発達障がいと不登校の関係性は?不登校になった際の対応など解説

学校生活を送る上で、困難を抱えることに繋がりやすいものとして「発達障がい」があります。発達障がいと不登校に直接的に関係があるとは限りませんが、特に学齢が低いお子さんの場合、まだ自分自身の特性との付き合い方が上手でなく、周囲と違う行動をしがちであり、その様子が周囲に理解されずに孤立してしまったり、学校で怒られることや注意を受けることもあり段々と学校に行くのが嫌になってしまうケースもあると考えられます。この記事では、発達障がいと不登校の関係性について解説していきます。

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監修:中村洸太

監修:中村洸太

博士(ヒューマン・ケア科学)、臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士、池袋心理教育研究所代表、駿河台大学・聖学院大学・目白大学・ルーテル学院大学兼任講師 大学院修了後、心療内科・精神科クリニックや大学病院での勤務を経て、現在は、働くひとやその組織のメンタルヘルス支援などに関わる一方で、スクールカウンセラーとしても活動。小学校から高校生まで幅広く関わる。その他に、性的マイノリティのメンタルヘルス支援や弁護士向けのメンタルヘルス支援、オンラインを用いた臨床活動の研究や実践などを行う。

目次

学校生活を送る上で、困難を抱えることに繋がりやすいものとして「発達障がい」があります。

文部科学省の調査でも、国内の公立小学校・公立中学校の通常学級の教師が「知的発達に遅れはないが、学習面・行動面で困難がある」と感じる児童生徒の割合は8.8%であるという結果が公表されています。

この数字は過去と比較して増加の傾向となっていますが、数が単純に増えているというわけではなく、これまで見過ごされていた発達障がいに目が向けられるようになったことも理由として考えられます。

(*出典1)文部科学省|通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について

発達障がいの特性は、脳機能の特性によるもので、お子さん本人が努力をしなかったから生じたものでも、保護者の育て方が悪かったから生じたというものではありません。しかしながら不登校の要因にも関連することもあるため、周囲から特性についての理解が得られることは、学校生活を送る上で非常に重要です。

この記事では、発達障がいのお子さんに現れやすい特性から、お子さんへの関わり方について解説していきます。

発達障がいとは?

発達障がいは、2013年に発行された米国精神医学会「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版」(DSM-5)から、神経発達症(発達障がい)という名称が用いられています。正式には「神経発達症群/神経発達障害群(neurodevelopmental disorders)」といいます。
※当記事においては便宜上「発達障がい」と表記いたします。

神経発達症(発達障がい)は、典型的には発達期早期、小・中学校入学期ごろに明らかとなり、個人的、社会的、学業、または職業において、なんらかの支障を引き起こすもので、発達の偏りにより特徴づけられます。「知的能力障害」「コミュニケーション症」「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠如・多動症(ADHD)」「限局性学習症」「運動症(発達性協調(はったつせいきょうちょう)運動症、常同(じょうどう)運動症、チック症)」、これらのいずれにも分類されない「他の神経発達症」の7つに分類しています。これらは、いくつか重なって現れることがあります。

ノベルティファーマ|神経発達症(発達障害)とは

上記の定義は一例としてありますが、障がいの種類や特性、その程度などは人によって様々です。発達障がいは、特性や障がいの困難さに焦点が当てられることも多いですが、その特性を上手に活かすことで、優れた能力としてを発揮するケースもあります。

発達障がいの原因は脳機能によるものとされており、多くの場合は小さな頃から症状が現れるとされています。

脳の働きに特性があると、学校や仕事など日常生活に困りごとを抱えたり、人間関係に苦労したりすることがあります。しかし、重要なことは、脳の働きに特性があっても、生活に支障がなければ発達障がいと診断されることもないということです。大人になって、仕事を始めてから“生きにくさ”を感じて、その背景に発達障がいがあったとわかる人も多いと言われています。

つまり、単に特性があるかどうかだけではなく、どのような環境や工夫の中で生活できるかどうかという点も重要となります。

発達障がいは、近年個性として見直される傾向もありますが、学校など集団生活の場においては、その様子が目立つこともあり、結果として学校生活が苦しくなってしまい、不登校の要因となるケースもあります。「個性」として捉えることも大切ですが、日常生活に支障があるようであれば、必要に応じて合理的配慮について相談をしていくことも考えてみましょう

