普通のフリースクールと全寮制のフリースクールのどちらに通わせるべき?全寮制の費用やメリットとデメリットをご紹介!

不登校や引きこもりなどの課題を抱えるお子さんの学校に代わる”第二の居場所”として利用できるのがフリースクールです。全寮制のフリースクールは、通学型やオンラインのフリースクールにないメリットがあります。一方でデメリットもありますのでしっかり把握して選びましょう。

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目次

フリースクールは、何らかの理由で学校に行けないお子さんが学校の代わりに過ごす場所です。

フリースクールには通学型と寮生活、またそれらの併用型の3つがあり、どのフリースクールにもメリット、デメリットがあります。

この記事では全寮制のフリースクールについて、費用やメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

お子さんをどちらのフリースクールに通わせようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

フリースクールについて詳しく知りたい方はこちら

フリースクールとは?基本情報から学費・進学可否まで幅広く解説

全寮制のフリースクールはどんなところ?

前述の通り、フリースクールには3つの形態があります。

通学制では学習のサポートや課外学習といった、学習面でのサポートが充実しています

一方で全寮制の場合、そのような学習面でのサポートに加えて充実しているのが、生活面のサポートです。24時間のサポートがあるため、スタッフにお子さんの生活すべての面倒を見てもらうことができます。

活動内容に大差はないものの、サポートの内容に生活面が加わることが特徴です。

お子さんが寮で自分自身で生活するため、自立を促せることも特徴といえます。

全寮制のフリースクールにかかる費用

全寮制のフリースクールの費用はフリースクールによって異なりますが、月額約15〜30万円です。年額で約180〜360万円かかることになります。

文部科学省によると、通学のフリースクールの利用料が月額平均約3万3000円なので、費用が高めであることがわかります。

全寮制のフリースクールでは、寮管理費や食費が含まれるため、このような金額になります。

(*出典1)小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査

全寮制のメリット・デメリット

メリット

全寮制のフリースクールのメリットとして挙げられるのは、全寮制のため24時間お子さんへのサポートがあるということです。

ご家庭でのサポートとなると、保護者が仕事に行ったり、買い物に行ったりと、ずっとお子さんを見ていられるわけではありません。そのため、お子さんは昼に寝て夜は活動するという昼夜逆転の生活に陥りがちです。

しかし、全寮制の場合、24時間サポートを受けられるため生活習慣の改善も期待できます。昼夜逆転に悩んでいるお子さんをもつ方は一度入寮を考えてみるのもよいかもしれません。

さらに、保護者へのサポートも充実していることもメリットです。

全寮制のフリースクールへの入学の際、ほとんどの場合保護者との面談が行われます。

また、入寮後も定期的に保護者へお子さんの様子が伝えられます。

これは、全寮制で親元を離れるからこそできるサポートともいえるでしょう。

保護者とフリースクールがきちんと連携していることは安心材料の一つになります。

また、寮生活を通じて自立心が養われるということも魅力的です。

両親に頼りっきりだったお子さんが、一人で親元を離れて生活することで身の回りのことを自分でできるようになり、自立することができた、というのもよくある話です。

お子さんを自立させたい保護者は、全寮制のフリースクールに通わせるのも良いかもしれません。

デメリット

全寮制のフリースクールのデメリットは、費用が高めであることです。

前述のように、全寮制のフリースクールは年間180〜360万円の費用がかかります。通学型のフリースクールの年額費用が約35万円であることを考えると、その金額の差は大きく見えます。ただし食費や管理費(光熱費等)も含まれるため、ご自宅で生活する際にかかる費用との差引まで考慮すると、妥当な金額ともいえるでしょう。

お子さんを入寮させる際には、どれくらいの期間入寮させる予定なのか、どのような目的で入寮させるのかを明確にして入寮してもらうようにしましょう。

また、もう一つデメリットとして挙げられるのが、親元を離れて生活しているため、親を頼りたいときや帰りたいときに帰れないということです。

未成年のお子さんのほとんどは、精神的に自立しているとはいえません。そのため、どうしても親に会いたくなったり、頼りたいと思う場面があります。しかし親元を離れて生活しているため、なかなか会えなかったり、頼れなかったりする場合が多いです。

最後のデメリットが、プライバシー面です。

全寮制のフリースクールのほとんどが、2人1部屋であったり、4人1部屋を採用しているため、完全なプライバシーを確保することが難しいことがあります。

集団生活に慣れていないお子さんは、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
お子さんと相談しながらフリースクールを選んでいきましょう。

全寮制はどんなお子さんにおすすめ?

