「毎日学校へ通うのがつらい」「自分のペースで高校卒業を目指したい」
――そんなお子さんの進路を考えるとき、心強い選択肢になるのが通信制高校やサポート校です。
この記事では、北海道内の代表的な通信制高校とサポート校を、学費やスクーリング、入試情報とあわせて紹介します。
目的別の選び方や使える奨学金・補助金制度もまとめているので、お子さんに合った学校を見つける手がかりにしてください。
北海道の通信制高校事情
まずは、北海道の通信制高校がどのような状況にあるのかを押さえておきましょう。
北海道で公立の通信制課程を持つ高校は、道立の北海道有朋高等学校が唯一です。
一方で私立の通信制高校は数多く、全国にキャンパスを展開する大規模校から、地域に根ざした学校まで幅広くそろっています。
北海道の学校基本調査によると、令和6年度(2024年度)時点で道内の通信制高校は9校(本校・分校を所在地ごとに計上)とされています。
生徒数は大きく伸びています。
道内の通信制課程で学ぶ生徒は、令和4年度の22,834人から、令和5年度は24,524人、令和6年度は26,615人と、3年連続で増加しました。
2年間で約17%増えており、通信制高校が特別な選択肢ではなく、ごく一般的な進路のひとつとして定着してきていることがうかがえます。
地理的には、生徒数の約9割が深川市と札幌市の2か所に集中しているのが北海道の特徴です。
深川市には全国最大級の広域通信制高校の本校があり、全国の在籍生をかかえています。札幌市にも私立の本校やキャンパスが多く立地しています。
一方で、面積の広い北海道では、函館・旭川・帯広・釧路・北見といった各地にも、本校から離れて学べる協力校や学習センター、キャンパスが置かれており、住んでいる地域からスクーリングに通える体制が整えられています。
近年は札幌静修高等学校が通信制課程の生徒募集を始めるなど、私立を中心に選択肢が少しずつ増えています。
ここからは、区分ごとに代表的な学校を具体的に見ていきましょう。
【公立】北海道の通信制高校
北海道内で公立の通信制課程を持つ高校は、北海道有朋高等学校の1校です。
学費の安さを重視するなら、まず候補に挙がる学校です。
北海道有朋高等学校(札幌市)

札幌市北区にある、北海道で唯一の公立通信制の独立校です。
学習は在宅での自学自習を中心に、レポート提出とスクーリング(面接指導)、テストを組み合わせて単位を修得していく、通信制の標準的なしくみです。
大きな特徴は、道内各地の道立高校を協力校として活用し、函館・旭川・帯広・釧路をはじめ道内各地でスクーリングを受けられる点です。
ふだんのスクーリングに加え、夏季・冬季には集中スクーリングも行われます(日程や曜日は地域・年度により異なります)。
入試に学力試験はなく、書類と面接で選考され、中学校を卒業していれば出願できます。
公立の通信制高校なので、新入学初年度の1年間の経費は約4万円です。高等学校等就学支援金や各種奨学金を活用することも可能です。
所在地:札幌市北区屯田9条7丁目
【私立】北海道に本校がある通信制高校
本校が北海道内にある私立の通信制高校のなかから、特色のある3校を紹介します。
公立に比べると学費はかかりますが、独自のコースや手厚いサポートが用意されており、就学支援金を使えば実質的な負担は軽くなります。
クラーク記念国際高等学校(深川市)

深川市に本校を置く、全国にキャンパスを展開する国内最大級の広域通信制高校です。
「Boys, be ambitious!(少年よ、大志を抱け)」で知られるクラーク博士の精神を教育理念に掲げ、全日型コースから自宅学習中心のコースまで、生活スタイルに合わせて選べるのが特徴です。
毎日通う全日型コースのほか、オンラインと通学を組み合わせるスマートスタディコース、自宅学習を中心に月1〜2日程度の登校で学ぶ単位修得コースなどがあります。
学費は、単位修得コースの場合で入学金10,000円・施設設備費20,000円・受講料が1単位あたり12,000円が基本です。スマートスタディコース(スマートⅠ)は就学支援金を適用した後で年額およそ72,800円が目安です(コースやキャンパスにより異なります)。
進学やeスポーツなど専攻も多彩で、転入・編入は随時受け付けています。
池上学院高等学校(札幌市)

