お子さんが学校に行きたくないと言い出した時、保護者は「どうすればいいのだろう?」と不安でいっぱいになりますよね。
「不登校支援センター」と検索してみたものの、種類も多くてどこに相談すればいいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不登校支援センターの種類から料金、評判まで、保護者が知りたい情報を徹底的に解説します。この記事を読めば、お子さんに合った支援センターを見つけるためのヒントが見つかるはずです。
不登校支援センターってどんなところ?
「不登校支援センター」とは、さまざまな理由から学校に行けない・行きづらい子どもや、その保護者を支えるための相談・支援の拠点です。
お子さんの心のケアはもちろん、学習支援、進路相談など、一人ひとりの状況に合わせた多様な支援を行っています。
ただし、正式に「不登校支援センター」という名前で統一された機関があるわけではなく、
自治体やNPO、民間団体などがそれぞれ独自に設けている“総称”として使われています。
不登校の原因は、いじめや学業不振、友人関係の悩み、発達特性などさまざまです。支援センターでは、専門家が丁寧に話を聞き、それぞれの根本的な課題に寄り添いながら、解決への道を探していきます。
不登校支援センターの種類と特徴
不登校支援センターは、大きく分けて公的機関と民間団体の2つに分類できます。それぞれに特徴があり、提供されるサービスや費用も異なります。
公的機関の支援
公的機関による支援は、主に国や地方自治体が運営しています。
教育支援センター(適応指導教室)
- 概要:教育委員会が設置・運営する施設です。不登校のお子さんを対象に、集団での活動や個別学習を通して学校生活への復帰をサポートします。
- 特徴:
- 利用料は原則無料です。教材費など実費がかかる場合があります。
- 学校とは異なる環境で、少人数での学習や体験活動ができます。
- 学習面だけでなく、社会的自立を促すための活動も行われます。
- 在籍校との連携が密に行われ、出席扱いになることも多いです。
- 注意点:
- 通級には在籍校の校長先生の許可が必要な場合がほとんどです。
- 通学可能な時間帯や曜日が限定されていることがあります。
児童相談所
- 概要:18歳未満のお子さんに関するあらゆる相談に対応する機関です。不登校の背景に虐待や貧困などの問題が潜んでいる場合、より専門的な視点から支援が行われます。
- 特徴:
- 専門の児童福祉司や心理士が、お子さんや保護者からの相談に応じます。
- 個別のカウンセリングや、必要に応じて他の専門機関との連携も図られます。
- 費用はかかりません。
その他の公的支援
- 学校のスクールカウンセラー
::学校に在籍するカウンセラーで、校内で相談ができます。 - 保健所・精神保健福祉センター
::心の健康に関する相談に乗ってくれます。
民間団体の支援
民間団体による支援は、NPO法人や株式会社などが運営しており、公的機関よりも多様なサービスを提供しているのが特徴です。
フリースクール
- 概要:学校とは異なる教育の場を提供する施設です。画一的なカリキュラムではなく、お子さんの興味やペースに合わせた学習や活動を行います。
- 特徴:
- 少人数制で、個別の関わりを重視します。
- 体験学習、アート活動、スポーツなど、ユニークなプログラムが充実しています。
- 出席扱いにしてもらえるか、については各学校の判断によります。
- 多様な料金体系があります。
家庭教師・オンライン学習支援
- 概要:自宅での学習をサポートするサービスです。訪問型の家庭教師と、オンラインでの学習支援があります。
- 特徴:
- お子さんが外出を嫌がる場合でも、自宅で安心して学習できます。
- 個別指導なので、お子さんの学力やペースに合わせた学習が可能です。
- 専門の不登校支援に特化した家庭教師や、心のケアも同時に行うサービスもあります。
不登校支援専門の相談機関
- 概要:カウンセリングや心理療法を専門とする機関です。
- 特徴:
- 不登校の原因となっている心の課題に深くアプローチします。
- 保護者向けのカウンセリングやペアレントトレーニングも行われます。
- 専門家による質の高い支援が期待できます。
気になる料金:不登校支援センターはどれくらいかかる?