(*出典2)塩野義製薬|神経発達症(発達障害)

今回は、発達障がいを念頭におきながら不登校との関係や対応のポイントなどを解説していきます。

※神経発達症候群(発達障がい)の1つにある「ADHD」と不登校の関係を詳しく知りたい方は、以下記事をご覧ください。

ADHDの特性とは?不登校との関係性やお子さんとの向き合い方をご紹介

発達障がいのお子さんの割合は?

それでは、発達障がいをもつお子さんの割合はどのくらいなのでしょうか。

2023年の長野県の調査によると、長野県の小中学校で6.82%(令和5年度)の生徒が医師から発達障がいの診断を受けているそうです。これは、40人学級だと、2~3人が発達障がいの診断を受けていることになります。

同様に、高校でも4.65%の生徒が発達障がいの診断を受けています。40人学級だと、1~2人が発達障がいの診断を受けている計算です。

(*出典3)平成24年度発達障害に関する実態調査結果について

こうしてみると、発達障がいは決して珍しいものではないことが分かります。お子さんの差ポートを欠かさないようにしましょう。

発達障がいと不登校の関係性は?

それでは、発達障がいと不登校に関係性はあるのでしょうか。不登校の原因から探っていきます。

そもそも不登校の原因は?

文部科学省が不登校の原因について調査しており、このような結果が得られました。

小学生の不登校の原因

  1. 先生のこと(先生と合わなかったなど、30%)
  2. 身体の不調(27%)
  3. 生活リズムの乱れ(26%)

中学生の不登校の原因

  1. 身体の不調(33%)
  2. 勉強がわからない(28%)
  3. 先生のこと(先生と合わなかったなど、28%)

この中でも、「勉強がわからない」、「先生のこと」は発達障がいと関連がある可能性があります。発達障がいによって「勉強がわからない」と感じていたり、発達障がいによる不注意や多動傾向によって先生とうまく関係性が築けなかったなど、発達障がいと不登校に因果関係があるかもしれません。


(*出典4)資料2 【概要】不登校児童生徒の実態調査結果

発達障がいと不登校の関係性

日本財団による「不登校傾向にある子どもの実態調査」によると、不登校または不登校傾向にあるお子さんの保護者の回答に「心身・発達上に障害があると診断されている」と回答する保護者も少なくない傾向があります。

特に文部科学省が定義している「1年間に合計30日以上、学校を休んだことがある/休んでいる」の回答は21.8%の数値でした。

また「医師による診断はなされていないが、学習面や運動面、行動面において何かしら困難がある」と回答した保護者のお子さんには仮面登校A(授業不参加型)が30.5%とこちらも少なくありません。

仮面登校A(授業不参加型):基本的には教室で過ごすが、皆とは違うことをしがちであり、授業に参加する時間が少ない

この数値の全てが直接的に発達障がいであるとは限りませんし、回答をしていない中にも発達障がいに関連した困りごとを抱えている方もいるかと思いますが、こうした数値をみると、発達障がいと不登校の関係性は考えるべき事柄でもあるかと思います。

特に学齢が低いお子さんの場合、まだ自分自身の特性との付き合い方が上手でなく、周囲と違う行動をしがちであり、その様子が周囲に理解されずに孤立してしまったり、学校で怒られることや注意を受けることもあり段々と学校に行くのが嫌になってしまうケースもあると考えられます。

(*出典5)日本財団|不登校傾向にある子どもの実態調査

また、不登校と発達障がいの関連についての調査をご紹介します。

2007年の調査によると、発達障がいの生徒263人を調べたところ、12.2%である32人が不登校だったようです。

この調査は、調査した母数が少ないため、一概に関係があるとはいえないですが、非常に興味深いデータだといえるでしょう。

(*出典6)発達障がいと不登校の関連と支援に関する現状と展望

また、ある研究によると、不登校児の57%が広汎性発達障害や注意欠陥・多動性障害などの発達障害を、また24%が不安障害などの精神疾患を有していたようです。そのうち87%が不登校になってから初めて発達障害と診断され、91%の児童・生徒が睡眠障害や頭痛などの身体の不調を訴えました。

