SNSいじめはどう対応する?対応策/問題点/相談相手を解説

「SNSいじめ(ネットいじめ)」という言葉を聞いたことがあるでしょう。 最近は、インターネットが小中高生にも一般的に使われるようになり、昔は無かったいじめのかたちが増えています。 SNSいじめには、他のいじめとは違った怖さや対処の難しさがあり、どう対応したらいいかわかりませんよね。 この記事では、SNSいじめとはどのようなものかに触れつつ、問題点やSNSいじめにあったときの対処法/予防策を詳しく解説します。

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目次

「SNSいじめ(ネットいじめ)」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

最近は、インターネットが小中高生にも一般的に使われるようになり、昔は無かったいじめのかたちが増えています。
SNSいじめには、他のいじめとは違った怖さや対処の難しさがあり、どう対応したらいいかわかりませんよね。

この記事では、SNSいじめとはどのようなものかに触れつつ、問題点やSNSいじめにあったときの対処法/予防策を詳しく解説します。

SNSいじめとは?

SNSいじめとは、携帯電話やパソコンなどを使って、インターネット上で行われるいじめのことです。

「パソコンや携帯電話を使ったいじめ」の認知件数は、令和2年度は18,870件、令和3年度は21,900件、令和4年度は23,920件と、増加する一方です。
いじめ全体の認知件数が現象しているにも関わらず、SNSいじめの件数が増え続けているのは、深刻な問題です。

令和4年度には、全国の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校のうち約85%が、「インターネットを通じて行われるいじめの防止及び効果的な対処のための啓発活動」を実施しており、国や学校もSNSいじめを問題視していることがわかります。

(*出典1) 文部科学省|令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

(*出典2) 文部科学省|令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について 

SNSいじめの具体例

SNSいじめの種類はさまざまです。
その中からいくつか具体例をご紹介します。

掲示板やX(旧Twitter)、ブログに誹謗中傷を書き込まれる

SNSでのいじめと聞いてすぐに思い浮かぶ例でしょう。

掲示板や自分のX(旧Twitter)、ブログで特定の人の誹謗中傷を書き込んだり、本人のツイートやブログに直接誹謗中傷を書き込むなどです。

SNSは匿名性が高いため、面と向かって言えない内容をネット上に簡単に書き込んでしまう人がいます。

画像や個人情報を拡散される

SNS上で、特定の人の画像や個人情報を意図的に拡散することもいじめのひとつです。

SNSで一度拡散された情報や画像は、全てを削除することは極めて難しいため、取り返しがつかないという恐ろしさがあります。

なりすましをされる

特定の人になりすましてSNS上で発信し、その人の名誉や信頼を傷つけるパターンもあります。

SNSならではのいじめの形で、場合によっては誰がやったのかを自力で突き止めるのが難しいかもしれません。

LINE・SNSで悪口を言われる

スマートフォンを持っている学生も増えた今、コミュニケーションツールである「LINE」で直接悪口を送るといういじめもあります。
また、匿名でメールを送ってきたり、別の人になりすまして悪口のメールを送ってきたりなど、ネットを通した悪口を送る手段はさまざまです。

その他にも、Instagramでは24時間で消えるストーリーズという投稿タイプがあります。

ストーリーズは一定時間で消えるということで証拠も残りづらく、瞬間的に誰かの愚痴や悪口を書くということにも使われるケースもあるようです。

LINEグループで仲間はずれにされる

リアルだけでなく、ネット上で仲間はずれにするいじめもあります。

学校内だけでなく、家にいても人間関係で悩むことになり、精神的に追い詰められてしまうでしょう。

SNSいじめの問題点

SNSいじめには、他のいじめとは違った問題点があります。
SNS上でのいじめが問題視されていることをいくつかご説明します。

匿名性が高い

SNSの大きな特徴のひとつが、匿名で利用できることです。

顔や身元を公表せずに何でも書き込めるため、心無い言葉を平気で発信する人がいます。

また、匿名で行われると、いじめの犯人を特定するのも難しいです。

閉鎖的で大人が見つけにくい

SNS上でのやりとりは、場合によっては非常に閉鎖的で、大人に見つかりにくいです。

保護者の方は、お子さんをトラブルから守りたくても、SNS上でのやりとりを把握するのが難しいことが多いでしょう。
学校外で行われるため、学校の先生も、本人や他の生徒の報告があるまでは気づかないことが多いです。

いじめを自分から大人に相談するのは難しいため、気づきにくいことは大きな問題点と言えます。

一度広まった情報や画像を消せない

SNS上で一度拡散されてしまった情報や画像は、完全に消すことは極めて難しいです。

拡散の速さや、広まった画像や情報の回収の難しさも、SNSの大きな特徴です。

取り返しのつかないことになってしまうこともあり、慎重に使う必要があります。

SNSいじめが原因が不登校になることも

SNSいじめが原因で不登校になる場合もあります。

2018年には東京都の中2女子生徒がSNSいじめが原因で不登校になり、自殺する事例がありました。

女子生徒は中1時に部活でのトラブルを発端にSNSいじめへと発展し、学校に行けなくなりました。
不登校になった後もLINEには「消えろよ」などと書き込まれており、旅行先で撮った光景をSNSにあげると「自慢かよ」などと非難されていたようです。
2年進級時に転校しましたが、新しい学校でもうまくなじめず不登校となり、最終的には自殺という結果になってしまいました。
メッセージは女子生徒の友人のアカウントからでしたが、保護者は別の人物がなりすまして書き込んだ可能性が高いと見ていて、非常に悪質なケースといえます。

