宿題はなぜ必要?宿題をやってないお子さんに保護者ができること

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目次

宿題に取り掛からないお子さんに対して、保護者はついつい叱ってしまいますよね。

宿題をやっていないことは必ずしも悪いこととは言い切れません。

お子さんにも事情があるのです。

何か別の用事があって宿題をする時間がなかったり、授業が理解できなくて取り組もうと思っても進まなかったり。毎日完璧に宿題をこなすのは決して簡単なことではありません。

もちろん、授業内容の定着や学習習慣をつけるために宿題は大切です。

しかし宿題をしていないことでお子さんを追い詰めすぎるのはよくありません。

今回の記事では、宿題との正しい向き合い方を解説します。宿題をしていないお子さんに対して保護者ができること・すべきでないことを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

宿題をやってないのは悪いこと?

毎日のように出される宿題。宿題をしていかないと怒られることもありますよね。

でも、宿題をやっていないのは必ずしも悪いことなのでしょうか?

ここではそれを解説します。

「宿題をやらない=ダメ」ではない

大前提として、宿題をやらないというのは一概に悪いことだとは言い切れません。

宿題は義務で、必ずやっていかなければならないものとして多くの人は考えています。

もちろんこの考え方もある程度は正しいです。しかし例外もあります。

例えば取り組もうと思ったけれど、授業内容が理解できておらず進められなかった場合を考えてみましょう。

授業内容を理解できないことは悪いことなのでしょうか。そうではないはずです。

もちろんどうして宿題ができなかったのかという理由を先生に伝える必要はあります。

しかし、このような特別な事情がある場合は宿題を完成させられなくても過度に心配する必要はありません。

完璧主義だと疲れてしまうことも

どの問題も間違えてはいけない、丁寧にノートに書き写さなければいけない・・・

宿題に取り組む際、ついついこんなことをお子さんに伝えてしまいがちです。

間違えずに問題を解けることや、丁寧にノートを作れることは素晴らしいことです。しかし、こうした言葉がお子さんを追い詰めているかもしれないということを忘れてはいけません。

完璧主義は悪いことではありませんが、それでも宿題をこなすのは大変です。

だんだん宿題がしんどくなってしまいます。

周りの大人が完璧主義の場合、その人を見て育つお子さんも完璧主義になってしまうことが多いです。保護者はもちろん、学校の先生が影響を与えることもあります。

保護者はお子さんが完璧主義すぎないか、見守ってあげると良いでしょう。

宿題が出される理由

小学校から高校まで、基本的にどの学校でも宿題が出されます。

宿題をこなせなくて不登校になるお子さんがいるのにも関わらず、どうして宿題は出されるのでしょうか。

ここでは、学校が宿題を出す目的を解説します。

学習習慣を身に付ける

宿題を出す第一の目的は、お子さんに学習習慣を身につけさせることです。

宿題を出すと、家で学習する時間が必要になります。

毎日少しでも机に向かうというのは生涯大切な習慣になります。

勉強面だけでなく、継続的に努力できるという視点からも学習習慣を身につけることは大切です。

授業内容の理解を深める

宿題を出す第二の目的は、授業内容を復習し、理解を深めさせることです。

学校の先生は、授業だけでは内容を理解できないと考え、復習の意味も込めて宿題を出します。人間の記憶力には限界があり、覚えたと思っていても、いつの間にか忘れてしまっているものです。