1年後調査したところ、完全登校に戻った生徒は48%、部分登校が26%、不登校のままの生徒が26%だったようです。小学生は60%が完全登校になった一方で、中学・高校生は41%に留まりました。

不登校の生徒の再登校には、生徒の発達特性をきちんと理解すること、また教育的・心理的な支援が有用であると述べられています。


(*出典7)不登校と発達障害:不登校児の背景と転帰に関する検討

発達障がいのお子さんが不登校になった際の対応

不登校状態になる背景は、様々な要因が複雑に絡み合っているものですので、発達障がいだけが要因であるとは一概に言い切れませんし、先にも述べた通り、特性の有無が問題なのではなく、その特性と生活環境の組み合わせなどが重要であるということも忘れてはいけません。

そのため、発達障がいのお子さんが不登校になった際には、その特性と関連している可能性もありますが、特性とは無関係のことで不登校に繋がっている場合や、特性と環境との折り合いの悪さゆえに起きていることもあるため安易に「発達障がいだから」と結びつけることがないようにすることも大切です。「発達障がいだから自分はどうせダメなんだ」と自信をなくしてしまうことは避けたいものです。

また、医師から発達障がいの診断を受けたとしても、個々の特性や困りごとは一人一人異なります。多くの子に共通する困りごとも少なくはありませんが、お子さんが困っていると感じていることに耳を傾け、その子が通学している学校環境や各家庭の中でできる工夫や手段を考えていきましょう

診断を受けること自体の受け止め方も様々です。「自分ができなかったことは努力不足ではなくて、脳の機能として苦手だったんだ」とホッとする子もいれば、お子さん自身が「どうせ僕が発達障がいだから・・・」と自信をなくしてしまうようなこともあります。

まずはお子さんの受け止め方を尊重しつつ、日常の様子と照らし合わせながらこれから先どうしていくことが自分にとって生活のしやすさにつながるかを考えていくことが重要です。

ここでは、発達障がいと診断を受けたお子さんが、不登校になった際の対応について解説していきます。

無理やり学校へ行かせない

これは不登校傾向にあるすべてのお子さんへの対応で言えることですが、必要があれば、まずはお子さんの心身を休めることに努めることも重要です。

何らかの事情で学校に行けない状態にあるお子さんは、自信を失っていたり、心が傷ついている可能性があります。お子さんが「学校に行きたくない」と言った場合、まずは「いきたくないといったその気持ち」を受け入れ、自宅が安心できる場所と認識できるようにしていくことが重要です。可能な限り自宅が安全であり、自分の困っている状況などを家族が受け止めてくれる、安全な場所で安心感を持てることは、今後どうしていくかを考えていく上でも非常に重要な安心の基盤となります。

そして、学校に行きたくないという背景を理解するためにも、まずは日頃からお子さんとじっくり会話ができる環境を作り、寄り添ってあげられる時間を取ってください。

時には「甘えている」「言い訳ばかりだ」と思うこともあるかもしれませんし、「でもね」とアドバイスをしたくなることもあると思います。そうすると、親や家族に相談をしても「どうせわかってくれない」「根性が足りない」と辛さを否定されたと感じて、話せなくなってしまい、一人で抱え込んでしまうことも決して少なくありません。

悩んでいるときに自分の気持ちをそのまままずは聞いてくれたという経験はお子さんにとって「自分の悩みを話しても聞いてもらえる」という安心感に繋がります。

そして、「でも◯◯しなくちゃいけないでしょ?」と否定的に検討するよりも「私は◯◯してみることも大事だと思うけど、あなたはどう思う?」など、意見を押し付けたり否定から入るのではなく、一緒にアイディアを出し合うような会話ができると、一緒に考えてくれるとお子さんも感じやすいのではないかと思います。

