「毎日学校へ通うのがつらい」「自分のペースで高校卒業を目指したい」
――そんなお子さんの進路を考えるとき、心強い選択肢になるのが通信制高校やサポート校です。
この記事では、千葉県内の代表的な通信制高校とサポート校を、学費やスクーリング、入試情報とあわせて紹介します。
目的別の選び方や使える奨学金・補助金制度もまとめているので、お子さんに合った学校を見つける手がかりにしてください。
千葉県の通信制高校事情
まずは、千葉県の通信制高校がどのような状況にあるのかを押さえておきましょう。
千葉県内に本校を置く通信制高校は、令和7年度(2025年度)時点で13校あります。
内訳は公立が1校、私立が12校です。学校数以上に大きく変化しているのが生徒数です。
県内の通信制課程で学ぶ生徒は令和7年度で16,492人にのぼり、3年前の令和4年度からおよそ1.6倍に増えました。
この増加からは、通信制高校が特別な選択肢ではなく、ごく一般的な進路のひとつとして定着してきていることがうかがえます。
千葉県の特徴は、本校の立地が都市部だけに偏っていない点です。
全国から生徒を集める広域通信制高校の本校が、御宿町・多古町・勝浦市といった郡部にも置かれているため、生徒数で見るとこうした地域の本校に多くが在籍しています。
一方で、松戸市・市川市・浦安市など人口の多い地域には「本校」を置く通信制高校はありませんが、そのぶん各地に学習センターやキャンパス、サポート校が置かれており、自宅から無理なく通える範囲で学べる体制が整えられています。
ここからは、区分ごとに代表的な学校を具体的に見ていきましょう。
【公立】千葉県の通信制高校
千葉県内で公立の通信制課程を持つ高校は、千葉県立千葉大宮高等学校の1校だけです。学費の安さを重視するなら、まず候補に挙がる学校です。
千葉県立千葉大宮高等学校(千葉市)

千葉市若葉区にある、県内で唯一の公立通信制高校です。
学習は在宅での自学自習を中心に、レポート提出とスクーリング(面接指導)、テストを組み合わせて単位を修得していく、通信制の標準的なしくみです。
なんといっても学費の軽さが大きな特徴で、入学料は500円、受講料は1単位あたり330円です。
たとえば年間26単位を履修登録した場合でも受講料は8,580円程度で、高等学校等就学支援金の対象にもなります。
スクーリングは日曜・月曜・火曜のいずれかに出席する形が基本です。
県立銚子商業高校・県立館山総合高校が協力校となっており、県東部・南部からも学びやすい体制があります。
出願は中学校を卒業(または同等以上の学力)した千葉県内在住の人が対象で、3年以上の在籍と74単位以上の修得で卒業できます。
所在地:千葉市若葉区大宮町2699-1
【私立】千葉県に本校がある通信制高校
本校が千葉県内にある私立の通信制高校のなかから、特色のある3校を紹介します。
公立に比べると学費はかかりますが、独自のコースや手厚いサポートが用意されており、就学支援金を使えば実質的な負担は軽くなります。
わせがく高等学校(多古町)

学校法人早稲田学園が運営する、千葉県を代表する通信制高校のひとつです。
多古町に本校を置き、千葉県内5か所にキャンパスがあります。
毎日通う「全日型」、週2日通う「通学型」、自分で登校日を決める「フレックス通学型」、自宅学習が中心の「自学型」という4つの学習スタイルから、生活リズムに合わせて選べるのが大きな特徴です。
就学支援金を活用すれば授業料の負担は大きく軽くなります。2026年度の募集要項では、入学金は50,000円、授業料は1単位あたり12,000円です。コースにより施設設備費や補修費が異なるため、詳細は募集要項や説明会で確認してください。
新入学のほか転入学・編入学も受け付けており、Web出願に対応しています。
明聖高等学校(千葉市)