授業の内容を忘れないように宿題が出されています。

課題解決力や思考力を高める

宿題を出す第三の目的は、お子さんに課題解決力を高めさせることです。

授業内容を応用して自分の力で問題を解いたり考えたりすることで、課題解決力や思考力を高めます。

AIが台頭し、私たち人間が自分の頭で考えることを強く求められている現代において、課題解決力や思考力は非常に重要です。

毎日コツコツ宿題をすることを通してこの2つの力を鍛えられるでしょう。

宿題が終わらなくても諦める必要はない

宿題が終わらないからといって諦めたり絶望したりする必要はありません。

ここではその理由を解説します。

宿題がない学校もある

実は、宿題がない学校もあります。

例えば、東京・新宿区にある区立西新宿小学校は、今年の夏休みの宿題を廃止しました。

生徒が自由に過ごせる時間が増えただけでなく、教員の負担も削減できたと言われています。

国の制度上宿題は強制でない

実は、文部科学省によると、宿題や通知表は法律や学習指導要領上に定めはありません。

つまり、宿題を出すかどうかは各学校、各教師の判断なのです。

もちろん、宿題として出された以上は成績判断に反映されることがほとんどです。

しかし原則として、宿題は絶対的な義務ではないということがわかります。

お子さんが宿題をやってない理由

義務ではないと言っても、宿題として出されている以上原則として宿題を提出する必要があります。

お子さんが宿題をしていない場合、保護者はなんとかしなければと考えます。

そのためにはまず、宿題をしていない理由を理解してあげる必要があります。

ここではお子さんが宿題をしていない場合に多い理由を解説します。

学校の勉強が理解できていない

まず考えられるのが、学校の勉強が理解できていないことです。

授業が理解できていない場合、どうせできないだろうと宿題に取り組む気になりませんよね。

こうした場合、宿題はできて当然という態度で「早くやりなさい」と叱っても逆効果です。また、お子さんが授業がわからないということを隠そうとする場合もあるので要注意です。

学校の勉強が理解できていない場合には、保護者だけでなく学校や塾のサポートが必要になる場合もあります。

宿題をやる理由がわからない

学校の授業を一度聞いただけで理解できるお子さんに多いのがこのパターンです。

授業を聞いて理解しているのに、どうしてわざわざ宿題をする必要があるのかと考えているようです。

授業内で理解できるのは素晴らしいことです。保護者はまずそれを褒めてあげた上で、宿題がなぜ必要なのかを説明してあげると良いでしょう。

疲れてやる気が出ない

疲れて宿題に取り組む気にならないという場合も考えられます。

放課後塾や習い事で忙しく、宿題に取り組めるのが夜遅くなってからというお子さんも少なくありません。

明日も朝早くから学校があるのに、そうした状態で宿題に取り組むのは大変ですよね。

塾や習い事の予定も大切ですが、お子さんの負担にならないように保護者がお子さんスケジュールを調整してあげると良いでしょう。

平日の予定を土日にずらすなどして、平日の放課後はお子さんが宿題や友達との遊びに自由に使える時間を作ってあげるのがおすすめです。

宿題の未提出で留年する可能性はある?

宿題の未提出で留年する可能性は極めて低いです。

小学校と中学校は義務教育のため、留年がそもそも存在しません。

宿題を出さないことで成績が下がってしまうことはあり得ますが、進級できない

ということはないようです。

高校では留年制度がありますが、宿題を提出しないだけで留年といった事態はまずないでしょう。

高校で進級するためには規定の単位を取得する必要がありますが、単位認定に一番大切になるのは授業への出席です。

しっかり出席しているなら、少し宿題を出さなかったからといって留年を言い渡される可能性は低いでしょう。

しかし高校以上は義務教育ではなく、各学校の方針に判断が任されている部分が大きいです。対応は学校により異なるので注意しましょう。

また、小中高いずれでも共通することですが、やはり宿題として出されている以上、提出できることが望ましいです。

どうしても宿題を出せない事情があるなら、それを先生に相談するなど何かしらのアクションを起こすことが必要です。

お子さんだけで難しい場合は、保護者もサポートすることが大切です。

保護者ができること

ここでは、宿題をやらないお子さんに対して保護者ができる対応を紹介します。

ついつい叱ってしまいがちですが、逆効果であることがほとんどです。

お子さんをやる気にさせるポイントはお子さんの気持ちを無視しないことです。

お子さんの考えを理解し、やる気を出させるような方法を解説します。

声かけを工夫する

保護者はお子さんに対し、宿題をするように声かけをすることが多いと思います。

この声かけの仕方がポイントです。

以下のような声かけはNGです。

  • もう宿題やったの?
  • 早く宿題終わらせなさい

以下のような声かけがおすすめです。

  • 今日の宿題はどんなことをやるの?
  • 宿題が終わったらおやつだけど、何が食べたい?
  • 今のうちにちょっとやっておく?

