高卒認定予備校に通うメリットとは?認定試験の内容と合わせて解説します。

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目次

文部科学省が実施する「高等学校卒業程度認定試験」に合格するために学習指導を行う予備校のことを高卒認定予備校と呼びます。

あまり聞きなじみのない方も多いかと思いますが、高卒認定自体は以前の「大学入学資格検定(大検)」に代わりに導入された資格で、その資格をとるために通う教育機関が「高卒認定予備校」です。

高卒認定試験とは?

そもそも高卒認定試験とはどういった資格試験なのかを解説します。

高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は高等学校を卒業していない方が、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。 試験の合格者は、国、公、私立のどの大学、短大、専門学校でも受験でき、就職や各種の資格試験等においても活用することができます。

多くの場合、中学校卒業後に高等学校に所属していなかったり、高等学校を中途退学して卒業しなかった人が大学、短大、専門学校を受験するために資格としてとることが多いです。

高校卒業資格との違い

高卒認定の資格と高卒資格(高校卒業資格)は異なります。大きなポイントになるのは「最終学歴」の違いです。

高卒認定試験に合格をしても、高校を卒業したことにはなりません。中学卒業後に他の学位をとっていなければ、中学卒業が最終学歴になります。例えば、高卒認定をとって大学に入っても、中途退学をした場合は最終学歴が「中学卒業」になります。高卒認定試験は、あくまでも「高校卒業程度の学力があること」を認定する試験ですので、厳密には「学力を証明する資格」と考えられています。

一方で、高校卒業資格は、全日制・定時制・通信制などの高等学校において、「3年間以上在籍する」、「特別活動30単位時間以上の出席」などの卒業要件を満たした人に与えられる資格となっております。

そのため、高卒認定試験に合格しても、高校を卒業していなければ、履歴書などの学歴欄に「高等学校卒業」と記載することはできません。

具体的に最終学歴に「高校卒業」が書けない場合に困ることは、就職活動などの募集条件に「高卒以上」という記載がある場合です。もちろん、企業などによっても「高卒」の資格をどう扱うかによってはバラつきがありますので一概に高卒資格をとらなくてはいけないというわけではありません。

それぞれの特性を知った上で、お子さんが最適な選択をできるようにサポートできることが重要です。

受験科目は最大で9科目

高卒認定試験に合格するために必要な科目を確認しておきましょう。

高校に1度入学しており、いくつかの単位を修得しているお子さんについては「合格科目」へ振替ができる場合もあります。同様に、技能検定資格を持っている場合も「科目免除」がございますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

【必修科目】
国語、英語、数学Ⅰ

【選択科目】
(社会)
世界史A,B(A・Bのうちどちらか1科目必修)
日本史A,B、地理A,B(いずれか1科目必修)
現代社会/倫理/政経 (現代社会1科目又は倫理及び政経の2科目のどちらか必修)
※令和6年度入試から変更される予定です。

(理科)
理科総合/物理Ⅰ/科学Ⅰ/生物Ⅰ/地学Ⅰ ( いずれか2科目必修)

高卒認定試験の受験対象

受験年度(翌年3月まで)に満16歳になる人であれば誰でも受験することができます。しかし、すでに大学入学資格を持っている人は受験することができません。

また、学力レベルや学歴、国籍などは一切問われません。高卒認定では、全日制高校の在籍者にも受験資格が与えられています。そのため、卒業に必要な単位が足りない、という場合にも高卒認定試験を活用することが可能です。

ただし、合格科目を高校の単位として認めるかどうかは、学校長の判断となるため、事前に学校への相談はするようにしましょう。

高卒認定予備校の特徴や種類について

ここまでの説明で、高卒認定資格のイメージはつきましたか?。

ここからは高卒認定予備校にはどんなサポートがあるのか?予備校によっての特色があるのか?など、具体例を交えて見ていきましょう。

高卒認定予備校の役割と目的

高卒認定試験は予備校に行かなくても受けることができますが、予備校を活用することで効率的に学習ができたり、たくさんの情報に触れることができます。なかには、卒業後も大学や専門学校などの受験指導を受けられる学校もあります。

また、単純に受験勉強するだけではなく、生徒の将来の進路や夢について講師やスタッフが一緒に考えようとする姿勢を大切にしている学校も少なくありません。同じ目標をもった友人と出会い、切磋琢磨できる点もメリットです。

