「毎日学校へ通うのがつらい」「自分のペースで高校卒業を目指したい」
――そんなお子さんの進路を考えるとき、心強い選択肢になるのが通信制高校やサポート校です。
この記事では、佐賀県内で学べる代表的な通信制高校とサポート校を、学費やスクーリング、入試情報とあわせて紹介します。
目的別の選び方や使える奨学金・補助金制度もまとめているので、お子さんに合った学校を見つける手がかりにしてください。
佐賀県の通信制高校事情
まずは、佐賀県の通信制高校がどのような状況にあるのかを押さえておきましょう。
佐賀県内に本校を置く通信制高校は、公立の佐賀県立佐賀北高等学校と、私立の敬徳高等学校の2校です。
全国的に見ても本校の数は少なめで、県内の通信制課程で学ぶ生徒数は、公立の佐賀北高校でおよそ800人、私立とあわせても900人弱と、長い目で見ると少子化などを背景にゆるやかな減少傾向にあります。
ただし、「本校が県内に2校だけ」だからといって選択肢が少ないわけではありません。
本校は他県にありながら、佐賀市内にキャンパスや学習センターを構える広域通信制高校が複数あり、実際に通える学校はもっと多いのが実情です。
近年はJR佐賀駅前にN高等学校のキャンパスが設けられるなど、むしろ選択肢は広がっています。
地理的には、通学を伴う拠点はJR佐賀駅周辺の佐賀市内に集中しています。
公立の佐賀北高校は佐賀市と唐津市にスクーリング会場を持ち、私立の敬徳高校は伊万里市に本校を置いています。
福岡県(博多・天神)が近いため、佐賀から県境を越えて福岡のキャンパスに通う選択肢もありますが、まずは県内で通える学校から見ていきましょう。
【公立】佐賀県の通信制高校
佐賀県内で公立の通信制課程を持つ高校は、佐賀県立佐賀北高等学校の1校です。学費の安さを重視するなら、まず候補に挙がる学校です。
佐賀県立佐賀北高等学校(佐賀市)

佐賀市天祐にある、佐賀県で唯一の公立通信制課程を持つ高校です。
学習は在宅での自学自習を中心に、レポート提出とスクーリング(面接指導)、テストを組み合わせて単位を修得していきます。
普通科のスクーリングは、佐賀北高校に日曜に通う「佐賀課程」、唐津西高校の校舎に日曜に通う「唐津課程」、佐賀北高校に月曜に通う「月曜課程」の3つがあり(いずれも月2回程度)、生活スタイルに合わせて選べるのが特徴です。
被服を学べる被服科が置かれているのも、ほかにはない魅力といえます。
在籍する生徒には年齢の制限がなく、働きながら学ぶ人を含め、さまざまな世代が学んでいます。
公立校のため、高等学校等就学支援金を活用すれば授業料は実質的に負担なく学べます(諸費用は別途必要です。詳しい学費は学校にお問い合わせください)。
入試は書類審査と面接で選考され、選抜手数料は50円です。中学校を卒業していれば出願できます
所在地:佐賀市天祐2-6-1
【私立】佐賀県に本校がある通信制高校
本校が佐賀県内にある私立の通信制高校は、伊万里市の敬徳高等学校です。公立に比べると学費はかかりますが、就学支援金を使えば実質的な負担は軽くなります。
敬徳高等学校(伊万里市)

学校法人伊万里学園が運営する敬徳高等学校の通信制課程で、2017年に設置された単位制の高校です。
全日制を母体に持つ学校が運営しているため、サポート校ではなく「高校そのもの」に在籍できる安心感があり、すべての教科を高校教員免許を持つ教員が指導します。
最短3年・74単位以上の修得で卒業を目指せ、制服の指定はなく、アルバイトをしながら通うこともできます。
学費は、入学時に納める入学金50,000円と教育充実費(毎年)48,000円に、授業料が1単位あたり12,000円という構成です。国の就学支援金を使えば授業料は実質的に大きく軽くなります(このほかに教科書・教材費が1年次でおよそ15,000円、単位認定試験の受験料が1科目3,000円かかります)。
スクーリングは毎週土曜日に行われ、転入学・編入学も随時受け付けています。なお、出願できるのは佐賀県・長崎県に住んでいる人に限られます。
所在地:伊万里市立花町86
佐賀県にキャンパス・学習センターがある広域通信制高校
本校は他県にありながら、全国に多数のキャンパスを構え、佐賀県内でも学べる広域通信制高校を紹介します。オンライン学習や専門コースが充実している学校が多く、近年人気が高まっています。
N高等学校・S高等学校・R高等学校(角川ドワンゴ学園)