やりなさいと言うのではなく、自然と宿題に取り組むことを提案してあげるとよいでしょう。

宿題ができたことを褒める

宿題が終わったら、そのことを褒めてあげましょう。

簡単なことですが、お子さんはそれだけで嬉しいものです。

褒められたという体験が次も宿題をしようという前向きな気持ちにつながるはずです。

一緒に取り組む時間を作る

一緒に宿題に取り組む時間を作ってあげると良いでしょう。

これは特に低学年のお子さんにおすすめです。

一緒に問題を考えたり、文章を読んでみたりすることで、楽しみながら宿題に取り組むことができるでしょう。

保護者がすべきでない対応

ここからは、宿題をやらないお子さんに対して保護者がすべきでない対応を紹介します。

宿題をやっていないことを叱る

絶対にNGなのは、宿題をやってないことを頭ごなしに叱ることです。

やる気がでないにしろ時間がないにしろ、何らかの理由があるはずです。

それがゲームや遊びなのであれば、まずは宿題を優先するように伝えればいいですし、習い事や塾で疲れているのなら明日の朝やるように約束すると良いでしょう。

「つべこべ言わずに今すぐやりなさい」という態度を取ってしまうと、お子さんが余計反発する可能性があります。

どんな理由であっても、一旦耳を傾けてあげると良いでしょう。

全く干渉しない

全く干渉しないというのもよくありません。

宿題はどうなのと干渉しすぎるのもお子さんの負担になりますが、完全に放っておくのもよくありません。

保護者が知らないうちに宿題を完全に放棄して、保護者面談で担任から聞かされるなんて事態になりかねません。

程よい頻度と方法で声かけしてあげるのがよいでしょう。

宿題が終わらなくて学校に通えない場合の選択肢

どうしてもお子さんが宿題をしていなくて困っている場合には、学校以外の場所に相談してみるのもよいかもしれません。

ここでは別の選択肢を紹介していきます。

◆教育支援センター等の公的な支援機関を利用する

教育支援センター(適応指導教室)とは、不登校児童に対するカウンセリングや学習指導、体験学習のサポートなどを行っている公的機関です。各都道府県・市町村に1,634カ所設置されています。

他にも、「児童相談所」「精神保健福祉センター」など、さまざまな公的機関があります。

教育支援センターについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

教育支援センター(適応指導教室)ってどんなところ?!目的やできること、フリースクールとの違いを徹底解説!

◆出席扱いになる自宅学習用の教材を使う

最近では、文部科学省が定めた条件を満たす場合、出席扱いになる自宅学習用の教材も増えてきています。

学校に行けなくても、そうした教材を利用すれば学習を進めることは十分可能です。

学校との連携や指導要録の条件を満たす必要があるため、詳細は学校によって異なる場合があります。

興味がある場合は、学校や運営会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

◆フリースクール等の民間の施設に通う

フリースクールなどの民間施設を利用するのもおすすめです。

フリースクールとは、何らかの事情により学校に通うことが難しいお子さんに、学校に変わる「第二の居場所」を提供している施設です。

フリースクールの他にも、オルタナティブスクールやホームスクールなどがあります。

フリースクールについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

フリースクールとは?基本情報から学費・進学可否まで幅広く解説

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【まとめ】宿題をやってない理由に耳を傾けてあげよう

お子さんがなかなか宿題をしていないというのは珍しい話ではありません。

そんなお子さんに対し、保護者はついつい厳しく叱ってしまいますが、それでは逆効果です。

どうして宿題ができないのか、やりたくないのか。

その理由をまず探ってあげましょう。その上で、どのような対応をとるのかを考えていく必要があります。

不登校のお子さんのこと、1人で悩まないで

無理をして今の学校に通わなくても、将来の選択肢はいくらでもあります。

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