自分1人で高卒認定の情報収集をしていく難しさであったり、自分1人で学習を継続させていくことは簡単ではありません。プロの手を借りながら、資格取得のための勉強に集中するためには予備校を活用するという方法もあることを知っておきましょう。

高卒認定予備校の種類と特徴

高卒認定予備校という名前からも分かる通り、高卒認定をとるための学習プランが各予備校で用意されています。それに加えて、各予備校が特色のあるコースや授業などを用意しているので、一例として紹介させていただきます。

・高卒認定 通学型
一般的な、高卒認定をとるために校舎に通って学習を進めるタイプ

・高卒認定+大学受験型 
高卒認定をとるだけでなく、その先の大学受験を見据えて学習を進めるタイプ。
高卒認定自体が大学受験の内容と被る部分もあるので効率よくすすめられます。

・高卒認定 個別授業型、少人数型
1対1~1対少人数まで、できる限り個人の能力に焦点をあててカリキュラムを作成してくれます。自分のペースで学習することができます。

・高卒認定 オンライン型
自宅にいながら、プロの指導を受けられるのがオンライン型です。自宅でやるとなると本人にある程度任せるしかない部分もあり、心配にもなるかと思いますが、そのあたりのサポートも予備校によって異なるので事前に調べておきましょう。

そのほか、学習面だけではなく生活や健康面含めてサポートしてくれる予備校があったり、高等学校のように体験学習や各種行事ごとをうりとしている予備校もあります。本人の状況や希望に合わせて、お子さんにあった学校選択ができるように、入学前の下調べを入念に行いましょう。

高卒認定予備校に通うメリット

高認予備校を利用するメリットや、実際に通った人の事例をご紹介します。

高卒認定予備校を利用するメリット

まず高卒認定予備校には、高認合格のためのノウハウがあり、高認合格という目的に特化した勉強方法を教えてくれます。これに従ってやっていけば効率的に高認合格のための学力が身につくカリキュラムが組まれていて、ペース配分もしやすく、勉強をすすめやすいです。

こういった点で、独学の場合は勉強の幅が広がりすぎたり狭くなりすぎたりして、必要十分な勉強をすることが難しくなります。

また、高卒認定予備校を利用すると、同じように高認合格を目指している仲間と知り合う機会もあり、お互いに励まし合うことができます。同じ目標を目指す仲間がいると、モチベーションが維持しやすいという良さもあります。

実際に高卒認定予備校を利用した不登校経験者の体験談

◇学校になじめず引きこもりになってしまったAさんの例
学校生活に馴染めず、自信を失ってしまったAさんは自室にこもる日々を送っていました。しかし、ある日、オンラインゲームを一緒にしていた友達の一言で自分の将来を考えるようになり、高卒認定試験を受けることを決意します。

自力での勉強は難しいと感じたAさんは、親に相談した結果、高卒認定予備校に入学することにしました。予備校での授業は、高校生と同じように教科ごとに分かれ、基礎から丁寧に教えてくれました。Aさんは最初は不安もありましたが、予備校の先生や仲間たちのサポートに助けられ、少しずつ自信を取り戻していきました。

予備校では、授業だけでなく、学習計画の立て方や効果的な勉強法も教えてもらえました。それに加えて、模擬試験の実施や過去問の解説など、合格に向けた徹底的なサポートが行われました。Aさんは予備校での学びを真剣に受け止め、日々の勉強に励みました。

試験までの期間は短かったですが、Aさんは一つひとつの学習課題に取り組み、徐々に成果を出していきました。苦手科目にも踏み込んで取り組み、分からない点は先生に相談しながら解決していきました。

そして、Aさんは予備校での学びと努力が実を結び、試験に合格することができました。

高卒認定試験に合格したことで、Aさんは自分の可能性を再発見し、新たなステージに進む勇気を得ました。彼はこの経験を通じて、自分の未来を自ら切り拓くことの重要性を学んだと語っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。まずは高卒認定をとることが重要なのか?それとも高校卒業資格が必要なのか?お子さんの今後のキャリアを考えるうえでどちらが重要なのかを考えることから始めましょう。

高卒認定を修得することに決めた場合、自分1人で始める前に、しっかり情報収集することをおすすめします。高卒認定予備校にもたくさんの種類があり、お子さんの力になることがあると思いますので、まずはどんなことでも良いので相談してみてください。

お子さんの力になる情報が手に入るのではないでしょうか。

【出典一覧】

1.文部科学省|高校卒業認定について

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