学校法人花沢学園が運営する、千葉市中央区に本校を置く通信制高校です。
インターネット上の仮想空間で学ぶ「サイバー学習国」など、ICTを活用した学習に早くから取り組んできたことで知られ、自宅にいながら通学に近い感覚で学べるしくみが整っています。
通信コースのほか全日制コースもあり、目的に合わせて選べます。
通信コースの学費は、入学金40,000円・授業料(年額)300,000円・施設費(年額)10,000円の合計350,000円が基本です(このほかに教科書・副教材費が約13,000円、育英会費が年12,000円かかります)。
就学支援金を適用すれば年間の負担は大きく軽くなります。最新の金額は募集要項で確認してください。
不登校を経験したお子さんの学び直しから進学まで、幅広く支えてくれます。
所在地:千葉市中央区本千葉町10-23
あずさ第一高等学校(野田市)

学校法人野田鎌田学園が運営する通信制高校で、野田市に本校を置いています。
最大の魅力は、通学スタイルとコースの選択肢の多さです。週5日・週3日通う「スタンダードスタイル」、週3日の「フリースタイル」、登校日数の少ない一般通信制スタイルなどから選べ、大学進学・声優アニメ・eスポーツ・デザイナーといった分野別の専門コースも用意されています。
好きなことを学びながら高校卒業を目指せるため、目標を見つけたいお子さんにも向いています。
学費は入学金がかからず、授業料は履修する単位数に応じて決まります(1単位あたり17,550円)。
年間の合計はコースによって幅があり、自宅学習が中心の一般通信制スタイルでおよそ46万円、通学日数の多いスタンダードスタイル5日制ではおよそ77万円です(いずれも24単位履修の場合・2026年度)。
就学支援金を活用すれば負担は軽くなります。
最新の金額は公式サイトの募集要項で確認してください。
所在地:野田市野田405-1
千葉県にキャンパス・学習センターがある広域通信制高校
本校は他県にありながら、全国に多数のキャンパスを構え、千葉県内でも学べる広域通信制高校から、代表的な2校を紹介します。
オンライン学習や専門コースが充実している学校が多く、近年人気が高まっています。
N高等学校・S高等学校・R高等学校(角川ドワンゴ学園)

学校法人角川ドワンゴ学園が運営する、ネット学習で全国的に知られる広域通信制高校です。
本校はそれぞれ沖縄(N高)・茨城(S高)・群馬(R高)にあり、千葉県内には千葉(千葉市中央区)・海浜幕張・松戸・柏の4か所にキャンパスがあります。
自宅中心の「ネットコース」から、週1・週3・週5でキャンパスに通う「通学コース」まで選べ、プログラミングや語学などの専門学習が充実しているのも特長です。
学費は公式サイトで、就学支援金を適用した後の負担額がモデルケースとして示されています。
ネットコースは自宅学習が中心で費用を抑えやすく、通学コースはこれに通学分の費用が加算されます。
就学支援金を活用すれば負担は大きく軽くなります。具体的な金額は世帯年収やコースによって変わるため、最新の内訳は公式の募集要項で確認してください。
スクーリングは年に数日の集中形式で、入試はネットコースが書類選考中心です。
クラーク記念国際高等学校

