予備校への通学は、デメリットとなる場合があることを知っておく必要があります。

予備校の種類ごとの特徴

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予備校にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や強みがあります。
一つずつご紹介します。

対面・集団授業の予備校

対面・集団授業の予備校は、複数の生徒が教室に集まり、教師の授業を直接受けるスタイルです。
グループレッスンが基本で、生徒同士の交流も多くなります。

授業内容は教科書に沿った説明や演習が中心になるため、基礎学力の定着に適しています。
また、教師の話を直接聞けるのが強みです。

一方で、人との関わりがストレスになる可能性もあるでしょう。

月謝制が多く、週2〜4回の通学が基本です。
欠席しがちなお子さんにはあまり向きませんが、人と関わることに抵抗がない場合にはおすすめできます。

学習効果や人間関係形成の面でメリットが大きいと言えます。

個別指導の予備校

個別指導の予備校は、1人の生徒に1人の講師が付く完全個別レッスン方式です。
人との関わりを避けたい生徒に適しています。

自分のペースで勉強でき、質問しやすい環境が整っています。
欠席のことを気にする必要もありません。

ただし授業料は高額になりますし、集団学習のメリットも得られないという難点があります。

映像授業の予備校

映像授業の予備校は、ビデオやDVDの授業を視聴する形式の予備校です。
自宅でも視聴できるので、通学しなくても授業を受講できる利点があります。

授業は録画されたものだけでなく、ライブ配信される場合もあります。
外出が困難な生徒でも、オンラインで参加できるよう工夫されています。

講師と直接対面しない分、集中力が持続しにくいデメリットもありますが、自分のペースで授業を受けられるのが強みです。
通学が難しくても、学習を継続できる選択肢となります。

オンライン指導の予備校

オンライン指導の予備校は、インターネットを通じて授業を受けるスタイルです。
パソコンやスマートフォンを使い、自宅から予備校の授業に参加できます。

外出しなくても予備校の授業を受講できるので、通学が困難なお子さんに適しています。

ただし、直接指導を受けられないという短所もある点に留意が必要です。

講師や他の生徒とのコミュニケーションもオンラインチャット等で補う工夫が必要でしょう。
出席管理もしっかり行うことが大切です。

不登校専門・不登校のお子さんを積極受け入れている予備校

不登校専門の予備校や、不登校の生徒を積極的に受け入れている予備校もあります。
こうした予備校は、不登校経験者のニーズに合わせた学習環境や支援体制を用意しています。

例えば、自分のペースで授業を受けられるように個別対応したカリキュラムを提供したり、定期的なカウンセリングを実施したりするなどの取り組みが行われています。

不登校経験のある教職員が在籍しており、精神面のケアにも力を入れている学校が多いのが特徴です。
不登校の生徒が安心して通える環境が整備されているのが強みといえます。

一方で、専門校のために授業料が高額になりがちな点には注意が必要です。
自分の状況に合った予備校を見極めることが大切です。

不登校のお子さんが自分に合う予備校を見つける7つのポイント

ビジネスウーマン・ブルーバック

不登校のお子さんは自分にあった予備校を見つけることが大切です。
カリキュラムや授業体制、雰囲気などがマッチしていれば、通いやすいですし、勉強にも精を出せるはずです。

ここでは予備校選びのポイントを7つ解説します。

  • 不登校の人を受け入れている予備校か
  • 自分のペースで学習できるか
  • 授業の振り替えが可能か
  • 授業形式は自分に合っているか
  • 個別面談などのサポートが充実しているか
  • 生徒同士の関わりがあるか
  • 希望する大学の受験レベルに合っているか

不登校のお子さんを受け入れている予備校か

不登校のお子さん向けのサポート体制が整っているかを確認することが大切です。
不登校生の受入れ方針や過去の実績を調べてみましょう。

例えば、不登校経験のある教職員が在籍していたり、適応指導教室を設置していたりする予備校は安心感が得られるでしょう。

自分のペースで学習できるか

自分のペースで授業を受けられたり、相談に乗ってくれる体制があれば、通いやすくなるはずです。
不登校への理解があるかが、合う予備校を見極めるカギとなります。

一方で、不登校生の受け入れに否定的な予備校もあるので、慎重に確認する必要があります。

自分らしく学べる環境を提供してくれるかが大切です。

授業の振り替えが可能か

体調不良時などに授業の振り替えが柔軟にできるかもポイントです。

振替制度がある予備校なら、都合による欠席時に補講を受けられます。
教室外での授業も選択可能なところもあるでしょう。

慢性の病気などで定期的に授業を休む必要がある場合、振替などの配慮が得られるか確認したいです。

理解のある予備校であれば、状況に応じて対応してくれるはずです。
欠席の心配なく通える体制がある予備校を選ぶことをおすすめします。

授業形式は自分に合っているか

予備校には、集団授業、個別授業、オンライン授業など様々な授業形態があります。
自分に合う形式か確認することが大切です。

集団授業は人との関わりが必要で、個別授業は授業料が高額になりがちです。
オンラインなら通学不要ですが、集中力が持続しない場合も。メリット・デメリットをよく考えて判断しましょう。