生活面で自立できていないお子さん

まず、ここでいう「生活面で自立できていない」とは、朝ちゃんと起きられなかったり、夜中にずっとスマホを触っているなど、昼夜逆転してしまっているお子さんや、身の回りのことが何も出来ていないお子さんのことです。

このようなお子さんは、そのような生活をしていても何も言われないために自立できていないことが多いです。そのため、全寮制のフリースクールで24時間体制のサポートを受け、指導される中で生活習慣が改善されていきます。

さらに全寮制の生活では、洗濯など身の回りのことをすべて自分自身でしなければなりません。そのため、サポートのもと、お子さんの生活力が改善する可能性が非常に高いです。

お子さんの昼夜逆転や、だらしない生活に悩んでいる保護者は一度全寮制のフリースクールに通わせることを考えてもよいかもしれません。

親子関係があまり良好でないお子さん

また、親子関係が良好でない場合も、お子さんを全寮制のフリースクールに入れるのがおすすめです。親子関係が良好でないとは、保護者への暴力であったり、保護者の言うことを全く聞かないということが挙げられます。

このような場合話し合いの場を設けるのがなかなか難しいため、上記の問題を解決することは非常に難しいです。そのため、保護者とお子さんを物理的に離し、しばらく間を設けることにより問題が解決する可能性があります。

お子さんが寮生活を通じて身の回りのことを自分でするようにする中で、保護者への感謝が芽生え問題が解決することもあるようです。

上記の悩みを持つ方は、一度冷却期間として全寮制のフリースクールに入寮させるのも良いかもしれません。

(*出典2)Title 不登校現象の家庭要因に対する一考察

不登校が長期間続いているお子さん

不登校が長期間続いているお子さんにも、全寮制のフリースクールがおすすめです。

不登校のお子さんは、自分自身が不登校なことに悩んでいることが多いです。しかし、そのようなお子さんに学校に復帰するように勧めても、そのまま学校に通うようになることはなかなかありません。

そのため、学校や家とは異なる第三の居場所として全寮制のフリースクールに入ることがおすすめです。

不登校である現状を変えたいと思っているお子さんは多いです。そのため全寮制のフリースクールを提案するとうまくいく場合も非常に多いようです。

全寮制のフリースクールには不登校のお子さんが多く在籍しています。そのため自身の境遇に共感してくれる人ができ、お子さんが前向きになる場合もあるようです。

不登校が長期間続いている場合は、新しい居場所としてお子さんに全寮制のフリースクールをおすすめしてみるのも良いかもしれません。

全寮制フリースクールに通う際のチェックポイント

お子さん自身は行きたがっているか

まず大切なことは、お子さんの意向を尊重してあげることです。

全寮制のフリースクールは、寮生活であるため、どうしても長期間親元を離れなければなりません。家に帰りたくなったり、さみしい気持ちになることもあるでしょう。

本当にお子さんに通いたい気持ちがあるのか話し合い、お子さんが前向きに通うことができるようにしましょう。

在籍学校の出席日数に追加されるか

フリースクールでの学習が在籍学校の出席日数に追加されるかどうかも、フリースクール選びで重要なポイントの一つです。

文部科学省は、出席扱い制度について「文部科学省から一律に基準を示すことはしておらず、学習の内容や時間を踏まえて学校長の判断で出席扱いとする(一部省略)」と公表しています。

(*出典3)(別記1) 義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導

つまり、「学校外の施設が適切な指導をしているか校長が判断し、OKなら出席扱い」ということです。指導がきちんとされているフリースクールであれば問題ありませんが、最終的には学校長が判断することに注意しましょう。