学校法人池上学園が運営する、札幌市を中心に学べる単位制の通信制高校です。
一人ひとりの学力や生活リズムに合わせた学習計画を立て、不登校を経験したお子さんの学び直しから大学進学まで幅広く支えてくれます。
キャンパスはJRの駅から近く、通学(スクーリング)しやすい立地にあるのも魅力です。
新入学のほか、転入学・編入学も随時受け付けており、途中から学びを再開したいお子さんにも対応しています。
学費はコースや在籍状況によって異なり、公式サイトに具体的な金額の記載がないため、資料請求や個別相談で確認してください。
所在地:札幌市豊平区豊平3条5丁目1-38 その他地域キャンパスあり。
星槎国際高等学校(札幌市)

学校法人国際学園が運営する通信制高校で、本部校を札幌市厚別区に置き、全国に学習センターを展開しています。
一人ひとりの個性やペースを大切にした教育を掲げ、さまざまな教育ニーズに対応した支援に力を入れているのが特徴です。
少人数で学べる環境が整っており、集団生活に不安のあるお子さんや、自分のペースで学び直したいお子さんが、安心して高校卒業を目指せます。
学費はコースや学習センターによって異なり、公式サイトに具体的な金額の記載がないため、資料請求や個別相談で確認してください。
所在地:札幌市厚別区もみじ台北5-12-1
北海道にキャンパス・学習センターがある広域通信制高校
本校は道外にありながら、北海道内にもキャンパスを構え、ここで学べる広域通信制高校から、代表的な2校を紹介します。
オンライン学習や専門コースが充実している学校が多く、近年人気が高まっています。
N高等学校・S高等学校・R高等学校(角川ドワンゴ学園)

学校法人角川ドワンゴ学園が運営する、ネット学習で全国的に知られる広域通信制高校です。
本校はそれぞれ沖縄(N高)・茨城(S高)・群馬(R高)にあり、北海道内には札幌大通と函館の2か所にキャンパスがあります。
自宅中心の「ネットコース」から、週1・週3・週5でキャンパスに通う「通学コース」まで選べ、プログラミングや語学などの専門学習が充実しているのも特長です。
学費は公式サイトで就学支援金を適用した後の実質負担額がモデルケースとして示されており、ネットコースは年額およそ7万円台からが目安です(世帯年収などにより異なります。通学コースはこれに費用が加算され、内訳の詳細は公式の募集要項で確認してください)。
スクーリングは年に数日の集中形式で、入試はネットコースが書類選考中心、通学コースは書類選考に加えて筆記試験と面接があります。
飛鳥未来きずな高等学校(三幸学園)

三幸学園グループが運営する広域通信制高校で、北海道内には札幌キャンパス(札幌市中央区)があります。
週1日から週5日まで、自分に合わせて通学日数を選べる柔軟なスタイルが特徴で、自宅学習中心のネットスタイルも選べます。
美容・調理・製菓・進学・声優など、姉妹校の専門学校と連携した多彩なコースが用意されており、好きなことを学びながら高校卒業を目指せます。
オープンキャンパスや学校説明会を定期的に開催しているので、雰囲気を確かめてから出願できます。
新入学のほか転入学・編入学も受け付けています。
学費は、週に3日通うコースで年間405,000円です。コースによって学費が異なるので、公式サイトで、お子さんに合ったコースの学費を確認してみてください。
所在地:札幌市中央区南1条西9-11-1
北海道のサポート校一覧
サポート校は、それ自体では高卒資格を出せない民間の教育施設です。
高卒資格を得るには、提携する通信制高校への同時入学が必要になり、サポート校の費用と通信制高校の学費は別々にかかる点に注意してください。
その分、学習面・生活面のきめ細かなサポートが受けられるのが強みで、不登校からの再スタートや大学進学を手厚く支えてくれます。
なお、サポート校は学費を資料請求や個別相談で案内する方針のところが多く、年間で数十万円規模の費用がかかるのが一般的です。
トライ式高等学院(札幌・新札幌・札幌円山・旭川・函館)

「家庭教師のトライ」グループが運営するサポート校で、北海道内には札幌・新札幌・札幌円山・旭川・函館の5キャンパスがあります。
鹿島学園高等学校などの提携通信制高校に在籍しながら、トライならではのマンツーマン指導で学習を進められるのが特徴です。
カウンセラーの資格を持つキャンパス長が学習面と精神面の両方を支え、不登校からの大学進学実績もうたっています。
通学・オンライン・在宅の3つの学習スタイルから選べ、お子さんの状況に応じて通学日数を調整できます。
学費はコースや受講するコマ数によって異なり、公式サイトでは公開されていないため問い合わせが必要です(提携通信制高校の学費は別途)。
すみか高等学院(札幌市)