支援センターを選ぶ上で、料金は重要な検討項目の一つです。公的機関と民間団体では、その費用に大きな違いがあります。
公的機関
公的機関の支援は、税金で運営されているため、基本的に費用はかかりません。
- 教育支援センター(適応指導教室):無料。ただし、教材費や遠足などの活動費として実費がかかることがあります。
- 児童相談所:無料
- 学校のスクールカウンセラー:無料
費用面を考えると、まずは公的機関に相談してみるのが良いでしょう。
民間団体
民間団体の支援は、サービス内容や運営方針によって料金が大きく異なります。
- フリースクール:
- 月謝制が一般的で、月額2万円〜10万円程度と幅があります。
- 入会金や教材費、施設維持費などが別途かかることもあります。
- 家庭教師・オンライン学習支援:
- 1時間あたり3,000円〜1万円程度が相場です。
- サービスによっては、入会金や月額のサポート料がかかることもあります。
- 不登校支援専門の相談機関:
- カウンセリングは1回あたり5,000円〜1万5,000円程度が目安です。
- 回数や頻度によって総額が変わります。
料金の比較検討のポイント
- 総額で考える
月謝だけではなく、入会金、教材費、イベント参加費など、年間にどれくらいの費用がかかるのかを事前に確認しましょう。
- サービス内容とのバランス
料金が高いからといって必ずしも良いわけではありません。お子さんに合った支援内容や、利用時間、サポート体制などを総合的に見て判断することが大切です。
- 助成金や割引制度
団体によっては、経済的に困難な家庭向けの助成金や、兄弟割引などの制度を設けている場合があります。
利用者の声から学ぶ:不登校支援センターの評判
実際に利用した人の声は、支援センターを選ぶ上で非常に参考になります。ただし、良い評判も悪い評判も、鵜呑みにせず、自分たちにとって何が重要かを見極めることが大切です。
良い評判:
- 「子どもの居場所ができた」:「学校とは違う、安心して過ごせる場所ができて、子どもの表情が明るくなった」という声は多く聞かれます。
- 「先生やスタッフが信頼できる」:「子どもの話をじっくり聞いてくれ、私たち保護者にも寄り添ってくれた」など、専門性だけでなく、人間的な温かさを評価する声があります。
- 「学習面で遅れを取り戻せた」:「個別指導で基礎から丁寧に教えてもらえ、自信を取り戻してくれた」という声もあります。
- 「同じ悩みの仲間ができた」:「他の子や保護者との交流で、孤独感が和らいだ」という、コミュニティとしての役割を評価する声も多いです。
悪い評判:
- 「料金が高かったわりに効果を感じられなかった」:費用対効果に不満を感じるケースです。
- 「期待したほどのサポートではなかった」:「思っていたよりもスタッフの数が少なく、きめ細やかなサポートが受けられなかった」など、事前の期待と実際のサービスにギャップがあったという声です。
- 「学校との連携がうまくいかなかった」:出席扱いになるはずだったのに、学校側との調整が難航した、といったケースもあります。
【評判を鵜呑みにしないためのポイント】
- 体験入学や見学に行く:評判はあくまで他者の意見です。実際に足を運び、雰囲気やスタッフの人柄、通っているお子さんの様子を自分の目で確かめることが一番重要です。
- 相談会や説明会に参加する:説明会では、センターの教育方針やサポート内容を詳しく聞くことができます。また、個別の相談会で、お子さんの状況を具体的に話して、どのような支援が受けられるのかを確認しましょう。
- 複数のセンターを比較検討する:評判が良くても、お子さんとの相性が良いとは限りません。少なくとも2〜3か所の支援センターを比較検討し、料金、支援内容、通いやすさなどを総合的に判断しましょう。
お住まいのエリアにある不登校支援センターの探し方
いざ探そうと思っても、どこから手をつけていいか迷いますよね。効果的な探し方のコツをご紹介します。
自治体の公式サイト
まずは、お住まいの市区町村の公式サイトで「不登校」「教育相談」「教育支援センター」などのキーワードで検索してみましょう。公的な支援機関の情報が掲載されています。
学校や担任の先生に相談