また、授業時間や1回の授業時間にも適切な設定がされているか確認したいです。
自分の体力や意欲に合わせたペースが保てるかがポイントになります。

個別面談などのサポートが充実しているか

学習面だけでなく精神面でのサポート体制も大切です。
定期的な面談やカウンセリングを実施しているかを確認しましょう。

先生とのコミュニケーションを大切にする予備校を選べば、精神的なケアを受けながら勉強に取り組めるでしょう。

生徒同士の関わりがあるか

予備校では、同じ受験生との交流が生まれることもメリットの一つです。
人間関係の形成を望む場合は、生徒同士の関わり合いがあるかを確認しましょう。

グループディスカッションやランチタイムなど、仲間と過ごす機会がある予備校を選べば、互いに刺激し合えるでしょう。

一方で、関わりを避けたい場合は個別対応の予備校を選択することも大切です。

希望する大学の受験レベルに合っているか

志望する大学の難易度と、予備校の受験実績を確認したいポイントです。
合格実績のある予備校を選べば、良い刺激を得られるはずです。

ただし、レベルが高すぎるとついていけないことも。自分の学力を見極め、無理のない予備校を選択することが大切だと言えます。
目標に向かって着実に力をつけられるかがポイントになります。

以上のような視点から、自分にあった予備校を見つけていきたいですね。

不登校のお子さんにおすすめの予備校3選

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不登校のお子さんにおすすめの予備校を3つご紹介します。

河合塾

河合塾は全国に校舎を構える大手予備校です。
不登校の生徒に対するサポート体制が整っており、適応指導教室も併設しています。

遠隔地受講が可能なのが魅力で、自宅でオンライン授業を受講できます。
校舎に通うことが困難でも、学習を継続できる環境が整っています。

また、生徒一人ひとりの状況に合わせた学習プランを提供している点も強みです。
ペースに合わせた授業時間などの設定が可能です。

中でも河合塾COSMOは不登校の生徒におすすめです。

河合塾COSMOは高校中退者を中心に、高卒認定・大学受験のサポートを行っています。
基礎から大学受験レベルまで丁寧に指導を受けられ、不登校のお子さんでも自分に合ったカリキュラムで学習を進められます。

大手予備校ながら、個別対応に力を入れているのが特徴です。
不登校の生徒のニーズに配慮した学習支援が受けられます。

CARPE・FIDEM

CARPE・FIDEMは、不登校経験のあるスタッフが運営する予備校です。
不登校生に対する理解があり、支援体制が手厚いのが特徴です。

授業形式は完全個別指導が基本で、自分のペースで授業を受けることができます。
定期的なカウンセリングも実施されており、精神面のケアに力を入れています。

不登校に理解のある教員集団が魅力で、生徒一人ひとりの状況に合わせた対応がなされます。
自分らしく過ごせる空間が提供されています。

スタディサプリ

スタディサプリは、動画教材を使った授業がメインの予備校です。
自宅でも視聴できるので、通学しなくても授業を受講できるのが特徴です。

教材は録画授業だけでなく、ライブ授業も配信しているためリアルタイムで参加可能。
インターネット環境があれば、自宅からでも予備校の授業を受けられるのが魅力です。

また、メンタル面のサポートにも力を入れており、SNS等での相談やオンラインカウンセリングも実施しています。
不登校の生徒向けのケア体制が整っている学校といえます。

外出が困難な場合でも学習を継続できる環境が整っているため、不登校のお子さんにおすすめの予備校といえるでしょう。

【まとめ】

Campus.

不登校のお子さんでも、予備校を活用することで大学受験は十分可能です。
高校を中退しても、高卒認定試験に合格すれば大学への道は開かれます。

予備校には不登校の生徒向けのサポート体制を整えた学校もあるため、自分のペースで学習を進められる環境を得られるでしょう。

授業形態も対面授業だけでなく、オンラインや動画配信の授業も選択できます。
外出が困難な場合でも通える予備校を選べば、学習の継続が可能です。

経済的な負担や予備校選びの難しさはあるものの、自分に合った予備校を見つけることが大切です。

諦めることなく希望する進路を目指せるチャンスがあるのです。
不登校のために進学のチャンスを失う必要はありません。

予備校の力も借りながら希望の道を進みましょう。

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