札幌市中央区にある、通信制高校のサポート校とフリースクールを兼ねた新しい学びの場です。
地下鉄大通駅から徒歩1分とアクセスがよく、提携する鹿島山北高等学校に在籍しながら、自分の「ありたい姿」に向かって学べる環境づくりを掲げています。
中学生が通えるフリースクールも併設しているため、中学のうちから少しずつ慣れていくこともできます。
決まった時間割になじみにくいお子さんや、新しいスタイルの学びを探しているご家庭の選択肢になります。
学費は入学金30,000円、施設利用費20,000円(年間)、サポート費420,000円(年間)です。
提携通信制高校の学費は別途必要です。
所在地:札幌市中央区南2条西1-5 丸大ビル5階
【目的別】北海道の通信制高校おすすめの選び方
学校が多くて迷ってしまう場合は、何を重視するかで絞り込むのがおすすめです。目的別に向いている学校を整理しました。
とにかく学費を抑えたい方には、就学支援金の活用で授業料の負担を大きく軽くできる公立の北海道有朋高等学校が筆頭候補です。私立なら、N高のネットコースやクラークの単位修得コースなど、オンライン中心で負担を抑えやすいコースも検討の価値があります。
大学進学を目指す方には、進学サポートに力を入れる池上学院、進学コースを持つクラーク記念国際などが向いています。
不登校経験があり手厚いサポートがほしい方には、マンツーマン指導のトライ式高等学院、発達の特性に配慮する星槎国際、学び直しを支える池上学院などがおすすめです。
専門分野(IT・芸術・美容等)を学びたい方には、プログラミングや語学に強いN高、美容や進学など多彩なコースをそろえる飛鳥未来きずなが選択肢になります。専門コースは授業料のほかに実習費・教材費がかかることが多いため、総額もあわせて確認しておくと安心です。
通学日数の少なさを重視する方には、自宅学習中心のN高ネットコース、月1〜2日登校のクラーク単位修得コース、週1日から通える飛鳥未来きずななどが適しています。
発達障害や起立性調節障害などで、体調や登校時間に不安がある方には、さまざまな教育ニーズに対応する星槎国際、在宅でも学べるトライ式高等学院、オンライン中心で自分のペースを保てるN高などが、安心して通いやすい環境を用意しています。
北海道の通信制高校で使える奨学金・補助金制度
通信制高校は全日制より学費を抑えられるケースが多いものの、私立やサポート校では一定の費用がかかります。負担を軽くするために、使える制度を確認しておきましょう。
全国共通で使える制度
高等学校等就学支援金は、授業料相当を国が学校に給付する制度で、通信制高校も対象です。支給額は履修する単位数に応じて決まり、令和8年度(2026年度)からは所得制限が撤廃されてすべての世帯が対象になるとともに、私立通信制の支給上限額も引き上げられます。1単位あたりの具体的な支給額や上限は年度によって見直されるため、最新の金額は文部科学省や在籍校で確認してください。支給期間は最長48か月(4年間)です。
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教材費などを支援する返済不要の給付金です。生活保護世帯・非課税世帯が対象で、世帯の状況に応じて年額が決まります。
進学を見据える場合は、通信制高校の学費にも利用できる日本政策金融公庫の「国の教育ローン」も選択肢です。子ども1人につき350万円以内を固定金利で借りられ、返済期間は最長20年。在学中は利息のみの返済にすることもできます(利用条件は公庫の窓口で確認してください)。
北海道の制度
北海道にも、国の制度に加えて道独自の支援があります。授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)は通信制高校も対象で、返済の必要がありません。世帯の所得状況に応じて支給額が決まり、生活保護世帯や非課税世帯などが対象になります。なお、私立高校に通う生徒の授業料を軽くする北海道の支援制度については、通信制が対象になるかどうかが制度や年度によって異なる場合があるため、利用を検討する際は北海道(学事課)に確認するとよいでしょう。通信制高校の授業料には、国の高等学校等就学支援金が適用されます。制度の内容や金額、申請方法は年度によって見直されるため、最新の情報は北海道(私学・教育費負担軽減の窓口)や北海道教育委員会で確認してください。
市区町村レベルでも、入学準備金や奨学金の貸付制度を設けている自治体があります。お住まいの自治体の制度が通信制高校でも使えるか、各市町村の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
お子さんに合った学校選びは、学費だけでなく、通学スタイルやサポート体制、学びたい分野など、複数の視点から比較することが大切です。気になる学校が見つかったら、まずは資料請求や学校説明会に足を運び、実際の雰囲気を確かめてみてください。きっと、お子さんが自分らしく学べる場所が見つかるはずです。

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