起立性調節障害で学校を休むのは甘え?不登校への理解と学校配慮、高校受験の対策を徹底解説

監修:村上実優

監修:村上実優

累計7万人以上の指導実績を持つ成基の個別指導塾「ゴールフリー」で教室長を務めた後、シンガクの教室長に就任。子どもの本来持つやる気や意欲を引き出す“教育コーチング”のスキルを活かし、学校以外の多様な学びの機会提供と、子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指してシンガクを運営している。

オンラインフリースクールという選択肢を検討してみませんか?

不登校のお子さんにとって、たとえフリースクールでも通学は大きなハードルとなることがあります。

そんな時、自宅で授業を受けられるオンラインフリースクール「シンガク」がおすすめです。出席認定に対応しており、自分のペースで学習を進められるのが特徴です。また、他の生徒ともオンラインで交流できる環境が整っています。

さらに、ゲーム依存のお子さんも楽しめるように、マインクラフトやフォートナイトなどを通じて他の生徒たちと一緒に遊べる機会も提供していますので検討してみてください。

目次

はじめに

「朝、どうしても体が動かない」「サボっているわけではないのに、起きられない」

お子さんが朝起きられず、学校に行けない日々が続くと、保護者としては「このまま不登校になってしまうのでは?」「本人の気合が足りないだけ?」と不安に駆られることもあるでしょう。

しかし、朝起きられないのは、決して意志の弱さや「甘え」ではありません。

それは、自律神経のトラブルである「起立性調節障害(OD)」という体の病気が原因かもしれません。

この記事では、起立性調節障害と不登校の関係、文部科学省の指針に基づいた学校への配慮の求め方、そして気になる高校受験の対策について詳しく解説します。

診断がつくことで、お子さんも保護者も「サボりではない」という安心感を得て、次の一歩を踏み出すきっかけになるはずです。

起立性調節障害(OD)と不登校の切っても切れない関係

なぜ起立性調節障害になると不登校になりやすいのか?

起立性調節障害の最大の特徴は、「午前中は動けず、午後から夜にかけて回復する」という体調のリズムです。

朝は激しい倦怠感や頭痛、めまいに襲われますが、夕方になると嘘のように元気になるため、周囲からは「好きなことだけやっている」「サボり」と誤解されがちです。

お子さん自身も「午後は動けるのに、なぜ朝はダメなんだろう」と強い罪悪感を抱き、そのストレスがさらに自律神経を乱すという悪循環に陥り、結果として不登校につながりやすいのです。

【割合】不登校生徒の約3~4割がODを併発している現実

統計データによると、不登校の中学生の約3~4割に起立性調節障害の疑いがあると言われています。

決して珍しいことではなく、「あなただけではない」ということを知っておいてください。

これは単なる怠けではなく、適切な治療と理解が必要な「療養期間」なのです。

文部科学省の指針から見る「不登校・OD」への対応

文科省が示す「無理な登校を促さない」という基本姿勢

文部科学省が発出した「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」では、「登校という結果のみを目標にせず、社会的自立を目指す」ことが明記されています。

無理に登校を促して病状を悪化させるのではなく、お子さんの安心・安全を最優先にすることが、令和の支援のスタンダードです。

学校を休むことは「サボり」ではなく「療養」である

医師の診断がある場合、学校を休むことは正当な「病欠」です。

また、最近では自宅でICT(タブレット等)を活用した学習が、一定の条件を満たせば「出席扱い」として認められるケースも増えています。

「休む=遅れる」ではなく「休む=回復へのステップ」と捉え直しましょう。

学校に相談すべき「合理的配慮」の具体的な内容

お子さんの負担を減らし、通いやすい環境を作るために、学校へは「合理的配慮」を求めることができます。

朝が苦手な子でも通いやすくなる5つの環境調整

学校と共有したい、具体的な調整案のチェックリストです。

  1. 登校時間の柔軟な変更:1限目を免除し、体調が安定する午後からの登校を認めてもらう。
  2. 別室登校(保健室・相談室):教室に入ることが心理的・身体的に苦しい場合、静かな別室での学習を許可してもらう。
  3. 定期テストの配慮:体調の良い午後に試験を実施したり、別室での受験や時間延長を検討してもらう。
  4. 身体的負荷の軽減:体育の見学、日差しを避けるカーテンの使用、こまめな水分補給の許可。
  5. 連絡手段の工夫:毎朝の電話連絡が親子共々負担な場合、欠席連絡をアプリやメール、または前日までの連絡にする。

体と心の両面を支えるカウンセリングの活用法

なぜ「体」の病気なのに「心」のカウンセリングが必要か?

起立性調節障害は体の病気ですが、「学校に行けない自分」を責め続けることで自己肯定感が著しく低下し、二次的にうつ症状などを引き起こすことがあります。

心のケアを行うことで、「今の自分の状態」を正しく受け入れ、前向きに療養に専念できるようになります。

スクールカウンセラーや専門機関とつながるメリット

スクールカウンセラー(SC)は、学校のルールと病気の特性の両方を理解している専門家です。保護者と学校の「仲介役(ブリッジ)」となり、無理のない登校プランの作成や、教職員への理解を促すサポートをしてくれます。

【保護者の悩み】高校受験をどう乗り越えるか?

出席日数が足りない場合の「調査書(内申書)」対策

  • 特記事項の記載:診断書を提出し、調査書に「病気療養のため欠席が多いが、学習意欲はある」といった特記事項を書いてもらうよう相談しましょう。
  • 自己申告書の活用:多くの都道府県で、不登校や病気の事情を自ら説明し、欠席日数を考慮してもらう「自己申告書(申告書)」の制度があります。

ODの生徒に向いている高校の選択肢

全日制だけが道ではありません。体調に合わせて学べる多様な選択肢があります。

高校のタイプ特徴・メリット留意点
通信制高校自分の体調に合わせて自宅学習中心で進められる。午後からの登校も多い。自己管理が必要。
単位制高校自分の受けたい時間帯の授業を選べるため、午後中心のスケジュールが可能。卒業まで3〜4年かける柔軟な計画も必要。
定時制(午後・夜間)授業の開始が遅いため、ODのリズムに非常に合っている。夜間の帰宅などの安全面。

最近では、全日制高校でも「不登校経験者枠」を設けている学校が増えています。

まとめ:起立性調節障害からの「不登校」を長引かせないために

起立性調節障害による不登校を長引かせないために大切なのは、「まずは心身をしっかりと休ませること」です。

焦って無理に登校させようとすると、かえって回復が遅れてしまうこともあります。

学校・医療機関・カウンセラーの「三角形」で支える体制を整え、お子さんを孤立させないようにしましょう。

起立性調節障害は、体の成長とともに自律神経が整い、「いつかは治る(コントロールできるようになる)病気」です。今の状況を「終わり」ではなく「お休み」と捉え、お子さんに合った未来を一緒に探していきましょう。

更新日:2026/2/27

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