学校法人角川ドワンゴ学園が運営する、ネット学習で全国的に知られる広域通信制高校です。
本校はそれぞれ沖縄(N高)・茨城(S高)・群馬(R高)にあり、佐賀県内には、近年設けられたJR佐賀駅前のキャンパスがあります。
自宅中心の「ネットコース」から、週1・週3・週5でキャンパスに通う「通学コース」まで選べ、プログラミングや語学などの専門学習が充実しているのも特長です。
学費は公式サイトで就学支援金を適用した後の実質負担額がモデルケースとして示されており、ネットコースは年額およそ7万円台からが目安です(世帯年収などにより異なります。通学コースはこれに費用が加算され、内訳の詳細は公式の募集要項で確認してください)。
スクーリングは年に数日の集中形式で、入試はネットコースが書類選考中心です。
所在地:佐賀市駅前中央1-9-38
クラーク記念国際高等学校(九州国際高等学園 佐賀キャンパス)

本校は北海道にあり、全国にキャンパスを展開する大規模な広域通信制高校です。
佐賀県内では、教育連携校である九州国際高等学園の佐賀キャンパス(JR佐賀駅北口から徒歩3分)に通いながら、クラーク記念国際高等学校を併修し、両校の学びを同時に受けられるしくみになっています。
毎日通う全日型から、自分のペースを大切にしたコースまで、生活スタイルに合わせて選べるのが特徴です。
学費はコースによって異なり、公式サイトに金額の記載がないため、各キャンパスへの問い合わせや資料請求で確認してください。
入試や転入・編入の詳細もキャンパスごとに異なるため、見学や個別相談で確かめるとよいでしょう。
所在地:佐賀市神野東1-9-32
精華学園高等学校 佐賀校(佐賀市)

本校を山口県に置く広域通信制高校で、全国に学習拠点を展開しています。
佐賀校は佐賀市松原にあり、一人ひとりの状況に合わせた個別指導型の学習が特徴です。
基礎からじっくり学ぶコースや、自分のペースで進めるコースなど複数の学び方が用意されており、登校日数も調整しやすくなっています。
体育などの校外スクーリングは自由参加とされるなど、体調や事情に合わせて柔軟に学べる環境です。
学費は履修する単位数やコースによって異なり、公式サイトに金額の記載がないため、見学相談会や資料請求で確認してください。
所在地:佐賀市松原1-3-2
鹿島朝日高等学校(佐賀キャンパス)

本校を岡山県に置く広域通信制高校で、佐賀県内にはJR佐賀駅前にキャンパスがあります。
週2〜5日通うコースから、週1日制、個人指導制、自宅学習制、家庭教師制まで、学習スタイルを幅広く選べるのが特徴で、お子さんの状況や体調に合わせて無理のない通い方を組み立てられます。
自宅学習を中心にしたい場合にも対応しており、人との関わりに不安があるお子さんも始めやすい環境です。
学費はコースや学習スタイルによって異なり、公式サイトに金額の記載がないため、資料請求や個別相談で確認してください。
所在地:佐賀市駅前中央1-2-28
佐賀県のサポート校一覧
サポート校は、それ自体では高卒資格を出せない民間の教育施設です。
高卒資格を得るには、提携する通信制高校への同時入学が必要になり、サポート校の費用と通信制高校の学費は別々にかかる点に注意してください。
その分、学習面・生活面のきめ細かなサポートが受けられるのが強みで、不登校からの再スタートや大学進学を手厚く支えてくれます。
なお、サポート校は学費を資料請求や個別相談で案内する方針のところが多く、年間で数十万円規模の費用がかかるのが一般的です。
トライ式高等学院(佐賀市)

「家庭教師のトライ」グループが運営するサポート校で、JR佐賀駅南口から徒歩約2分の場所にキャンパスがあります。
提携する通信制高校に在籍しながら、トライならではの完全マンツーマン指導で学習を進められるのが特徴です。
通学・在宅・オンラインの学習スタイルを切り替えたり組み合わせたりでき、不登校からの再スタートから難関大学受験まで幅広く対応します。
カウンセラーの資格を持つキャンパス長が、学習面と精神面の両方を支えてくれるのも心強い点です。
学費はコースや受講するコマ数によって異なり、公式サイトでは公開されていないため問い合わせが必要です。
所在地:佐賀市駅前中央1-6-20
おおぞら高等学院(佐賀市)

