不登校のお子さんにとって、安心して学べる環境を整えることは何よりも大切です。
学校に行くことが難しい状況でも、学びたい気持ちがあるお子さんはたくさんいます。
不登校=勉強ができないというわけではなく、お子さん一人ひとりに合った環境さえ整えば、学習意欲は自然と引き出されるものです。
近年では、ICTの発達により「オンライン」での学習スタイルが注目を集めています。中でも、自宅でマンツーマンで学べる「オンライン家庭教師」は、不登校のお子さんにとって心強い選択肢のひとつです。
本記事では、不登校の子にオンライン家庭教師が向いている理由や、実際におすすめのサービス、利用する際のポイントまで詳しく解説していきます。
不登校の子どもにオンライン家庭教師が向いている理由
不登校のお子さんにとって、「学ぶ場所」は教室だけではありません。
学習意欲があっても、環境や人間関係の影響で学校に通えないケースは多く、そんなお子さんが自分らしく学びを続けられる方法として、オンライン家庭教師が注目されています。
ここではオンライン家庭教師が不登校のお子さんに適している理由を3つの観点から解説します。
自宅で安心して学べる環境
不登校のお子さんにとって、外出や集団の場に身を置くこと自体が大きなストレスになることがあります。
オンライン家庭教師なら、慣れ親しんだ自宅でリラックスした状態で学習を進められるため、精神的な負担を軽減できます。保護者もそばで見守れる点で安心です。
自分のペースで進められる個別指導
オンライン家庭教師の多くは1対1の個別指導形式です。お子さんの理解度や性格、体調に合わせて無理なく進められるため、「授業についていけない」「質問しづらい」といった悩みが解消されやすくなります。
学習のハードルを下げ、自信を持って取り組むきっかけになります。
通塾の負担がなく、継続しやすい
交通機関を使った通塾が不要なため、体力的にも精神的にも負担が軽減されます。天候や体調に左右されることも少なく、継続しやすいというメリットも大きいです。
「今日はやめておこう」と思ったときにも、柔軟に調整できる点はオンラインならではの利点です。
不登校の子どもがオンライン家庭教師を利用する場合の懸念点
オンライン家庭教師は多くのメリットがありますが、利用に際しては懸念点もあります。ここでは、保護者が特に気にされることが多い代表的な点について解説します。
コミュニケーションの取りづらさ
オンラインであるがゆえに、講師との関係性が築きにくい場合があります。お子さんの性格や講師の対応力によっても左右されるため、体験授業などで相性を確認することが大切です。
通信環境の影響
ネット回線が不安定だと、授業が途中で止まったり、音声や映像が途切れたりしてしまいます。スムーズな学習のためには、ある程度の通信環境が必要です。
モチベーションの維持
自宅での学習は誘惑も多く、集中力の維持が難しいこともあります。保護者のサポートや講師による声かけが、やる気の維持に大きく影響します。
オンライン家庭教師とオンライン塾・フリースクールの違い
不登校のお子さんが家庭でできる学びの選択肢には、「オンライン家庭教師」のほかにも「オンライン塾」や「オンラインフリースクール」があります。
それぞれの特徴を比較し、お子さんに合ったスタイルを見つけることが大切です。
① 学習スタイルの違い
オンライン家庭教師:基本的にマンツーマンでの個別指導。お子さんの理解度や気分に合わせて進められる。
オンライン塾:少人数制や集団授業が中心。決まった時間割やカリキュラムに沿って学ぶ。
オンラインフリースクール:学習に加えて生活支援や交流の場を提供。勉強だけでなく、社会的な成長も支援する場。
② サポート内容の違い
オンライン家庭教師:学習面に特化したサポートが中心。進路指導やテスト対策などに強み。
オンライン塾:受験対策や定期テスト対策が中心。学力アップを目的としたカリキュラムがある。
オンラインフリースクール:学習面に加えて、生活やメンタルのサポートも重視。カウンセリングやコミュニケーション活動も行う。
③ 利用目的の違い
オンライン家庭教師:学習の遅れを取り戻したい、マンツーマンで丁寧に教えてほしい。
オンライン塾:受験対策や成績アップを目指したい。
オンラインフリースクール:学校復帰に向けた準備や、社会とのつながりを取り戻したい。
④ 費用の違い
オンライン家庭教師:1回あたり3,000〜6,000円程度が相場。個別指導のためやや高め。
オンライン塾:月額1万円〜3万円程度。集団授業が多いため、コストは抑えられる傾向。
フリースクール:運営団体によって異なる。月額1万円〜5万円程度のケースも。
「出席扱い」になるオンライン学習とは?