保護者の方も「聴くモード」「アドバイスを検討するモード」を意識的に切り替えてみるのも大事です。

担任の先生・学校とコミュニケーションを取る

学校は子どもにとって多くの時間を過ごす場所でもありますし、どのような環境や工夫、サポートの中で過ごすかは非常に重要です。特に、不登校状態の際には、何かしらの困りごとを抱えていることも少なくはないので、学校でどの様に過ごすかなどを担任や学校の管理職(校長など)と考えていくことが重要となります。

担任の先生であれば、普段の授業中の様子や休み時間の様子などについても把握していることも多いかと思います。

発達障がいの診断を受けたお子さんが、授業中に課題に取り組まないとか、全体への指示がうまく伝わっていなかったり、他のお子さんとトラブルになったりするようなケースは少なくはありません。

まずは学校での生活や学習、友だちとの関わり方などの実情を把握した上で解決策を考えていく必要があるといえるでしょう。

再度の通学を目指す場合にも、学校との連携は不可欠です。お子さんの特性を理解し、特性を活かしたり、カバーしたりの方法を考えていくことも重要です。
また、自信をなくしているような子には、学校生活の中で役割などを担ってもらうことで自信に繋がることもあります。

お子さんによっては、目立つ様なことは苦手ということもあるので、何がそのお子さんにとってはハマるのかということを試行錯誤しながら検討できると望ましいと思います。

発達障がいのお子さんに関わる全ての大人は、安易に同級生と比較するのではなく、本人を尊重した学校生活が送れるように考え、努める必要があります。とはいえ、学校という集団の場では「同年代に比べてどうであるか」ということは切り離せないこともありますし、学校のキャパとしてもできることやできないことがあるのも実情です。担任や関わってくれる先生の考え方などによって対応が異なることもあるでしょう。その点も踏まえながら、お子さんの特性を理解してもらえるよう、学校と密にコミュニケーションを取っていくことを意識するといいでしょう。

(*出典5)日本財団|不登校傾向にある子どもの実態調査

専門家への相談

発達障がいと診断を受けている、または診断を受けていなくても学習や行動に困難があると認識している場合は、早めに専門家、または専門機関への相談を行いましょう。

発達障がいと一口に言っても、その中には様々な区分・特性があり、その特性や生活環境によっても対応内容が変わってくる可能性があります。

また、文部科学省の号令の下、各学校では特別支援教育が推進されています。

各学校で任命されている特別支援教育コーディネーターは、保護者からの相談窓口を担っていることもあります。

どの先生が特別支援教育コーディネーターの担当がわからない場合でも、一度学校に相談をしてみるのも一つかと思います。

(*出典8)文部科学省|特別支援教育の推進について

発達障がいの不登校児童における支援の具体例

発達障がいの診断を受けた不登校児童の支援に対して有効と報告されている方法の1つに「トークンエコノミー法」というものがありますのでご紹介したいと思います。

トークンエコノミー法とは、望ましい行動を取った直後に報酬を与えることで、その行動の頻度を上げる手法です。

発達障がい支援のケースにおいては、「登校がんばり表(トークンシート)」を用いて、達成を見える化することで、以下のような報告があがったようです。

”Slの母親からは「目標を持ったことで驚くほど楽しんで登校できるようになった」という報告が得られた。

S2の母親からは「朝、信じられないくらい従順になった。暴力もなくなった。週末の電車を見に行くのをとても楽しみにしている」という報告が得られた。”

桜花学園大学 奥田健次|不登校を示した高機能広汎性発達障害児への登校支援のための行動コンサルテーションの効果

一方で、すべてのケースで当てはまるわけではなく、以下のような前提条件があってのことです。

効果的なトークン・エコノミー法導人の前提条件として、学校においていじめなどの深刻な問題がないこと、保護者に再登校への強い動機づけがみられること、記録行動が安定していること、生態学的調査に基づいてバックアップ強化刺激を選定すること、不安などの仮説を検証するためのシミュレーション場面でのアセスメントと事前介入などが重要であると言える。これらの前提条件が満たされない場合、例えば、対象児童の学校において明確ないじめなどの問題がある場合や、保護者からの協力が困難な場合は、他の介入が検討されるべきであろう