この事例は、学校がいじめを把握できなかったことも原因となり、SNSいじめの閉鎖的な部分が大きな問題となりました。

(*出典3) 東京新聞

また、逆にSNSいじめから学校生活でのいじめにつながることもあります。

今のお子さんたちの中には、一部の過激なYouTubeなどを見て育ってきた人もいるでしょう。
それらの真似事として、それほど悪意なくいたずら程度の認識で他人の容姿や内面をいじってしまう…でもいじめられた側は精神的に追い詰められ、不登校になるケースも少なくありません。

SNSいじめにあったらどうしたらいい?

自分がSNSいじめにあったら、ショックや焦りでどうしたらいいか分からなくなりますよね。
SNSでいじめにあったときの対応をご説明します。

スクリーンショットを撮る

SNS上でのいじめは、証拠を残すことを意識してください。

証拠があると、本人も言い逃れできなくなるし、保護者の方や先生も状況を理解しやすいでしょう。

もし解決しなかった場合、警察などの公的機関に相談するときにも必要になります。

書き込みを削除する

誹謗中傷などや個人情報を書き込まれたとき、犯人が分かる場合は、すぐに削除してほしいと伝えましょう。

犯人が分からないときや、頼んでも削除してもらえなかったときは、運営会社に報告し、削除依頼をしましょう。

SNSから距離をとる

悪口を書き込まれたときや仲間はずれにされたとき、気になってSNSを見てしまうかもしれません。

しかし、そのような状況でSNSを頻繁に見ると、精神的に追い込まれてしまうし、冷静な判断がしにくくなります。

落ち着いて対応するためにも、一度SNSから距離をおいて、心に余裕が生まれるのを待ちましょう。

親や学校、警察などに相談する

SNSでの出来事は、自分ではどうにもできないことが多いです。

個人情報や画像を拡散されてしまったら、大きなトラブルになるかもしれません。

勇気がいると思いますが、大人に相談しましょう。

SNSいじめにあった…誰に相談したらいい?

SNSでいじめにあったとき、一人で解決しようとせずに大人に相談しましょう。
でも、保護者の方には言い出しづらいこともありますよね。

誰に相談したらいいのか、いくつかご紹介します。

保護者の方

もし言えそうであれば、まずは保護者の方に相談してみましょう。

一番近くで、解決に向けて動いてくれるかもしれません。

相談窓口

保護者の方に言いづらいときは、相談窓口に相談するといいでしょう。

これからどうしたらいいか、教えてくれるはずです。
知らない人の方が相談しやすい人におすすめです。

国の相談窓口は、以下のリンクをご参照ください。

文部科学省|子どものSOSの相談窓口

信頼できる学校の先生

信頼できる学校の先生がいれば、その先生に相談するのもいいでしょう。

学校の人との間のトラブルであれば、学校の先生が最も対応しやすいかもしれません。

先生に相談したことによって、いじめが加速したり、ややこしくなったりしないように、信頼できる先生を選ぶことをおすすめします。

SNSでのトラブルを予防するためにできること

いじめの可能性を無くすことは難しいですが、SNSでのトラブルを避けるためにできることもあります。

2つの予防策をご紹介します。

個人情報をネット上に公開しない

安易に個人情報をネット上に公開すると、トラブルのもとになります。

いじめだけでなく、他のさまざまなトラブルからも自分を守るために、個人情報を載せないようにしましょう。

個人情報を公開しているつもりがなくても、無意識のうちに個人を特定できる情報を載せている可能性も高いので、慎重に確認することが大切です。

送信する前に誤解されないか確認する

もともとは仲が良かったのに、SNSでやりとりをする間に誤解が生まれ、関係が悪くなって嫌がらせに発展することもあります。

表情や声色が伝わらない文面でのやりとりは、より慎重に行うことが大切です。

加害者にも被害者にもならないために、送信する前に、このまま送っても誤解されないか、正しく感情が伝わるかをよく確認するようにしましょう。

まとめ

今回は、SNSでのいじめについてご説明しました。

SNSいじめは、インターネット上で行われるいじめのことです。
匿名性や閉鎖的な環境、拡散力の高さなどの特徴が問題視されています。

SNSいじめにあったときの対応として、証拠を残す・書き込みを削除する・SNSから距離をとる・大人に相談する、などがあります。

SNSでのトラブルを予防するためにできることもご紹介したので、慎重に上手にSNSを使えるように意識してみましょう。

【出典一覧】

*1 文部科学省|令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
参考箇所:SNSいじめとは?

*2 文部科学省|令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について 
参考箇所:SNSいじめとは?

*3 東京新聞
参考箇所:SNSいじめが原因で不登校になることも

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