子どもにとっても、保護者にとっても、安心して過ごせる場所があることはとても大切です。
学校に行くことだけが正解ではないとわかっていても、次にどう動けばいいのか迷うこともあるでしょう。そんなとき、地域にあるフリースクールの存在が、選択肢を広げてくれることもあります。
そこで今回は、川西市でおすすめのフリースクールを4つご紹介するとともに、選び方のポイントと特徴についても詳しく解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
川西市でおすすめのフリースクール4選
学校に行きづらそうな様子が続くと、そっと支えになってくれる場所を探したくなります。無理に通わせるのではなく、その子に合ったペースで過ごせる環境を見つけることが大切です。
川西市には、そんな気持ちに応えてくれるフリースクールがいくつかあります。ここでは、とくにおすすめの4つの施設をご紹介します。
学びのスペース「セオリア」

「学びのスペース『セオリア』」は、兵庫県川西市が設置する不登校支援の拠点です。
もともとは「適応教室セオリア」という名称でしたが、令和3年度から「学びのスペース」という呼称に変更されました。
この名称には、学校に行きにくい小中学生が、それぞれのペースで安心して学びを深められる場所という意味が込められています。
市内在住の不登校児童・生徒を対象に、個別の学習支援や少人数での体験活動を実施し、学校復帰を見据えた支援を行っています。
スタッフは教職経験を持つ指導員が中心で、大学生のボランティアもサポートに加わり、学習面だけでなく子どもの心にも寄り添う体制が整っていますよ。
電話番号 | 072-758-1728 |
住所 | 川西市栄町11₋3 パルティK2北棟2階 |
アクセス | 阪急川西能勢口駅 北へ徒歩 3 分 JR川西池田駅 北へ徒歩 8 分 |
対象年齢 | 小・中学生(市内在住) |
費用 | 記載なし |
公式サイト | 学びのスペース「セオリア」 |
里山スクール「風」「泉」

「里山スクール『風』『泉』」は、川西市黒川地区にある自然豊かな里山を舞台にした小中学生のための居場所です。
四季折々に変化する自然のなかで、五感を使いながら日々の暮らしにふれる体験ができます。教室という枠を離れ、身近な自然の中での気づきや発見を通じて、自分の「好き」に出会い、自分らしさを取り戻す時間が流れています。
活動は週に1〜2日、黒川里山センターにて実施。「風」は小学1〜5年生、「泉」は小学6年生〜中学3年生が対象です。
畑しごと・アトリエ活動・森あそびなど、子どもたちの興味関心に合わせて過ごすことができます。ただ過ごすのではなく、自然とともに呼吸しながら、安心して自分を表現できる場がここにはあります。
学校に通いにくいと感じている子にとって、新たな一歩となる選択肢のひとつです。
電話番号 | 0727380107 |
住所 | 兵庫県川西市黒川字中尾264 川西市黒川里山センター |
アクセス | 能勢電鉄「妙見口駅」下車 徒歩35分 |
対象年齢 | 「風」:小学1年生~5年生 「泉」:小学6年生~中学3年生 |
費用 | 単発 4,000円 ※連続申込みの場合、割引あり |
公式サイト | 里山スクール「風」「泉」 |
STUDIO Ciel