不登校のお子さんがオンラインで学習を進めている場合でも、条件によっては学校での「出席扱い」として認められるケースがあります。
文部科学省のガイドラインをもとに、ポイントを整理します。
文科省のガイドライン概要
文部科学省は、不登校の児童生徒に対し、ICTを活用した学習活動を柔軟に評価する方針を出しています。オンライン家庭教師オンラインフリースクールなど、学校以外の場で行う学びや活動を「出席」として認められることがあります。
【出席扱いになる可能性のある条件と、家庭でできること】
・学校と連携している学習機関であること
・担任や校長と連絡を取り、学習内容を報告・共有していること
・学習の様子が把握でき、学校教育の補完として妥当であると認められること
出席扱いを目指す場合は、まずは学校側と相談し、希望するオンラインサービスが条件に合っているか確認することが大切です。
不登校専門の家庭教師サービスとは?
不登校のお子さんにとって、学習サポートと同じくらい重要なのが「心のケア」です。
学習に不安を感じていたり、過去の学校経験で傷ついた心を抱えていたりする場合、一般的な家庭教師よりも「不登校専門」の家庭教師が力になれることがあります。
専門的なサポートがある家庭教師の特徴
不登校専門の家庭教師サービスでは、教科指導だけでなく、お子さんの気持ちに寄り添った対応を重視しています。具体的には、以下のような特徴があります。
◆不登校支援の専門研修を受けた講師が在籍
◆お子さんのペースやその日の体調・気分に応じた柔軟な対応
◆学習に対する自信を育てる声かけやサポート
◆学校復帰や進路に関する相談も可能
これらにより、お子さん自身が「安心して勉強できる」と感じられることが多く、学習再開のきっかけや自信を取り戻す一歩になります。
不登校の小中学生におすすめのオンライン家庭教師サービス
ここでは、不登校のお子さんが安心して利用できるオンライン家庭教師サービスを5つご紹介します。
それぞれの特徴や料金、対応時間などを参考に、お子さんに合ったサービスを見つけてください。
オンライン家庭教師Wam
特徴:学習計画から受験対策まで一貫対応
対応学年:小学生〜高校生
料金:月額4,900円(税込)~
※学年や授業時間(40分または90分)により料金が異なります。
対応時間:10:00〜22:00
サポート:内申点対策、学習計画・スケジュールの徹底指導
トライのオンライン個別指導塾
特徴:専任講師によるマンツーマン指導が特徴で、不登校のお子さんにも柔軟に対応
対応学年:小学生~高校生
料金:月額約15,000円〜(学年・指導回数・内容により変動)
※上記の料金は最安値の目安で、個別見積もりとなる場合が多いです。
対応時間:講師との相談で自由に調整可能
サポート内容:担任制で継続的な学習フォロー、学習内容のカスタマイズ可能、自習サポートや進路相談にも対応
メガスタ(オンライン)
特徴:独自のオンライン指導法とAIによる授業評価を組み合わせ、授業の質を向上
対象学年:小学生~高校生
料金:23,584円~118,800円(税込) ※学年・プランによって変動
対応時間:講師との相談で調整可能
サポート内容:指導内容のレポート提供、保護者との定期的なコミュニケーション、進路相談、システム操作のサポート
学研の家庭教師オンライン
特徴:大手の安心感と柔軟な指導
対応学年:幼児〜高校生
料金:プロ家庭教師コース1時間8,800円~
※コースによって異なります。HPをご確認ください。
対応時間:講師との相談で調整可能
サポート:内申点対策、学習状況の報告、希望に応じた教科や内容の調整、生活リズムのサポートも含めたプログラムあり
オンライン家庭教師マナリンク
特徴:アプリ内で自分で講師を選べるマッチング型
対応学年:小学生〜社会人
料金:約15,000~25,000円 ※学年によって異なります。
対応時間:講師との相談で調整可能
サポート:宿題・自習管理、24時間対応の質問サポート
オンライン家庭教師の口コミ・体験談