そのため、入寮する際にフリースクール側と学校側の双方に相談するのが良いでしょう。

親子の連絡手段に制限はないか

親子の連絡手段についても、フリースクール選びにおいては重要です。

現在は親子の連絡手段としてスマートフォンが主流ですが、フリースクールによっては、スマートフォンの使用について制限がされているところもあります。

そのようなとき、お子さんが保護者に連絡をとりたくてもとれない場合があります。

入寮の際に親子での連絡手段についてフリースクール側に確認しておきましょう。

スタッフのサポートはどのくらいか

スタッフがお子さんにどのくらいのサポートをしてくれるのかも重要な要素です。

スタッフがどれくらいお子さんをサポートするのかはフリースクールによって異なります。

お子さんの中にも、積極的にスタッフにサポートしてほしいお子さん、そうでないお子さんがいます。

もちろん緊急時のサポートは必要ですが、お子さんの意向に沿ったサポート体制のあるフリースクールを選ぶようにしましょう。

そのため、事前にフリースクールについて調べたり、フリースクールに問い合わせたりして、どれほどのサポートがあるのか知っておきましょう。

スタッフがどれくらいのサポートをしているのかは、ウェブサイトを見るだけではなかなか分かりません。

多くのフリースクールは見学を受け付けているので、入る前に一度見学に行っておくのもおすすめです。

おすすめの全寮制フリースクール3選

①セカンドスクール浦和本校

画像参照:https://2nd.school/lp/

セカンドスクール浦和本校は、緑あふれる自然のもと、規則正しい生活を取り戻すことができるフリースクールです。毎日ブログが更新されており、簡単にお子さんの様子を知ることができます。学習プログラムだけでなく、農業プログラム、ボランティア活動といったイベントもたくさん実施されています。

電話番号048‐789‐7646(無料相談)
住所〒338‐0835
埼玉県さいたま市桜区道場3丁目27‐1
アクセス直接お問い合わせください
対象年齢小学生・中学生・高校生
費用入学金 300,000円
お迎え出張費 20,000円(1人2時間)
宿泊・生活費 5,000円~(1日)
公式サイトhttps://2nd.school/lp/

②フリースクール玄海

画像参照:https://www.genkai.or.jp/

フリースクール玄海は福岡県にある全寮制のフリースクールです。1年間の寮生活を通して一人の人間として自立することが目指されています。授業科目ごとに担当の先生が違うことが特徴的です。特に、ネイティブの先生が英会話を担当していることは魅力的です。さらに毎日クラブ活動が実施されており、運動の機会が多いことも特徴の一つとして挙げられます。

電話番号092‐710‐8517
住所〒811‐3116
福岡県古賀市庄66‐1
アクセスお問い合わせください
対象年齢中学生・高校生・一般
費用3か月 740,000円
6か月 1,280,000円
12か月 2,360,000円
公式サイトhttps://www.genkai.or.jp/

③新しい海滋賀マキノ校

画像参照:https://atarasea.jp/

滋賀県にある新しい海は「働きながら、学ぶ。」ことをモットーとしています。そのため、学費や生活費は学生自らがアルバイトによって賄うため、保護者が負担する費用がないことが特徴です。昼間に働き、夜は提携するオンライン家庭教師等を利用して学生は勉強します。学生一人ひとりのタイプや目標に合わせて生活スケジュールや学習カリキュラムが組まれています。

電話番号080‐4884‐3919
住所〒520-1837
滋賀県高島市マキノ町白谷435-2
アクセスJR湖西線マキノ駅よりバス20分
「白谷温泉」下車徒歩3分
対象年齢高校生
費用保証金 100,000円(卒業時に返金)
生活支援金 世帯収入の5~10%の寄付金(任意)
公式サイトhttps://atarasea.jp/

まとめ

フリースクールは何らかの理由で学校に行けないお子さんが学校の代わりとして過ごす場所です。

全寮制のフリースクールは、サポートが手厚いことが魅力的です。しかし、費用が高いことがデメリットとして挙げられます。

また、フリースクール選びにおいては、お子さんの意見を聞くことや、行こうとしているフリースクールについてよく知っておくことが大切です。

お子さんとよく相談して、どのフリースクールに通うか決めましょう。

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