桜花学園大学 奥田健次|不登校を示した高機能広汎性発達障害児への登校支援のための行動コンサルテーションの効果

不登校は様々な要因が絡み合って起きている事象ですので、このケースも一例としての参考とし、まずは専門家への相談などを検討いただければと思います。

(*出典9)桜花学園大学 奥田健次|不登校を示した高機能広汎性発達障害児への登校支援のための行動コンサルテーションの効果

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【まとめ】

不登校傾向にあるお子さんの中には、学習や行動に困難があったり、医師から発達障がいと診断されるケースもあります。また、実際に診断を受けると動揺することもありますし、発達障がいと関連した困りごとやトラブルであったとしても、なかなか周囲に理解してもらえなかったり、単なる甘えであると言われてしまうようなことも少なくはありません。

小学生・中学生のお子さん自身も、発達障がいの理解自体が難しかったり、周りと同じようにできないことに自信をなくしてしまうことも少なくありません。周囲の人も衝動的な行動や言動があると、周りと比べての違和感を先立って覚えてしまうケースもあるかと思います。

保護者の方の受け止め方にも個人差はありますが、特性についての正しい理解と早めの対応をすることで、お子さんは過ごしやすくなったり、自分との付き合い方を上手にしていくことも可能です

その練習を少しでも早く始められると、不要に自信をなくしてしまうことや、傷つくことを避けることにもつながると考えられます。発達障がいや不登校については、個人差も大きいものでありますし、専門的な支援が必要な場合もありますので、家庭内だけで抱え込まず、学校や先生、専門家と上手く関わりながら取るべき対応について考えていくのがいいでしょう。

【出典一覧】

*1 文部科学省|通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について
参考箇所:冒頭

*2)塩野義製薬|神経発達症(発達障害)
参考箇所:発達障がいとは?

*3 平成24年度発達障害に関する実態調査結果について
参考箇所:小・中学校における発達障がいに関する実態調査の結果について
     高等学校における発達障がいに関する実態調査の結果について

*4 資料2 【概要】不登校児童生徒の実態調査結果
参考箇所:最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ①②

*5 日本財団|不登校傾向にある子どもの実態調査
参考箇所:発達障がいと不登校の関係性は?

*6 発達障がいと不登校の関連と支援に関する現状と展望
参考箇所:139頁 表2

*7 不登校と発達障害:不登校児の背景と転帰に関する検討
参考箇所:24頁、25頁、26頁

*8 文部科学省|特別支援教育の推進について
参考箇所:専門家への相談

*9 桜花学園大学 奥田健次|不登校を示した高機能広汎性発達障害児への登校支援のための行動コンサルテーションの効果
参考箇所:発達障がいの不登校児童における支援の例

【監修者コメント】

発達障害の診断を受けたお子さんが必ずしも不登校になるわけではありません。しかし、発達障害の特性とそのお子さんが暮らす環境との相性がよくなければ、結果として不登校の状態になることは十分考えられます。

では、この場合の不登校の原因は「発達障害」なのでしょうか。

私たちは、発達障害の人と、そうでない人、という二分で考えてしまいがちですが、コミュニケーションや注意力、読み書きというある側面の能力(これを特性と呼ぶ)に濃淡があるという表現が近いかもしれないという考え方もあり、最近ではこのような発達障害に関連する能力のばらつきを発達障害の当事者から生まれた表現として「脳の多様性(ニューロダイバーシティ)」と呼ぶこともあります。

「発達障害だから生きづらい」と感じる人も少なくはないかと思いますが、発達特性には合わないような周りの環境が「障害」を生み出すような一面も少なくないのが現状ではないかと思うことも少なくありません。発達「障害」ではなく、神経発達「症」という言葉に変わっている背景にもそうした意味合いが含まれています。

その意味で、「障害」をなくしていくためには、周囲の環境(周囲の人の理解や関わりなど)を調整していくことが重要になってきます。

「得意なこと」「苦手なこと」「サポートがあるとできること」「頑張ればできること」「あまり頑張れなくてもできること」「習得したいスキル」などの整理をしながら、各々の生活環境においてできる工夫などを検討して、生活しやすさを高めていくことが大切です。

参考引用文献

ヒトはそれを『発達障害』と名づけました

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