オンライン家庭教師を検討している保護者にとって、実際の利用者の声は参考になります。
利用者の口コミから、オンライン家庭教師のメリット・デメリットをご紹介します。
自宅で安心して受けられるのがよかった(中学1年生・保護者)
「不登校気味になっていた子どもが外に出ることに強いストレスを感じていたので、自宅で気負わず学べる点が良かったです。最初はオンラインの顔出しも苦手でしたが、今では自分から勉強する姿も見られるようになりました」
相性の良い先生に出会えて学習意欲が戻った(中学2年生・保護者)
「個別指導だからこそ、子どもに合った先生とマッチングできるのが良かったです。オンラインでも、子どもの様子や気持ちに寄り添ってくれる姿勢に安心感がありました」
継続的な学習習慣がついた(中学3年生・保護者)
「自宅学習だけではなかなか習慣がつかず苦労していましたが、週に2回オンライン家庭教師とつながることで、学習のペースが安定しました。宿題の提出管理やLINEでのやりとりなど、サポートが手厚く助かりました。受験も見据えて、安心して任せられます」
ネット環境の整備が必要だった(保護者)
「初めは通信トラブルが多くて、集中できない時間も多くありました。カメラやマイク、ネット環境を整える必要があったのは想定外でした」
保護者の見守りが必要なこともある(保護者)
「中学生といっても、自分だけで全てを管理できるわけではありません。小・中学生では、保護者がサポートに入る場面もあります。スケジュールの管理や、宿題の声かけなど、保護者の見守りは必要だと感じました」
オンライン家庭教師を選ぶときのポイント
オンライン家庭教師を選ぶ際は、ただ「有名だから」「安いから」という理由だけで決めるのではなく、お子さんの性格や状況に合ったサービスを見極めることが大切です。
ここでは、選ぶ際にチェックしておきたいポイントを解説します。
サポート内容と対応の手厚さ
「わからないところをすぐに質問できる」「学習以外の悩みにも寄り添ってくれる」など、オンライン家庭教師は単なる学習指導にとどまらないサポートを提供しているところもあります。
不登校のお子さんにとっては、メンタル面への配慮も非常に重要。サポート体制やカウンセリングの有無などもチェックしておくと安心です。
講師との相性と担当制かどうか
オンライン指導の満足度は、講師との相性によって大きく左右されます。
初回から固定の講師がつく「担当制」であれば、継続的な関係性が築きやすく、信頼関係も深まります。逆に毎回講師が変わる形式だと、慣れるまでに時間がかかることもあるため、担当講師制かどうかもポイントです。
無料体験での確認ポイント
ほとんどのオンライン家庭教師サービスでは、無料体験授業や初回カウンセリングを実施しています。以下の点に注意して体験を受けてみましょう。
◆講師の話し方・教え方はお子さんに合っているか
◆お子さんがリラックスして話せているか
◆質問しやすい雰囲気があるか
◆通信や画面操作に不安はないか
◆保護者へのフィードバックは丁寧か
体験を通じて、実際の授業の雰囲気や講師の対応をしっかり見極めることが、失敗しない選び方のポイントです。
まとめ|不登校でも、自宅で安心して学べる学習環境を
不登校は決して「学びを諦める」ことではありません。お子さん一人ひとりのペースや気持ちに寄り添いながら、安心して学べる環境を整えることが大切です。
オンライン家庭教師などのオンライン学習サービスは、自宅にいながら学習を進められるため、不登校のお子さんにとって大きな支えとなります。学習面だけでなく、メンタルサポートや生活リズムの整備など、包括的な支援を提供するサービスも増えています。
学びの形は一つではありません。お子さんの状況や希望に合わせて、無理のないペースで、自分に合った方法を見つけていくことが重要です。
まずは、無料相談や体験授業を利用して、お子さんに合ったサービスを探してみてはいかがでしょうか。新しい一歩を踏み出すきっかけとなるかもしれません。
更新日:2025/4/25