学校のスクールカウンセラーや担任の先生は、地域の支援情報に詳しい場合があります。お子さんの状況を最もよく知る存在でもあるので、まずは相談してみるのが有効です。
民間やNPOの支援団体もチェック
「NPO 不登校支援 〇〇市(お住まいの地域)」といったキーワードで検索すると、地域のフリースクールや学習支援団体が見つかることがあります。
インターネットで検索するコツ
検索エンジンでは、以下のキーワードを組み合わせてみましょう。
- 「不登校支援センター 〇〇(地域名)」
- 「フリースクール 〇〇(地域名)」
- 「不登校 相談 〇〇(地域名)」
また、不登校支援に関する情報サイトや、フリースクールの情報をまとめたポータルサイトも活用してみましょう。
支援センターを探すときのチェックリスト
以下の項目をチェックリストにして、比較検討するとスムーズです。
- 場所・通いやすさ:自宅からの距離、交通手段、所要時間
- 料金:入会金、月謝、年間にかかる総費用
- 支援内容:学習支援、カウンセリング、集団活動、個別指導
- 専門性:どのような資格を持った専門家が在籍しているか
- 雰囲気:見学や体験入学で感じた印象
東京・大阪・愛知の不登校支援センター
全国には多くの支援センターがありますが、特に人口の多い都市圏では選択肢も豊富です。ここでは、東京、大阪、愛知の不登校支援センターの一部をご紹介します。
東京エリアの不登校支援センター
東京都教育相談センター「思春期サポートプレイス」
不登校・登校しぶり・ひきこもり状態にある児童生徒とその保護者を対象に、心理・医療の専門家を交えて相談の場を提供。
東京都教育相談センター「青少年リスタートプレイス」
中学校で不登校の状態にある者、小学校での登校しぶり、または高校中退した人などを対象に就学支援や進路情報を提供。
東京都教育相談センター
カウンセリングを中心に、心理検査などを通じて個別支援。これまでの臨床データ多数。全国に拠点あり、東京にも拠点。
一般社団法人 不登校支援センター
カウンセリングを中心に、心理検査などを通じて個別支援。これまでの臨床データ多数。全国に拠点あり、東京にも拠点。
NPO法人はぐくむ
登校支援や家族サポート、交流・学習機会の提供など。「子どもの権利」を尊重する立場で活動。
東京認知行動療法センター
不登校・ひきこもり・発達障害など複数の背景が絡んでいるケースに対応。心理教育的視点での相談・支援。
大阪エリアの不登校支援センター
大阪府不登校支援センター「まいど」
不登校児童生徒(主に小中学生)に向けて「学びの機会の保障」「社会とのつながりの環境づくり」を目的とした居場所。
通所・オンライン、保護者相談・情報提供も。利用には見学・相談申請が必要。
大阪市教育支援センター
不登校児童生徒への支援(集団生活への適応支援、基礎学力の補充、生活習慣等の改善)等を行う。社会的自立を目的とした相談・支援を提供。
愛知エリアの不登校支援センター
不登校支援センター 名古屋支部(不登校119)
不登校専門のカウンセリング事業。親子相談、心理支援など。
なごやフレンドリーナウ(名古屋市)
心理的理由で登校できない小中学生を対象に、通所支援・適応指導を行う。
子ども教育相談 ハートフレンドなごや(名古屋市教育センター)
訪問相談・面談形式で、保護者・学校との調整も含めた支援。
※上記の情報はあくまで一例です。最新の情報や詳細については、各団体の公式ウェブサイトをご確認ください。
まとめ:最適な不登校支援センターを見つけるために
お子さんの不登校という状況は、保護者にとって非常に大きな不安や悩みを伴います。しかし、今は公的・民間を問わず、様々な形の支援が用意されています。
大切なのは、お子さんや家庭の状況に合わせて、最適な支援センターを見つけることです。
まずは相談してみる、気になる支援センターがあれば見学や相談会に参加してみる、といった一歩を踏み出してみましょう。
焦る必要はありません。お子さんの気持ちに寄り添いながら、ゆっくりと時間をかけて、一番良いと思える場所を探してみてください。この記事が、その第一歩を後押しする助けになれば幸いです。


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