「STUDIO Ciel」は、学校に行きづらさを感じている子どもたちに向けて、午前中(日中)のクラスも開設している学びの場です。
「学校に行かない選択」を推奨するわけでも、否定するわけでもなく、今その子が置かれている状況を尊重し、自分のペースで可能性を見つけられるようサポートしています。
通う理由も背景も一人ひとり異なる中で、「STUDIO Ciel」では、子ども自身が「自分らしく生きる力」を育てられるよう、演劇教育プログラム「ACTMIC EDUCATION®︎」を導入。
演技や表現を通じて、自分を見つめ、発信する力や他者との関わりを自然と身につけていきます。
日々の活動は、ただ演じることにとどまらず、表現の幅を広げるアートのような時間が流れています。
電話番号 | 072-200-3004 |
住所 | 兵庫県川西市小花2丁目7−3 シャンテ 106 |
アクセス | 阪急川西能勢口駅東口より徒歩6分 JR川西池田駅より東へ徒歩12分 |
対象年齢 | 記載なし |
費用 | 入会金:30,000円 登録費:15,000円 月謝 週1:7,000円 週2:10,000円 週3:13,000円 |
公式サイト | STUDIO Ciel |
校内フリースクール
川西市では、学校内の空き教室を活用した「校内フリースクール」の取り組みが進められています。
市立中学校7校に続き、2023年度には市立小学校16校すべてにも導入され、通学はできても教室には入れない児童・生徒の支援が広がっています。
設置された部屋では、「ほっとルーム」や「けやクル」といった名前がつけられ、子どもたちが安心して過ごせる空間が整えられていますよ。
トランプやパズルなど自由な遊びもできる一方で、個別ブースで学習プリントに取り組む時間も確保されており、それぞれのペースで学ぶことが可能です。
通常学級への復帰後も、給食だけは引き続き校内フリースクールで過ごすなど、段階的な支援も行われています。登校への不安がある子にとって、無理なく学校とつながり続けられる柔軟な取り組みです。
電話番号 | 各学校 |
住所 | 各学校 |
アクセス | 各学校 |
対象年齢 | 小学生・中学生 |
費用 | 無料 |
川西市のフリースクール選び3つのポイント
川西市内には、市が設置・運営する支援の場から、自然体験を中心とした地域密着型の施設、民間団体による自由な学びの空間まで、複数のフリースクールがあります。
ここでは、川西市という地域特性をふまえたうえで、フリースクールを選ぶ際に大切にしたい3つの視点を紹介します。
支援内容や教育方針が子どもに合っているか確認する
川西市内には、自然体験を重視した施設、学習支援に特化した教室、学校復帰を目指す場など、目的や方針の異なるフリースクールが存在します。
たとえば、「学びのスペース セオリア」は学校生活への段階的な復帰を視野に入れた学習支援型、「里山スクール『風』『泉』」は自然とふれあいながら自己表現を育てる体験型です。
「STUDIO Ciel」では演劇教育を通して自信やコミュニケーション力を育み、「校内フリースクール」は在籍校内で学ぶ選択肢を用意しています。
まずは、子どもの今の状態や性格、希望する過ごし方と照らし合わせ、無理なく通える雰囲気かどうかを確認することが重要です。
施設によっては体験参加が可能なところもあるため、いきなり通うのではなく、雰囲気を肌で感じたうえで検討するのが安心です。
通いやすさとサポート体制をチェックする
フリースクールを選ぶうえで、通いやすさは見逃せないポイントです。川西市は南北に広く、場所によっては通学に時間がかかる場合もあります。
毎日通うことが難しい子にとっては、移動の負担が大きなストレスになることもあります。近隣の施設かどうか、通学手段が確保できるかを確認しましょう。
また、送迎の有無や、保護者との連携体制もチェックしておきたい要素です。たとえば、「学びのスペース セオリア」や「STUDIO Ciel」では教職経験のある指導員やボランティアが関わり、家庭とのやりとりも大切にしています。
「校内フリースクール」であれば、もともと通っていた学校にいながら支援を受けられる点で、通学のハードルが下がる場合もあります。
費用や補助制度を事前に確認しておく
民間が運営するフリースクールでは、利用料が発生する場合があります。川西市のように市が関与する教室(学びのスペース セオリア・校内フリースクールなど)は無料で利用できる一方、民間施設では月謝や教材費がかかることもあるため、事前に確認が必要です。
費用が心配な場合は、公的な補助制度や助成金の対象となるかどうかも調べておきましょう。
また、費用だけでなく、通う頻度や期間によって費用が変動することもあります。週に数回の通所から始めたい場合など、柔軟に対応してくれるかどうかもあわせて確認すると安心です。
川西市のフリースクールに通う際に使える補助金や助成金
現時点では、川西市が独自に設けているフリースクール利用者向けの補助金制度は確認できません。ただし、兵庫県では不登校の子どもを持つ保護者に向けた相談会が実施されています。
相談会の概要
- 主催:兵庫県教育委員会(義務教育課)
- 開催場所:県内6か所で順次実施
- 内容:
・県立施設や市町の教育支援センター、民間フリースクールなどが参加
・フリースクールの活動や特徴に関する情報提供
・保護者の悩みや不安に対する個別相談
相談会では、実際に支援に関わる団体の話が聞けるため、通いたい施設について詳しく知る機会になります。
補助制度の最新情報が得られることもあるため、参加をおすすめします。詳細は川西市教育委員会または兵庫県の義務教育課に問い合わせてください。