屋久島おおぞら高等学校のサポート校で、JR佐賀駅近くにキャンパスがあります。
屋久島おおぞら高等学校に在籍しながら、おおぞら高等学院でマイコーチ(担任)の支援を受けて学ぶしくみです。
スクーリングでは屋久島の本校に出向き、自然を生かした特別活動や全国の仲間とのグループワークを体験できるのが大きな特色です。
一人ひとりの「好き」やペースを大切にしながら、高校卒業と将来の目標を支えてくれます。
学費は公式サイトに記載がないため、資料請求や個別相談で確認しましょう。
所在地:佐賀市駅南本町3-3
【目的別】佐賀県の通信制高校おすすめの選び方
学校が多くて迷ってしまう場合は、何を重視するかで絞り込むのがおすすめです。目的別に向いている学校を整理しました。
とにかく学費を抑えたい方には、就学支援金の活用で授業料の負担を大幅に軽くできる公立の佐賀北高等学校が筆頭候補です。私立なら、N高のネットコースなど、オンライン中心で負担を抑えやすいコースも検討の価値があります。
大学進学を目指す方には、難関大受験まで対応するトライ式高等学院、進学サポートを受けられるクラーク記念国際などが向いています。
不登校経験があり手厚いサポートがほしい方には、完全マンツーマンのトライ式高等学院、個別指導型の精華学園、マイコーチ制のおおぞら高等学院などがおすすめです。
専門分野(芸術・eスポーツ・プログラミング等)を学びたい方には、プログラミングや語学に強いN高が選択肢になります。専門コースは授業料のほかに実習費・機材費がかかることが多いため、総額もあわせて確認しておくと安心です。
通学日数の少なさを重視する方には、自宅学習中心のN高ネットコース、自宅学習制も選べる鹿島朝日高校、登校日数を調整しやすい精華学園などが適しています。
発達障害や起立性調節障害などで、体調や登校時間に不安がある方には、在宅でも学べるトライ式高等学院、学習スタイルを細かく選べる鹿島朝日高校、個別指導でペースを合わせやすい精華学園などが、無理なく通いやすい環境を用意しています。
佐賀県の通信制高校で使える奨学金・補助金制度
通信制高校は全日制より学費を抑えられるケースが多いものの、私立やサポート校では一定の費用がかかります。負担を軽くするために、使える制度を確認しておきましょう。
全国共通で使える制度
高等学校等就学支援金は、授業料相当を国が学校に給付する制度で、通信制高校も対象です。
支給額は履修する単位数に応じて決まり、令和8年度(2026年度)からは所得制限が撤廃されてすべての世帯が対象になるとともに、私立通信制の支給上限額も引き上げられます。
1単位あたりの具体的な支給額や上限は年度によって見直されるため、最新の金額は文部科学省や在籍校で確認してください。
支給期間は最長48か月(4年間)です。
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教材費などを支援する返済不要の給付金です。
生活保護世帯・非課税世帯が対象で、世帯の状況に応じて年額が決まります。
進学を見据える場合は、通信制高校の学費にも利用できる日本政策金融公庫の「国の教育ローン」も選択肢です。
子ども1人につき350万円以内を固定金利で借りられ、返済期間は最長20年。在学中は利息のみの返済にすることもできます(利用条件は公庫の窓口で確認してください)。
佐賀県の制度
佐賀県にも、国の制度に加えて県独自の支援があります。
授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)は通信制高校も対象で、住民税が非課税の世帯の場合、私立通信制で年額52,100円が支給されます(返済不要)。
また、佐賀県の授業料の減免制度も、一定の条件のもとで通信制課程が対象になります。
なお、ここで示した金額は令和7年度を参考にしたもので、佐賀県では令和8年度(2026年度)に制度改正が予定されており、内容が確定次第あらためて公表されます。
制度の内容や金額、申請方法は年度によって見直されるため、最新の情報は佐賀県(私学・教育に関する窓口)や佐賀県教育委員会で確認してください。
市区町村レベルでも、入学準備金や奨学金の貸付制度を設けている自治体があります。
お住まいの自治体の制度が通信制高校でも使えるか、各市町の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
お子さんに合った学校選びは、学費だけでなく、通学スタイルやサポート体制、学びたい分野など、複数の視点から比較することが大切です。
気になる学校が見つかったら、まずは資料請求や学校説明会に足を運び、実際の雰囲気を確かめてみてください。
きっと、お子さんが自分らしく学べる場所が見つかるはずです。

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