本校は北海道にあり、全国にキャンパスを展開する大規模な広域通信制高校です。
千葉県内には千葉市中央区の千葉キャンパス(週5日通学型)、オンラインと通学を組み合わせる「CLARK SMART千葉」、柏キャンパスなどがあり、JR千葉駅・柏駅から近い立地で通いやすいのが魅力です。
毎日通う全日型コースのほか、通学日数を選べるスマートスタディコースなどがあり、生活スタイルに合わせて選べます。進学やeスポーツなど専攻も多彩です。
学費はコースやキャンパスによって異なります。
公式サイトの「学費について」では、Web学習と通学を組み合わせるスマートスタディコースや単位制の履修コースの費用が案内されており、入学金10,000円・施設設備費20,000円・コース登録料20,000円などの諸費用に、選ぶコースに応じた授業料が加わります。
就学支援金の適用で負担は大きく軽くなります。
全日型(週5日通学)コースやキャンパスごとの詳しい金額は、各キャンパスの募集要項で確認してください。
入試の選考方法もキャンパスやコースによって異なるため、
各キャンパスの募集要項で確認するとよいでしょう。転入・編入は随時受け付けています。
千葉県のサポート校一覧
サポート校は、それ自体では高卒資格を出せない民間の教育施設です。
高卒資格を得るには、提携する通信制高校への同時入学が必要になり、サポート校の費用と通信制高校の学費は別々にかかる点に注意してください。
その分、学習面・生活面のきめ細かなサポートが受けられるのが強みで、不登校からの再スタートや大学進学を手厚く支えてくれます。
なお、サポート校は学費を資料請求や個別相談で案内する方針のところが多く、年間で数十万円規模の費用がかかるのが一般的です。
トライ式高等学院(千葉県内7キャンパス)

「家庭教師のトライ」グループが運営するサポート校で、千葉県内には千葉・柏・新浦安・西船橋・流山おおたかの森・本八幡・成田の7キャンパスがあります。
鹿島学園高等学校などの提携通信制高校に在籍しながら、トライならではのマンツーマン指導で学習を進められるのが特徴です。
通学・オンライン・在宅の3つの学習スタイルから選べ、お子さんの状況に応じて通学日数を調整できます。
進学から不登校サポートまで幅広く対応しており、近くのキャンパスを選んで通えるのも便利な点です。
学費はコースや受講するコマ数によって異なり、公式サイトでは公開されていないため問い合わせが必要です(提携通信制高校の学費は別途)。
中央高等学院 千葉校(千葉市)

1978年に創立し、全国に展開する老舗のサポート校です。
提携先は中央国際高等学校で、千葉駅から徒歩約5分とアクセスも良好です(2025年に千葉市中央区内へ移転しています)。
少人数で面倒見のよい指導に定評があり、通信制高校サポートコースや大学受験コースなど目的別のコースを通じて、無理なく高校卒業と進路実現を目指せます。
通学スタイルは個々の状況に合わせて選べ、提携校でのスクーリングを通じて単位を修得します。
サポート校である中央高等学院自体の費用は公式サイトでは公開されておらず、資料請求や個別相談での確認が必要です。
一方、高卒資格を得るために同時に在籍する提携先の中央国際高等学校(通信制)の学費は公式サイトに公開されており、入学金50,000円(初年度のみ)、授業料が1単位あたり15,000円、教育運営費が年30,000円などとなっています(たとえば25単位を履修する場合、授業料は375,000円)。
就学支援金の対象で、適用を受ければ負担は軽くなります。
最新の金額は公式サイトや募集要項で確認してください。
所在地:千葉市中央区富士見1-12-17
おおぞら高等学院(柏市・千葉市)

屋久島おおぞら高等学校のサポート校で、千葉県内には柏キャンパスと千葉キャンパスがあります。
屋久島おおぞら高等学校に在籍しながら、おおぞら高等学院でマイコーチ(担任)の支援を受けて学ぶしくみです。
スクーリングでは屋久島の本校に出向き、自然を生かした特別活動や全国の仲間とのグループワークを体験できるのが大きな特色です。
一人ひとりのペースや「好き」を大切にしながら、高校卒業と将来の目標を支えてくれます。
学費は、みらい学科の基礎コースで年間396,000円(税込)、個別指導コースで580,800円(税込)などとなっています(2027年度生徒募集要項による)。
専門コースや進学コースはコースによって異なるため、キャンパスへの問い合わせで確認してください(提携通信制高校の学費は別途)。
【目的別】千葉県の通信制高校おすすめの選び方
学校が多くて迷ってしまう場合は、何を重視するかで絞り込むのがおすすめです。目的別に向いている学校を整理しました。
とにかく学費を抑えたい方には、年間の受講料が1万円に満たない県立千葉大宮高等学校が筆頭候補です。
私立なら、N高のネットコースなど、就学支援金を活用して負担を大きく軽くできるオンライン中心のコースも検討の価値があります。
大学進学を目指す方には、進学コースを持つクラーク記念国際や、大学受験コースのある中央高等学院、進学サポートに力を入れる明聖などが向いています。
不登校経験があり手厚いサポートがほしい方には、マンツーマン指導のトライ式高等学院、少人数で面倒見のよい中央高等学院、学び直しを支える明聖などがおすすめです。
専門分野(IT・芸術・eスポーツ等)を学びたい方には、プログラミングや語学に強いN高、声優アニメやeスポーツなど分野別コースが豊富なあずさ第一が選択肢になります。
専門コースは授業料のほかに実習費・機材費がかかることが多いため、総額もあわせて確認しておくと安心です。
通学日数の少なさを重視する方には、自宅学習中心のN高ネットコース、自学型を選べるわせがく、登校日数を抑えられるあずさ第一の一般通信制スタイルなどが適しています。
発達障害・起立性調節障害の方には、体調や登校時間に合わせて在宅・オンラインで学べるトライ式高等学院、自宅にいながら通学に近い感覚で学べる明聖、一人ひとりのペースを大切にするおおぞら高等学院などが、無理なく続けやすい環境を用意しています。
朝の体調に波がある場合でも、登校日や時間を調整しながら卒業を目指せます。
千葉県の通信制高校で使える奨学金・補助金制度
通信制高校は全日制より学費を抑えられるケースが多いものの、私立やサポート校では一定の費用がかかります。
負担を軽くするために、使える制度を確認しておきましょう。
全国共通で使える制度
高等学校等就学支援金は、授業料相当を国が学校に給付する制度で、通信制高校も対象です。
支給額は履修する単位数に応じて決まり、令和8年度(2026年度)からは所得制限が撤廃されてすべての世帯が対象になるとともに、私立通信制の支給上限額も引き上げられます。
1単位あたりの具体的な支給額や上限は年度によって見直されるため、最新の金額は文部科学省や在籍校で確認してください。支給期間は最長48か月(4年間)です。
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教材費などを支援する返済不要の給付金です。
生活保護世帯・非課税世帯が対象で、世帯の状況に応じて年額が決まります。
進学を見据える場合は、通信制高校の学費にも利用できる日本政策金融公庫の「国の教育ローン」も選択肢です。
子ども1人につき350万円以内を固定金利で借りられ、返済期間は最長20年。在学中は利息のみの返済にすることもできます(利用条件は公庫の窓口で確認してください)。
千葉県の制度
千葉県にも、国の制度に加えて県独自の支援があります。
授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)は通信制高校も対象で、住民税が非課税の世帯の場合、私立通信制で年額52,100円が支給されます(返済不要)。
さらに、千葉県の私立高等学校等授業料減免制度は通信制課程も対象になっており(県外に住む生徒は除く)、世帯の所得に応じて授業料の負担が軽くなります。
制度の内容や金額、申請方法は年度によって見直されるため、最新の情報は千葉県(私学振興課など)や千葉県教育委員会で確認してください。
市区町村レベルでも、入学準備金や奨学金の貸付制度を設けている自治体があります。
お住まいの自治体の制度が通信制高校でも使えるか、各市町村の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
お子さんに合った学校選びは、学費だけでなく、通学スタイルやサポート体制、学びたい分野など、複数の視点から比較することが大切です。
気になる学校が見つかったら、まずは資料請求や学校説明会に足を運び、実際の雰囲気を確かめてみてください。
きっと、お子さんが自分らしく学べる場所が見つかるはずです。

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